【アメリカズカップ】ソフトバンク・チームジャパン、準決勝敗退
6月9日(日本時間10日)、バミューダで開催されているアメリカズカップ・チャレンジャープレーオフ準決勝最終日。19〜22ノットまで吹き上がるなか、ソフトバンク・チームジャパンはスタートで先行しますが、アップウインドレグのバウンダリー(境界線)手前で痛恨のタックミス。アルテミス・レーシングに逆転を許し、そのまま逃げ切られる形で勝敗が決まりました。17年ぶりに出場を果たした日本のアメリカズカップ挑戦は、準決勝敗退となりました。エミレーツ・チームニュージーランドとアルテミス・レーシングのプレーオフ決勝は5勝先勝で明日より始まります。(BHM編集部)
ボート性能はスウェーデンと非常に近い状態でした。激しい攻防で勝利を勝ち取ったアルテミス・レーシングの戦い、クルーワークは見事としかいいようがありません。日本も最後までよく戦いました。本当におつかれさまでした。photo by ACEA 2017 / Gilles Martin-Raget
ソフトバンク・チームジャパン代表選手のコメント
ディーン・バーカー
「勝てなかったのは残念。全力で戦ったが、相手の方が強かった。でも今一番強く感じるのは、この2年間で成し遂げたことへの誇り。ここバミューダで早福総監督兼選手と全くのゼロからチームを立ち上げた。日本からのサポートは素晴らしかったし、日本にこの新しいアメリカズカップを紹介するという経験は何にも代え難いもの。今日のレース後にチーム全員とその家族や友人が出迎えてくれた瞬間の気持ちは言葉に表せない。このチームに将来があると信じているし、そうであってほしい」
「このチームの大きな目標の一つが、このスポーツとチームのファンを日本に作っていくことだった。2000年以来の日本チームの挑戦は素晴らしかったし、次につながることを願う。このチームを支えてくれた方全員に感謝している。ジェットコースターのような2年間だった。チームが成し遂げたこと、そしてチームのメンバー全員を誇りに思う。これらは何にも代え難い。信じられないほど素晴らしい挑戦だったし、次の大会に向けての挑戦があることを願っている」
早福和彦
「複雑な心境。振り返るとあっという間の2年間だったが、決して楽な道のりではなかった。濃厚な2年間であり、大会が開幕してみればあっという間に終わってしまった。心が空っぽになったような感覚。それでも、これは新たなスタート。次のステージに進めないのは残念だが、この現実を受け止める。これが我々の実力だったということ。優秀なチームが次のステージに進むのは当然。ゼロからスタートした小さなチームがここまで来れた。限られたリソースの中でここまで来れたのはチームの力。本当に誇りに思う。皆に愛されるチームを作りたいと思っていたが、それは達成できたと感じている。たくさんのサポートを受けてきた」
「吉田選手と笠谷選手は素晴らしい仕事をした。本当に頼もしい。辛い思いをすることもあったと思う。海上でレースをしたことがある人にしかわからない悔しさや大変さがあるが、彼らは毎レース淡々と、チームが勝つために一生懸命やってくれた。日本の若いセーラーや若いスポーツ選手が彼らの頑張りを見て足跡を追うようになってくれたら嬉しい。もう一度このチームで挑戦したい。可能性のある、素晴らしいチーム」
吉田雄悟
「振り返るとあっという間だった。終わった感じがしない。毎日大事に過ごしてきたし、とても濃い1年半だった。勝つために計画をし、実行し、振り返るということを徹底するのはとても良い勉強になった。やはりチームスポーツだなと感じた。セーラーだけでなく、それを支えるショアチーム(陸のチーム)やサポートするメンバーが大勢いる。皆が一丸となって勝利を目指すもの。チーム全体で戦っているというのを感じた。約50人くらいのチームだったが、一つの家族のような、アットホームな雰囲気だった。落ち込む時も嬉しい時も、お互いに励まし合って戦えたと思う」
「アメリカズカップの艇はフォイリングをするもので、日本には経験値が少ない。今大会で日本のチームが参加したことは次に向けての第一歩だと思う。次にまたソフトバンク・チーム・ジャパンとしてやるということになれば、日本人はもっと増えないといけない。日本人の中にアメリカズカップが位置付けられてくれば、日本人がより多いチームで挑戦ができると思う」
笠谷勇希
「振り返ると短かった。きつくもあり、大変でもあり、楽しくもあり、さまざまな感情がある。私はセーリングを全くやったことが無い状態から始まった。体力だけは買われてきたが、セーリングに関する知識や経験を積んで、一通りわかるようになって、この大会で初めての出番を得た。とても楽しかった」
「今回は準決勝で敗退してしまったが、もっと経験を積んで、さらに強くなってまた挑戦したい。今後も挑戦を続けて、アメリカズカップで良い結果を出せるように頑張っていく。これからも関わっていきたいし、今後の発展が楽しみな大会。最終目標は優勝杯「アメリカズカップ」を獲ること。アメリカズカップのセーラーになりたいと思う日本人が出てきてくれたら幸せ」
6月9日、準決勝日本対スウェーデン最終戦
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◎アメリカズカップ
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