2017ナショナルチーム決定直前!江の島オプティミスト級NT選考3日目
3月20日、江の島で開催されている「オプティミスト級ナショナルチーム最終選考会」3日目は、9ノット前後の軽風で2レースおこなわれました。(レポート/2017JODAナショナルチーム最終選考 実行委員会)
NT選考3日目まで10レースを実施、同じような南(海風)の軽風が続いています。暫定トップは池田海人選手。photo by Junichi Hirai
最終選考会には、全日本選手権を勝ち抜いたトップ40名が参加していますが、誕生日の関係で本年15歳以下であれば国際大会に出場できるため、今年高校1年になる選手でも早生まれであれば出場できます。
学年別に出場者の分布を見ると、中3・1名、中2・7名、中1・17名、小6・13名、小5・1名、小4・1名となっています。これを見れば、小学5年で出場できる事自体が珍しく、選考会の出場自体を目標に置く選手もいることを考えると、まさにトップ選手を決定するに相応しい場といえます。
今大会の上位5名は、今年タイで開催される世界選手権への切符を手に入れます。それに次ぐ者は、アジア選手権10名、ヨーロッパ選手権4名、北米選手権6名、を上位から選択でき、ここまで、上位25名が本年のナショナルチームとなります。つまり、25位が選考の合格ラインです。
大会3日目
いよいよ大会も折り返し地点。全12レースの実施を考えると今日は最低3レース、できれば4レースを実施したい所。しかし、弱い風が予測される中で、レース委員長の判断は午前中の北風で1本実施を考え、10時スタート予定で着々と準備が進みました。
第7レース
10〜20度の北風が朝から吹き続け、9時5分にD旗が掲揚されました。この時点で風は9ノット。風が振れる中で風軸を20度と定め、距離900mでコースが設定され、9時50分にオレンジ旗が掲揚されました。
スタート時に風が左に振れ、風下有利のスタートラインとなる中で、鈴木亮太朗選手、遠藤貫太郎選手、出口愛海選手の浜名湖チームがしっかりと下側から3艇スタート。チーム内での戦略指示が徹底されている印象を受けます。
スタート後、即タックの展開から鈴木選手はフリートの左上側を抑えながらポートタックで走り続けます。出口選手はさらに左に出し、それを追うのは3357鷲尾青選手。左から入るパフに乗せて走り続けながら弱まる風のなか我慢の走りが続きました。
池田選手は鈴木選手の右側で先行し、右側の振れを待ちますが、なかなか入りません。そのうち一旦風が止まり右の風と左の風がぶつかる形となりましたが、やはり左の風が優勢に。
1位で回航したのは出口選手。ついで鈴木選手、鷲尾選手が続きます。トップ集団が2マークに差し掛かる前に、1マーク付近では風が止まり、セールに風が入らなくなります。
しかし、時々入る風でトップ集団は前進して2マークを回航。トップは鷲尾選手に入れ替わり、鈴木選手、出口選手が続きます。コースは3マークでS旗が揚がりコース短縮となり、鷲尾選手はさらにリードを拡げ、2位には池田選手が上がってきました。
その時、レース委員長はN旗を掲揚。海面に風がまばらとなり、トップ艇も風をはらますことが困難な中でギリギリの選択を行いました。
午前中は風が吹かないと予測し、APH旗を掲揚。陸上待機で昼食とっているうちに予測通り南風が吹きはじめ、13時、D旗掲揚により再度出艇となりました。
午前中、北風でスタートしましたが、途中で風がなくなりノーレース、ハーバーバック。photo by Junichi Hirai
第7レース(再レース)
13時30分にオレンジ旗が掲揚され、175度・950mで設定。ほぼイーブンのスタートラインから、右海面を狙う集団、左海面を狙う集団がほぼ同数で推移します。
スタート後5分で左海面22艇、右海面18艇。さらに一番左を10艇が、真ん中展開左めが12艇、真ん中展開右めが8艇、右狙いが10艇と、4つのグループにきれいにわかれてレースが進みました。
最初に遅れたのは、真ん中右めの集団。真ん中左めの集団が頭を出すようになってきました。あまり差がつかない状態でレースが進む中で、風上レグ2/3の所で重松選手が素晴らしい判断を見せます。
真ん中左展開の集団がスターボードからポートタックへ返し、先頭集団を形成し始める中で、その集団の中盤にいた重松選手が左の奥にあるわずかなブローを求めてスターボードタックへ。
そのまましばらく伸ばしフリートの左に出した所で、左からの風に乗って少しづつスピードを増し、全艇の前をポートタックで切ることに成功。潮の流れでマークタッチするものの、余裕でペナルティを解消しトップで1マークをまわりました。
真ん中左め集団の右側を抑えて走っていた嶋倉選手が2番手、幸野選手が続きました。その後は団子状態、マーク回航で苦戦することになります。フリーのスピードを得意にしている選手にとって、2マーク3マークレグは追い抜く場です。
前のレースでスピードを見せた鷲尾選手が上マーク6位から4位へと順位を上げ、わずかな差で5位前田選手、6位北原選手と女子のフリーの戦いが続きました。
しかし、マークルームの少しの差で、北原選手が内側から先に回るのと同時に、3150菅澤選手が兄ゆずり(兄は昨年度のナショナルチーム)のテクニックでインを突き、順位を上げます。
重松選手は1マークからの大きなリードで余裕の1位、嶋倉選手もリードを守りました。大きな風の変化を掴みながら、振れで返すよりもしっかりと振れきってから返すを実践し、大きく順位を伸ばしたのは、3位に入った最年少選手・菅澤虎士朗選手です。
第8レース
引き続き第8レースの実施のため、フィニッシュ後すぐに本部船ではオレンジ旗が上がり、175度・800mの設定でスタート。しかし、スタート後に風が大きく右にシフト。30度以上の変化でノーレースになりました。
第8レース(再レース)
205度・900mで設定し再度スタート。ここでU旗降下スタート1分前にスタートと勘違いした嶋倉選手が、スタートラインを横切ります。慌ててスタートラインに戻りましたが、単純なミスでUFDを記録。オールクリアでスタートし、本日の最終レースが始まりました。
スタート後、そのまま長い間スターボードタックで走り、左の風を掴んだグループが先行します。トップで回航は3130藤森佑太郎選手。続いて、小菅選手、池田選手、大澤選手、宇田川選手、菅澤選手、服部選手が間を開けずに回航していきました。
2マークも藤森選手がトップで回航しますが、3マークを見失うコースミス。選考会の緊張からくるミスですが、これは貴重な経験となるでしょう。
少し風も強くなりはじめ、ランニングが不安定になり始める時、高山選手がまさかの沈! ここで最後尾にまで順位を落としてしまいました。また、藤森選手もバランスを崩し、船にアカをためてしまい大失速を強いられました。
3マークは大澤選手がトップ回航、小菅選手、池田選手、菅澤選手が続きます。大澤選手、小菅選手がそのまま右のコースを伸ばす中で、左へ、左へと展開した選手が最終レグを制しました。左へ左へ寄せながら、上がりつつある風をいっぱいに受けて、フルハイクアウトでスピードに乗ったのは最年少・菅澤選手です。
第8レースの最終アップウィンドレグでブローに乗ってぐんぐん前に出る菅澤選手。photo by Junichi Hirai
見事トップのフィニッシュには、本部船に乗る兄の龍佑くんも素直に感動したとのこと。2位にフィニッシュしたのは、さらに左に出した3226岩永燎太選手。小学4年、5年の最年少の2人がワンツーを決め、将来のスターを予感させるレースとなりました。
3日目を終え8レースを実施。10レースで2カットとなるため、最終日までまだまだわからない所です。1位池田選手は2位と15点差で抜け出た印象だが、2位から5位までが3点差。
しかしこれは選考会であり、2位と3位の差は関係ありません。その点5位と6位の差は天と地ほどあります。池田選手、北原選手、幸野選手、嶋倉選手、重松選手が現在の所5位圏内になっています。5位と6位の差は8点。25位と26位の差は2点。それぞれ目標としている順位に向けて、最後まで諦めず、ベストを尽くしてください。
◎2017年JODAナショナルチーム最終選考会
http://enoshima-ycj.jp/17final/
====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
セイコー
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ