江の島で開幕!オプティミスト級ナショナルチーム選考初日レポート
オプティミスト級の日本代表を決定するナショナルチーム最終選考会が、3月18日から21日まで江の島ヨットハーバーで開催されます。昨年11月に福岡で行われた全日本選手権を勝ち抜いた上位40名による本選考は、12レース予定されています。(レポート/2017JODAナショナルチーム最終選考 実行委員会)
全日本を勝ち抜いた40選手が江の島に集合。国際大会への派遣を目的としたナショナルチーム最終選考が始まります。photo by Junichi Hirai
4日間の日程は子供たちにとっても(親たちにも)試練となるに違いありません。誰もがこの日のために準備を進めてきたOPジュニアヨット界の『受験』がまさにこの大会となります。
3月18日、朝10時から開会式が行われ大会が始まりました。しかし、風は弱く体の大きな中学生には悩ましい状況です。ということは、小さな選手にとっては1レースでも多くこなしたい所ですが、レース委員長はあくまでも公平なレースを心がけ、不十分な風では実施しない意向です。
第1レース
十分な風待ちのなかで、12時過ぎより7ノット程の風が南東方向から入りはじめ、12時30分にD旗の掲揚とともに出艇となり、2017年度のナショナルチーム選考レースがスタートしました。第1レースは160〜170°の風が入る中でコースは170度に設定。12時50分にオールクリアでスタートしました。
3338桔川翔太郎選手がベストスタート。その上の3351服部陸太選手、3110嶋倉照晃選手、そして理想的なスタートは3211の池田海人選手。風下側からは全日本で一躍注目となった3168大澤雄帆選手がスタートしました。
風上側からスタートした艇団が右海面を使いながら展開する中で、風が徐々に180〜190度へ右に回る展開。右海面のリフトを掴みながらリードを獲得していくなかで、トップで1マークを回航したのは3176重松駿選手。2位は3239北原頌子選手。3マークが風の変化で10度へコース変更となるなかで、軽量選手がオンデッキになるかならないかの微軽風の状況となり、スピードで勝る小学生選手がワンツーフィニッシュしました。
風待ちの後、南風が入り始めたのを待って出艇しました。photo by Junichi Hirai
初日トップに立った北原頌子(しょうこ)選手。photo by Junichi Hirai
第2レース
2レース目は190度と180度の間を取って185度の風軸でマークが設置されスタート。スタートはやや下側に艇団が流れるスタートとなった。3260高山巧太郎選手がジャストスタート。3112宇田川涼太郎選手もライン真ん中からスタート後にスピードに乗り、フリートをリードします。
良いスタートを切った集団が、早めに右海面に返す中で、少し左の奥のブローを掴みながらしっかりと登り角度と、スピードを落とさない走り方に集中できた艇が、徐々にポートタックでバウを出す展開となる我慢のスベリ競争です。
その結果、途中真ん中展開でありながらも、終盤に最も左のブローを掴みながらリードを拡げた3260高山選手がトップで1マークを回航。宇田川選手は真ん中の展開で左展開をしたトップ艇団に抜かれてしまうなかで、同じような場所にいた3239北原選手がスピードでどんどん先行し2位で回航。3位は3283小菅楓選手が続きました。
第2マークまでは順位が変わらずに推移しましたが、第3マークでは北原選手がトップに。3位に池田選手が着け、フリーでの勝負強さを発揮しました。フリーのコース取りにおいてブローを受けながら、常にマークへのアプローチを意識した最短にして最適なコースを選んだ選手が、フリーの順位を上げている傾向が見られました。
風は比較的安定している中、時折ハイクアウトが必要となる風も吹くコンディションで確実に振れを掴み、つかんだ時にスピードとともに上り角度もしっかりと取れる走りに集中できた艇が、ぐんぐん前に出てくる状況になりました。
フィニッシュ前では池田選手がリードしたと思いきや、下受けした北原選手がスピードにのってどんどん切り上がり、北原選手がリードする展開となる。しかし、アウター側がわずかに下よりになっており、リードする北原選手の油断を突いて池田選手がアウターギリギリでトップフィニッシュ。2位が北原選手、高山選手は3位、小菅選手が5位につけました。
池田海人選手(江の島)は暫定2位につけました。photo by Junichi Hirai
第3レース
1レース目は右海面、2レース目は左海面が優勢となる中で、3レース目にトップで1マークを回航したのは、大きく左に出した3145前田月里選手。高山選手、池田選手、北原選手といった2レース目の上位選手が、左海面を押さえながらも真ん中の海面を使う展開の中で、フリートの右側で右海面を使う嶋倉選手が少しリードして左集団の前を切ったかと思うと、さらにその右奥にいたのが前田選手でした。
前田選手、嶋倉選手が第1マークを回航し、その後に高山選手、池田選手が続く。今回最年少の3150菅澤虎士郎選手が続き、その後に北原選手が続きます。風が安定し、フリーではさほど順位の変動は見られませんが、江の島独特の波を乗り切れる選手が、スピードを落とさず順位を上げ下マークを回航しました。
嶋倉選手は、スピードと風の見極めに集中力を切らさず、第3レースをトップフィニッシュ。前田選手は2位。3位には、3マークからピカイチのコースで順位を上げた3325幸野翔太選手が入りました。
選考会初日から、非常にレベルの高いレースを見せてくれました。選考会だけにミスが許されず、少しのミスが順位にすぐにあらわれる緊張感あるレースになっています。
スピードを落とさず、リフトのブローを使って上り角度をとるといった集中力が必要な走りを続け、ブローによって生じる少しの振れを上手く使いながらリードを拡げ、他の艇との駆け引きにおいては、自分の有利さを保った状態でギリギリの勝負を仕掛ける絶妙な間合いが大切です。
子供たちとは思えない緊張感ある駆け引きが至る所で発見できるレースとなっています。少しのミスが順位のダウンにつながってしまう展開を考えると、4日間集中力を切らさずにレースを「楽しめた」選手が最終日の栄光を掴むのではないでしょうか。
「まぐれの勝ちはあっても、まぐれの負けはない」
この教訓を最終日まで活かせる選手が勝つのではないか。そんな予感をさせるレース初日の3レースとなりました。
◎2017年JODAナショナルチーム最終選考会
http://enoshima-ycj.jp/17final/
====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
セイコー
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ