強風吹き荒れる。リオ五輪セーリング4日目、470級女子、総合2位へ
8月11日、リオ五輪セーリング4日目。注目の470級は、グアナバラ湾から大西洋側に出る湾外エリアでおこなわれました。大きなうねりも入る湾外は、湾内とは違うアグレッシブなレース海面です。大会4日目は、うねりに加えて25ノットの強風が吹き荒れ、大迫力の戦いが繰り広げられました。(BHM編集部)
470級女子レース2日目。強風の中で2レースおこなわれ、吉田/吉岡は総合2位につけました。photo by Junichi Hirai
ここまで風があがってしまうと、セーリングの技術が順位を決める重要な要素となります。体力と気力、今までどれだけタフなトレーニングをしてきたのかが試される状況です。強風レースで喜ぶ選手と苦手と感じる選手がいるとすれば、吉田 愛/吉岡美帆は前者であり、強風を得意としているチームです。
第3レースでは上マークを7位回航から1艇ずつ追い抜いて3位フィニッシュ。ややタイトになったリーチングレグの第1〜2マーク、フィニッシュレグでは、五輪選手でもスピネーカーをあげないほどの強風でした。第4レースでは7位に入り、抜群の走りを見せたニュージーランドに次いで、総合2位につけています。
470級女子は、強風域になると実力差がはっきり出てくる傾向があり、日本のほかには、ニュージーランド(ロンドン五輪金)、イギリス(ロンドン五輪銀)、フランス、スロベニア、オーストリアが得意としています。吉田は、約2年前から「強風の練習は必要ない。軽風に焦点を合わせています」と発言していた通り、大失点を叩くことなく2日目を終えました。
470級男子の土居一斗/今村公彦も苦手な風域ではありません。これまでの国際大会でも強風レースで安定した成績を残してきました。しかし、オリンピックという舞台で思うような走りができていないのが現状です。本日は16-16位で総合20位に。これまでの4レースを振り返るとスタートから第1マークまでにトップグループに入り込めていません。
また、グアナバラ湾内でおこなわれたRS:X級男子も重要な1日となりました。最終日のメダルレースに出場するためには、予選でトップ10に入らなければなりません。湾外で吹き荒れていた強風は湾内まで届かないため、RS:X級の海面は軽風・フラット海面で3レースおこなわれました。富澤は7-14-18位で順位をあげて12位へ。明日、3レース予定されている予選最終日へ掛けます。
リオ五輪はRS:X級、レーザーラジアル級が終盤へ。これらの種目と交代するように明日大会5日目から49er級、49erFX級が始まります。
470級は、前日ととは全く違うサバイバルコンディションとなりました。photo by Junichi Hirai
苦しい戦いが続いている470級男子の土居一斗/今村公彦。photo by Junichi Hirai
470級女子は4-1位を取ったニュージーランドがトップに立ちました。吉田/吉岡との差は2点。photo by Junichi Hirai
ダウンウインドで下マークへ向かう土居/今村。photo by Junichi Hirai
軽風で上位と戦えている伊勢田愛。第8レースでは13位を取りました。photo by Junichi Hirai
12日予選最終日が山場となる富澤。10位との得点差は7点。photo by Sailing Energy
リオ五輪から採用されたナクラ17級。photo by Junichi Hirai
ナクラ17世界選手権4連覇の偉業を遂げ、金メダル候補筆頭だったフランスが低迷しています。これがオリンピックが持つ魔力なのでしょうか。photo by Junichi Hirai
リオデジャネイロは陸上、そして海上もブラジル軍が警備しています。セキュリティーのため一般のボートが観戦することはできません。東京五輪も同じような雰囲気になるのでしょうか。photo by Junichi Hirai
470級女子暫定成績。8月11日4レース終了時、吉田 愛/吉岡美帆2位
470級男子暫定成績。8月11日4レース終了時、土居一斗/今村公彦20位
RS:X級男子暫定成績。8月11日9レース終了時、富澤 慎12位
RS:X級女子暫定成績。8月11日9レース終了時、伊勢田愛21位
ラジアル級暫定成績。8月10日6レース終了時、土居愛実24位
◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
◎World Sailing Rio 2016
http://www.sailing.org/olympics/rio2016
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