ディスマストしたコンラッド・コルマンのド根性。ジュリーリグで完走を目指す!
世界一周大会記録を更新したアルメル・ルクレアシュ(FRA、39歳)のフィニッシュから、約1カ月過ぎたヴァンデグローブ。2月17日現在、10選手がレ・サーブル=ドロンヌへ到着し、8選手がいまも大西洋上で戦いを続けています。4年に一度開催されるヴァンデ・グローブは終わりに近づいていますが、世界一周ドラマは日々アップデートされています。(BHM編集部)
マストは折れてしまいしたが、ジュリーリグ(応急リグ)を立てて再出発したコンラッド。photo by Conrad Colman
今回のヴァンデ・グローブの特長のひとつは、『短期決戦のスピードレース』だったといえます。これはハイドロフォイルによるテクノロジーの進化と、それに対応した挑戦する選手が生み出した成果です。ヴァンデ・グローブの成功により、世界一周スピード競争は今後もエスカレートしていくと予想されます。
しかし、それは優勝を目指すトップ集団に当てはまることで、全員が同じ目的で世界一周に挑んでいるわけではありません。また、悪天候や不慮の事故は全選手に均等におとづれます。このトラブルを克服する選手の超人的な体力と気力は、ヴァンデ・グローブの魅力といえるでしょう。
2月10日、フィニッシュまで800マイル地点で、Conrad Colman(NZL、33歳)がディスマストしました。コンラッドは12月末から1月に掛けて南氷洋に吹き荒れた嵐で、マストのフォアステイが壊れるトラブルに見舞われましたが、嵐が過ぎ去るのを待って修理。その後、レースを続行していました。
しかし、大西洋上、ポルトガル沖で再び35ノットの強風に遭遇してディスマスト。コンラッドは航程の97パーセントを終えていて、フィニッシュへのアプローチを考え始めていた場所での悲劇です。
一時はレース続行を諦めたコンラッドですが、応援するサポーターから多くの励ましもあり、ジュリーリグ(応急リグ)を立てることを決意。誰の助けも借りずたったひとりでマストを立て直すわけです。セーラーならこの行動がどんなに困難なことなのかが理解できるでしょう。コンラッドは、マストを切断し、メインセールのトップ部分をあげ、ストームジブ、フォアステイをバウスプリットの先端から取り付け、見事なジュリーリグを立ててレースに復帰しました。
コンラッドは、順位を落としながらもレ・サーブル=ドロンヌへ向かっています。残り600マイル。二度の大トラブルを克服したキウイ(ニュージーランド)セーラーの行動と根性は、わたしたちに感動を与えてくれています。
約2日掛けてひとりでマストを立て直し、セールを縮小。スロースピードでレ・サーブル=ドロンヌへ向かいます。photo by Conrad Colman
◎Vendee Globe
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