11月18日、第35回アメリカズカップの予選シリーズ「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」福岡大会が開幕しました。160年以上の長い歴史を持つアメリカズカップの関連大会が日本で行われるのは初めてのことです。レース前日18日は、福岡市地行浜沖でトライアルレースが行われました。（レポート／ソフトバンク・チームジャパン）

日本初、アジア初開催となるアメリカズカップワールドシリーズ。レース開催場所は福岡ヤフードーム、ヒルトンホテルの目の前です。photo by Junichi Hirai

　2015年7月に始まったワールドシリーズは、これまでに世界を転戦しながら8戦が行われ、日本から参加しているソフトバンク・チーム・ジャパンは、現在シリーズ通算の総合成績で6チーム中4位につけています。

　参加チームの中で最も遅く結成されたソフトバンク・チーム・ジャパンは、序盤の大会では思うような成績を残せず苦しい状況が続きましたが、6月に行われた第6戦アメリカ・シカゴ大会で3位に初入賞して以来、第7戦英国・ポーツマス大会で3位、第8戦フランス・トゥーロン大会で2位と、3大会連続で表彰台に上り、好調を維持しています。チームメンバーも日本で初勝利をあげたいと意気込んでいます。

　福岡大会では、11月19日と20日が本番レースとなり、2日間で最大6レースが予定されています。大会前日の18日は、全チームが参加してトライアルレースが行われました。トライアルレースではあるものの、レース形式は本番と変わらないもので、各チームにとって貴重な調整機会となりました。

　風は南東から7〜11ノットとやや弱く、レース艇「AC45F」の船体を浮かせるフォイリング状態には至らないものの、計4レースを実施。ソフトバンク・チーム・ジャパンは、得意のロケットスタートを決めた第1レースでオラクル・チーム・USAと終始トップを争って1位フィニッシュ。

　続く第2、第3レースでは良いスタートを決めるものの、風速の強弱が激しい難しいコンディションに翻弄されて、それぞれ3位、5位でフィニッシュしました。

　そして、この日の最終レースとなる第4レースは、19日と20日の本番レースが無風や嵐で万が一中止になった場合に福岡大会の公式成績として採用される「予備レース」として行われ、本番さながらの緊張感あるレースが展開されました。

　このレースでも良いスタートを決めたソフトバンク・チーム・ジャパンは、第1マークをオラクル・チーム・USAに続いて2位で回航。その後、風下に向かうコースで風の弱い海面を選択してしまい、4位まで順位を落とすものの、我慢強い走りで3位に順位を上げてフィニッシュ。

　予備レースの順位は、ランドローバー・BAR（英国）、オラクル・チーム・USA、ソフトバンク・チーム・ジャパン、アルテミス・レーシング（スウェーデン）、グルパマ・チーム・フランス、エミレーツ・チーム・ニュージーランドとなりました。

　19日の本番レース初は、最大3レースが予定されています。

レース前日は本番を模したトライアルレースがおこなわれました。photo by Junichi Hirai

ソフトバンク・チーム・ジャパン。トライアルレースは風弱くフォイリングならず。photo by Junichi Hirai

出場6チームのスキッパーが登場したプレスカンファレンス。photo by Junichi Hirai

「今日は最初は風が弱く、レースができるか心配でしたが、全部で4レースを行うことができ、まずまずのパフォーマンスを出すことができました。私は、セール交換が多い、比較的難しいクルーワークが必要とされる風速の中で、失速につながる大きなミスもなくこなせ、非常に前向きな気持ちで明日を迎えることができます。明日からのレースが楽しみです」（早福和彦総監督兼選手）

プレスカンファレンスは満員。初の日本開催に多くのメディアが注目しています。photo by Junichi Hirai

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