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【コラム】海外ヨットレースを取材していて感じることなど雑文

 こんにちは、バルクヘッドマガジン編集長です。スペインから戻った先週末は、楽しみにしていたアウディ・ニッポンカップが嵐で中止になり、今週は相模湾でどっぷり撮影。それでもって週末からはワールドカップ・フランス大会(イエール)へ行ってきます。(BHM編集部)

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約10年前、はじめてイエールを取材した時(上写真は当時撮影したものです)「ヨットレースは陸から観戦しても楽しめるんだ」と感動した思い出があります。サンドイッチとビールがあれば素晴らしいピクニックですね。日本でもこんな光景にあこがれます。photo by Junichi Hirai

50回を迎える伝統の五輪ヨットレース、フランス・イエール大会

 なにかとあわただしい季節になりました。不思議なもので、10代より20代、30代よりも40代の方が、間違いなく時間のスピードが加速しています。50代、60代になったら、さらにスピードアップするんでしょうか? ものすごく嫌だ。

 フランス・イエールは、編集長がよく訪れている思い出の場所で、はじめていったのは、たしか北京五輪前になります。イタリア・ガルダ湖からフランスまで、北京五輪470級代表だった松永鉄也・上野太郎組の、移動用バンに乗せてもらってたどり着いた記憶があります。

 当時のバルクヘッドマガジンは取材費用がなくて、それでも世界のヨットレースを取材したり、世界のフォトグラファーから撮影技術を学びたくて、けっこう無謀な計画で突き進んでいました。

 フランス・イエール大会は、当時「フランス・オリンピックウィーク」と呼ばれていて、ヨーロッパでおこなわれているシリーズ戦で人気の大会でした。その後、ワールドカップに変更されて現在に至りますが、このイエール大会が今年で50回を迎えます。

 編集長が初めて訪れた10数年前にワールドカップは存在せず、選手たちはフランス・イエール、イタリア・ガルダ湖、オランダ・メデンブリック(スパレガッタ〜デルタロイドレガッタ)、ドイツ・キールと毎月連続する欧州ヨットレースを転戦していました。

 これらの大会は、若い選手と家族がキャンピングカーに泊まりながら出場するような若手セーラーの登竜門的ヨットレースで「お祭り」のような雰囲気がありました。

 クラスごとに分かれるバースにはレース艇がギシギシに詰め込まれ、出艇するにも帰着にも時間がかかり、下手な選手も多くてトラブルもたくさんあり、ハーバーは人がいっぱい、海辺のレストランもいっぱい、メディアルームも席の取り合い、でした。

 近年ワールドカップに変更され、世界ランキング上位選手に限定したハイレベルなスポーツイベントとなったため、大会の雰囲気が大きく変わったのも事実です。

手本にしなくて良いワールドカップ。日本が一番盛り上がっている

 えらそうに言うわけではありませんが、バルクヘッドマガジン編集長は、世界でいちばんワールドカップを取材しているジャーナリストです。どうして迷いなく「世界一」と言えるのかというと、ほとんどの大会にジャーナリストは来ないからです。

 経験から言えば、いま世界でいちばん盛り上がっているワールドカップは日本大会に間違いありません。残念ながら、海外でおこなわれるW杯は、年々しぼんでいるのが現状で、お世辞にも素晴らしい大会とは呼べません。

 現実問題として、開催地に立候補する国(場所)がなく、突然、開催が中止になることもしばしば。先日、2019年のW杯ヨーロッパ大会は、イタリア・ジェノバで開催されることが発表されましたが、2019年のW杯最終戦はまだ場所が決まっていません。

 いま日本ではワールドカップ日本開催、そしてオリンピックテストイベント、2020年東京五輪に向けて、いろんな方が一生懸命はたらいています。

 当然ながら東京五輪があるから世界で注目されているのですが、編集長の感覚では、海外選手やメディアと話した限り、評価は決して低くはありません。これは自信を持って良いと思います。

 特に編集長が関わるメディア関連でいえば、日本大会(2017年蒲郡大会)は、国内外のメディアが桁違いに多く訪れた大会になりました。そして、これは予想できることですが、今年のW杯でいちばん注目を集めるのは(メディアが大勢訪れるのは)江の島大会です。

 関係者のみなさんにプレッシャーを掛けるわけではありませんが、いま江の島は世界の注目を集めています。ぜひ力を合わせて成功させましょう!

 編集長は、世界でおこなわれているワールドカップは、良い部分だけ真似て、あとは日本独自の路線を取り入れていくことが大切だと思っています。

 ワールドカップを開催するにあたり、いろいろ規制があるようですが、「世界のワールドカップが成功していない」ことを頭に入れて、東京五輪後もセーリングの盛り上がりが続くような仕組みを考えたほうが得策かな、と考えています。

 だらだらと書いていたら、長文になってしまいました。先に書いたように2019年W杯にジェノバ大会が加わったことで、同じヨーロッパ開催のイエール大会が今年で最後になる可能性が高くなってきました。

 編集長がイエールを取材するのは最後になるかもしれません。そうと思うとさみしさを拭えませんが、大会がはじまったら時間短縮で、いつものようにドタバタして終わるのだろうから、感傷的になる時間はなさそうです。

◎WORLD CUP HYERES
http://swc.ffvoile.fr/

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