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軽風の前半戦を終え後半戦へ。ワールドカップシリーズ・イエール2日目レポート

 4月26日、フランスで開催されている「ワールドカップシリーズ・イエール」。紺碧の海と空が特長のフランスのリゾート地、コートダジュールらしからぬ曇天のイエール。大会2日目は吹き上がる予報がはずれ、シフティーでチョッピーな波が立つ、トリッキーなコンディションでおこなわれました。(BHM編集部)

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日本からフリート最多7チーム出場している470男子。メインセールの日の丸が目立ちます。photo by Junichi Hirai

 軽風で2レース実施した470級男子では、高山大智/今村公彦(Yamaha Sailing Team Rev’s)が6位につけメダルレース圏内を保守。第1レースでリコールした磯崎哲也/高柳 彬(エス・ピー・ネットワーク/日本経済大)は、カットレースができて13位へあがってきました。

 このワールドカップシリーズ・イエールと、先月スペインで開催されたプリンセスソフィア杯と違う点は、選手の顔ぶれにも見られます。470級男子には、同クラスワールドカップ最多優勝を誇り、ロンドン金、リオ五輪銀メダルのマット・ベルチャー/ウィル・ライアン(AUS)が出場。470の歴史に金字塔を打ち立てた王者が出場することで、フリートにビリッとした緊張感がうまれています。

 一方、470級女子は、リオ五輪金メダルのイギリス(ハンナ・ミルズ)が49erFXに転向、銀メダルのニュージーランドは、新コンビのクルーがボルボ・オーシャンレースに挑戦していることで小休止、銅メダルのフランスは出産のため休養とあって、トップセーラー不在のフリートとなっています。

 言葉を言い換えれば、470級女子のフリートは新チームの腕試し、国際大会で経験を積むチャンスになっています。日本から出場する宇田川真乃/関 友里恵(Yamaha Sailing Team Rev’s)も同様に、チーム初の国際大会出場です。宇田川は霞ヶ浦高校を卒業したばかりの18歳、関は高松商業高〜関西学院大卒の23歳。ふたりは昨年チームを結成し、ヤマハチームに所属して活動をはじめました。

「レースするのがとてもたのしいです。なにをするにも初挑戦だし、積極的に戦おうと思っています。これまで4レースやって、1上でいい順位でまわっても、ダウンウインドで抜かれてしまっています。後半戦は改善していきたい」(関 友里恵)

 明日ワールドカップシリーズは3日目へ突入。風が徐々にあがってくる予報なので、迫力あるレースシーンに期待したいと思います。

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470クラスではルール変更があり、メインセールのカラーリングが可能になりました。今後カラフルなセールが登場してきそうです。また、470級では採用決定ではありませんが、昨年よりカーボンマストのテストが続けられています。もし採用されると、性能面、価格面も含めて国内でも大きく影響しそうです。photo by Junichi Hirai

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磯崎哲也/高柳 彬。470ジュニアワールド銅、WCマイアミ銀、プリンセスソフィア金の高柳は「これまで出場した国際大会でメダルを獲得しなかったことない」という稀有なセーラー。本大会では第1レースリコールでつまづきましたが、上位入賞を目指します。photo by Junichi Hirai

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今冬オーストラリアで2度の長期合宿を経験し、チームとして初めて国際大会に出場する宇田川真乃/関 友里恵。photo by Junichi Hirai

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レース海面には大きな観覧船がワールドカップをみにおとづれています。photo by Junichi Hirai

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イギリスはナクラ17級に4チーム出場。モス級と並行活動する選手も多く、写真のヘルムスマン、クリス・ラシュリー(葉山モスワールド2位)も挑戦しています。photo by Junichi Hirai

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2020年東京で除外されたパラリンピック・セーリング競技ですが、本大会では2.4mR級が12艇の参加を集めて開催されています。photo by Junichi Hirai

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総合6位につけている波多江慶/板倉広佳。photo by Junichi Hirai

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どんよりとした空の下、トリッキーな風でおこなわれた470級。photo by Junichi Hirai

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波多江慶(右)/板倉広佳。「初日の微風ではコース戦略がうまくいきました。きょう(2日目)はスタートが悪くて集団にもまれてしまった。以前よりもボートスピードがよくなっているのを感じています。レースの前に強風で9日間練習しました。今回の目標はメダルレース出場。後半戦が楽しみです」(波多江)。photo by Junichi Hirai

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宇田川真乃(右)/関 友里恵。18歳、23歳の470級女子の新チームです。photo by Junichi Hirai

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420ワールド金メダル、470ジュニアワールド銅メダルの高山大智は、リオ五輪代表の今村公彦と新チームを結成。現在6位。photo by Junichi Hirai

ワールドカップシリーズ・イエール 2日目成績
470男子 参加35艇
1. GRE Panagiotis MANTIS / Pavlos KAGIALIS 5.0p
2. AUS Mathew Belcher / William Ryan 7.0p
3. SWE Carl-Fredrik FOCK / Marcus DACKHAMMAR 14.0p
6. 高山大智/今村公彦 21.0p
13. 磯崎哲也/高柳 彬 38.0p
15. 小泉颯作/野田友哉 42.0p
16. 今村 亮/外薗潤平 43.0p
23. 土居一斗/木村直矢 54.0p
25. 市野直毅/長谷川孝 57.0p
27. 神木 聖/疋田大晟 61.0p

470女子 参加23艇
1. NED Afrodite Zegers / Anneloes van Veen 6.0p
2. SUI Linda FAHRNI / Maja SIEGENTHALER 8.0p
3. ESP Silvia MAS DEPARES / Patricia CANTERO REINA 8.0p
18. 宇田川真乃/関 友里恵 44.0p

レーザーラジアル女子 参加55艇
1. FIN Tuula Tenkanen 10.0p
1. BEL Evi van ACKER 12.0p
2. LTU Viktorija ANDRULYTE 13.0p
18. 土居愛実 44.0p

49erFX女子 参加20艇
1. BRA Martine SOFFIATTI GRAEL / Kahena KUNZE 11.0p
2. GBR Charlotte Dobson / Saskia Tidey 17.00p
3. GER Victoria Jurczok / Anika Lorenz 28.0p
6. 波多江慶/板倉広佳 33.0p

RS:X男子 参加45艇
1. SUI Mateo SANZ LANZ 5.0p
2. ISR Shahar ZUBARI 6.0p
3. ITA Mattia CAMBONI 12.0p
14. 富澤 慎 34.0p
41. 倉持大也 74.0p

RS:X女子 参加38艇
1. ISR Noga GELLER 5.0p
2. POL Zofia NOCETI-KLEPACKA 6.0p
3. ESP Marina Alabau Neira 15.0p
11. 伊勢田愛 33.0p
18. 小嶺恵美 44.0p

レーザー男子 参加60艇
1. CYP Pavlos KONTIDES 2.0p
2. GBR Nick THOMPSON 5.0p
3. ITA Francesco MARRAI 6.0p
30. 瀬川和正 48.0p


2017ワールドカップシリーズ・イエール2日目ダイジェスト

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