2月24日、ジュリーリグ（応急リグ）で走っていたコンラッド・コルマン（33歳）が、仏レ・サーブル＝ドロンヌへフィニッシュしました。2月10日にポルトガル沖でディスマストしたコンラッドは、自力でジュリーリグを立ててレースへ復帰。着順16位、110日1時間58分41秒で世界一周を達成しました。（BHM編集部）

ディスマスト後、満身創痍で走っていたコルマンがフィニッシュしました

ブームをマスト代わりにジュリーリグでフィニッシュラインへ向かう〈FORESIGHT NATURAL ENERGY〉

　コンラッドはフィニッシュの720マイル手前、残り3日半でフィニッシュできる位置でマストが折れたために食料が尽き、フィニッシュ２日前にはビスケットが２つだけしか残っていなかったようです。

　ニュージーランドで生まれ、米コロラド大学を卒業したコンラッドは、オフショアレースを目標に10数年前よりフランスへ移住。25歳で出場したミニトランサットをきっかけに、ルートドラム、グローバル・オーシャンレース、アトランティックカップ、バルセロナ・ワールドレース、ニューヨーク・ヴァンデといった外洋レースで経験を積みました。

　今回のヴァンデ・グローブでは、スタート２日前にスポンサーが確定するなど相当な資金不足があったとのこと。レース中もセール破損、太陽光の蓄電・電気系統の故障、オートパイロットの故障、油圧（カンティングキール）の故障、60ノットの大嵐に遭遇、そしてフィニッシュ間際でディスマスト。まさにトラブル続きのヴァンデ・グローブとなりました。

　弱冠33歳のニュージーランド（キウイ）セーラーは、わたしたちの記憶に残る世界一周を見せてくれました。彼の挑戦とあきらめないオフショア魂に拍手です！

D110 : Conrad Colman's arrival / Vendée Globe

◎Vendee Globe
http://www.vendeeglobe.org/

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