【全日本インカレ】激闘、運命の全3レース。同志社大が総合優勝を飾る
11月5日、福井県高浜町・若狭和田マリーナで開催された「第82回全日本学生ヨット選手権」。初日にノーレース(微風)、2日目に1レース、3日目ノーレース(強風)と極めて不安定なコンディションが続き、過去に例のない大会不成立も危ぶまれましたが、最終日に2レースおこなわれ大会は成立。総合優勝は同志社大が獲得し、早稲田大が挑戦した総合四連覇を、過去に唯一四連覇を達成した同志社大が阻止するという、運命的な結末となりました。(BHM編集部)
スナイプ級優勝、総合優勝を獲得した同志社大。4年ぶりの総合優勝です。photo by Junichi Hirai
成績は、他大学から同志社大へプロテストが出され、審問が終わるまで持ち越されましたが、2件の抗議が却下されたことで同志社大の総合優勝が確定しました。合計3レースという少レース勝負、さらにシフトの大きい微風〜軽風戦で、成績を安定させるにはむずかしい海面でした。
470級の慶応大、スナイプ・総合優勝の同志社大は、2日目の1レースで首位に立ち、その成績を保持して勝利を勝ち取りました。全体の流れを振り返れば、前線が通過した3日目のスタート時のブラックフラッグが勝敗を分けたといえます。
470級26艇、スナイプ級14艇がリコールで失格となり、最終日に再レースとなった第2レースに出場できず。優勝を狙う早稲田大も470級、スナイプ級で失格艇を出してしまい、一気に146点が加算されてしまいます。
早稲田大は得点差を埋めるべく、ポイントを重視した乗員変更など考えられる戦略を尽くし、大幅に得点を短縮するも追い上げ及ばず。同志社大に40点差で破れました。
同志社大は、失格艇を出さなかったことはもちろん、同大学が持っている勝利の法則を貫いたことも、優勝へ導く一因となりました。例年に習い、他大学よりも早く現地入りしてトレーニングしてきたという同志社大は、他大学より一歩早く多くの情報を手にしていました。
「9月二週目から土日を現地で練習してきました。でも、波が悪く、風が弱くて乗れないことも多く、このコンディションをターゲットに2カ月間、現地で練習しました。直前まで優勝できると思っていなかったので、この優勝は本当にうれしいです。今年の4年生は15人いて、いろんな性格のメンバーが集まりました。インカレが近づくにつれて皆の調和がとれてきて、良いムードで戦えたことも勝因だったと思います」(杉山 航一朗主将)
第82回全日本学生ヨット選手権の上位成績は次のとおりです。来年83回大会は、愛知県蒲郡市・海陽ヨットハーバーで開催される予定です。
第82回全日本学生ヨット選手権 上位成績
470クラス
1位 慶応大 133点
2位 同志社大 164点
3位 早稲田大 172点
4位 関西学院大 190点
5位 法政大 226点
6位 明海大 249点
スナイプ級
1位 同志社大 150点
2位 日本大 171点
3位 早稲田大 182点
4位 関西学院大 209点
5位 中央大 211点
6位 九州大 238点
総合成績
1位 同志社大 314点
2位 早稲田大 354点
3位 慶応大 376点
4位 関西学院大 399点
5位 九州大 513点
6位 日本大 521点
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◎ライブ・トラッキング(スマホでヨットレース)
https://yachtrace.jp/event/2017IC/
大きなうねりが残る中でレースがおこなわれた最終日。テンポよく2レースを終えました。photo by Junichi Hirai
470級初優勝となる慶応大。「風待ちの長かった第1レースで50点以内の失点に抑えられたのが良かった。総合を取れなかったのは残念ですが、470は4年だけでなく、3年、2年の混成チーム。来年、再来年も力は続きます。総合優勝は後輩に託します」(江頭英翔・470リーダー)
近年、熱戦を繰り広げている国立大勢トップは九州大。最終日に追い上げ総合5位を獲得しました。photo by Junichi Hirai
閉会式の後に全員で記念撮影。来年の全日本インカレは蒲郡で開催されます。photo by Junichi Hirai
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