【コラム】アジアの喧騒といい加減具合が心地よかったインドネシア
押忍、編集長です。今年も怒涛の8月が終わりました。8月はデンマークにはじまり、主に江の島、インドネシアで取材撮影していました。そして9月は江の島月間です。ワールドカップ、オリンピックウィークに詰めているので、みなさん江の島でお会いしましょう。(BHM編集部)
ジャカルタ・アジア大会。オープンスタイルのメディアセンター。photo by Junichi Hirai
ここ数年を振り返ると、忙しいときに限って、転んで歯を折ったり、松葉杖を使う羽目になったり、肺炎にかかったり、もろい身体を露呈している編集長ですが、今年はすこぶる調子が良い。9月も勢いで乗り切ることにしようと思います。
編集長は、10年以上、世界の海を走りまわっています。現場の経験もだいぶ増えました。2004年にバルクヘッドマガジンを始めた当時は「なにがなんでも!」と鼻息荒く右往左往していましたが、最近は急いだって仕方ない「なんとかなるよ」の余裕が生まれてきました。
アジア大会が開催されたインドネシア・ジャカルタの撮影環境は、お世辞にも快適ではありませんでした。町は異常なまでの交通渋滞と排ガス、騒音。気温、湿度は高く長時間歩くのはおすすめできません。セーリング会場は、ジャカルタ・アンコル地区の外れ、海岸沿いの一角に新設されました。
こぢんまりとしたセーリング競技場で、建物はあたらしく快適そうですが、スロープはひとつ。さん橋は臨時のつなぎ合わせたフロートタイプで、これがまた、揺れる、揺れる。ボートの引波でグラン、グランに揺れるので、人が振り落とされてしまいそうです。
記者やカメラマンが作業するメディアセンターは、あるにはあるのですが、フルオープンのテントでした。屋外と同じなので、暑くて居心地はよろしくない。さらに海風ビュンビュンで潮も飛び込んできます。
撮影用のフォトボートは1艇だけで、各国のカメラマンが乗り合わせました。でも、ドライバーも各国のカメラマンもセーリング競技を知らないので、けっきょく編集長があれこれ指示する係りになっていました。
面倒な反面、良い部分もあります。なんとなく自分の行きたい方(撮影したい方向)にボートをコントロールしていけるからです。アジア大会最終日で日本の470男女のレース後、日の丸を掲げた写真が全国の新聞やニュースで紹介されたのは、編集長が映りやすいようにボートをコントロールしていたからです。えっへん。
と、ここまで愚痴が続きましたが、本当に言いたいのはここからです。実は、欧米のヨットレースを取材することの多い編集長ですが、ジャカルタの撮影は最高に楽しく気分よくできました。ボランティアで働いてくれる人たちがとても気さくで、「なんとしてもメディアに協力してあげたい」という気持ちが伝わってきたからです。
とある国のようにルールに厳しく高圧的に意見されることもなく、物事が勝手に進んでいくこともありません。インドネシアのアジア大会では、不自由なこともありましたが、セーリングの良い部分を見せてもらったように思えます。よい意味でいい加減で、その具合が心地よかった。これは韓国や中国のヨットレースでは感じられなかったことなので、インドネシア特有のムードなのかもしれません。
メディアボートの運転は技術的なことだけでなく、ヨットレースの知識も必要になります。2020年に東京五輪を江の島で迎えるにあたり、(最低限の)英語力、コミュニケーション力も大切になってきます。個人的には、セーリングを知っている人がメディアボートのドライバーを担当したほうが、物事がスムーズに運ぶような気がしています。
と、話は脱線しましたが、インドネシアの取材は大変だったけど楽しかった。ヨーロッパも魅力的ですが、心地よさはインドネシアが優れています。日本はやっぱりアジアの仲間なんだな、と再確認しました。
夜6時から始まったメダルセレモニー。競技会場にスペースを作っておこなわれ、フォトグラファーは撮影場所から撮影していました。セレモニーは韓国仁川アジア大会のほうが豪華な演出でした。photo by Junichi Hirai
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