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日本470級女子、吉田・吉岡が好発進!リオ五輪セーリング3日目

 8月10日、好天気が続いていたセーリング会場のグアナバラ湾は、一転して曇天、肌寒く、悪天候の予報です。リオ五輪セーリングも3日目となり、毎日あらたな種目がスタートしています。本日より470級とナクラ17級が開始。連日おこなわれたRS:X級男女は休息日となり、日本選手は、470級男子の土居一斗/今村公彦、吉田 愛/吉岡美帆、レース3日目となるラジアル級の土居愛実が出場しました。(BHM編集部)

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風の不安定な中で始まった470級女子。吉田 愛/吉岡美帆が大会初日1-4位で首位に立ちました。photo by Junichi Hirai

 グアナバラ湾内でおこなわれた470級は、不安定な風のなかでおこなわれました。空を見ると「コルコバードのキリスト像」からリオデジャネイロ市内へ向かって、雲が高速で流れているのが分かります。海上でも瞬間的に風のラインがあらわれたり消えたり、風の振れ幅も大きく、選手泣かせのコンディションです。

 20カ国が出場する女子470級では、吉田 愛/吉岡美帆が最高のセーリングを見せてくれました。風は非常に極端な吹き方で、風がなくなることもあれば、一気にブローラインでフルトラピーズになる、というレースには不向きななかで2レースおこなわれました。

 第1レースのスタートから飛び出した吉田/吉岡は落ち着いた走りでトップグループに位置します。上マークを5位で回航。そのままの順位を保守しながらレースを展開。最終ダウンウインド・レグでは、ブローラインをつかんで「まさか」の3艇をごぼう抜き。10分前にスタートした男子を追い抜いてしまう、という圧巻のトップフィニッシュを決めました。

 続く第2レースでは上マークこそ14番で回航しますが、風をよく見て前方のグループをごぼう抜き。ダウンウインド・レグで7位にまであがり、最終4位でフィニッシュしました。大会初日を終えて、吉田/吉岡は総合5点で首位に立ちました。

 強風を得意とする吉田/吉岡ですが、課題としてきた微軽風の対策が活かされているようです。大きく順位を上げる場面もありましたが、これは、風をよく見て、他国よりも早くブローに入る位置につけているからで、冷静に風を読めている結果といえるでしょう。始まったばかりの470級女子は、日本が最高のスタートを切りました。

 同じ海面でおこなわれた470級男子は、強弱の激しい風にリズムが合いません。風が不安定ゆえ追い抜くチャンスもありましたが、風をとらえることができず。第1レースでは42条違反でペナルティーターンする場面もありました。大会初日の土居/今村は15-21位で総合21位に甘んじる結果となりました。

 470級は予選10レースおこなわれます(1日2レース予定)。大会初日の風は不安定で、ヨットレースができるギリギリのコンディションでした。レース委員長によっては中止にしてもよい場面が何度もありました。

 シリーズを左右する大会初日をこの状況で断行したことは、「明日以降、リオ五輪の470級は不安定な風でも実施する」と、レース委員長が決意表明したことを意味しています。

 なぜなら翌日以降、同じようなコンディションになった時にレースをキャンセルするようでは不平等になり、レース委員会は信用を著しく失ってしまうからです。この大胆にも思えるレース委員会の方針が、どのようなドラマを演出するのか、興味深いところです。

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上マークアプローチする吉田/吉岡。強弱する風でバランスを取るのが難しいコンディションです。photo by Junichi Hirai

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陸から海に向かって雨雲が向かってきます。第2レースになると本格的に雨が降り出しました。photo by Junichi Hirai

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男子のエントリーは女子よりも多い26カ国。至近距離の戦いがおこなわれています。photo by Junichi Hirai

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土居/今村。第1レグで上位グループに絡めず、不利な海面を選択せざるを得ないレースを強いられました。photo by Junichi Hirai

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第1マークこそ後順位ですが驚異的なリカバリー力で総合2位につけたマット・ベルチャー/ウィル・ライアン(AUS)。photo by Junichi Hirai

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男子でトップに立ったのは今年のワールドチャンピオン、クロアチア。王者、オーストラリアと一騎打ちとなるのでしょうか?photo by Junichi Hirai

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スタート後、ほぼ全艇が即タック。このシーンを見ても不安定な風でレースがおこなわれたことが分かります。photo by Junichi Hirai

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二度目の金メダルを狙うニュージーランド女子は現在2位。第1レースも日本に逆転されるまでトップを走っていました。photo by Junichi Hirai

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テレビ中継の海上解説にはシェリー・ロバートソン(シドニー、アテネ金メダル)。会場にはラース・グラエル(ソウル、アトランタ銅。スター世界選手権優勝)、イアン・ウォーカー(ボルボオーシャンレース優勝、アトランタ、シドニー銀)も来場していました。photo by Junichi Hirai

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強風、大きな波のなかでおこなわれたレーザーラジアル級。這い上がることのできない土居愛実は24位。photo by Sailing Energy

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日本は出場していませんが、ナクラ17級もスタートしました。大会初日の結果は1位スイス(7点)、2位イギリス(7点)、3位アルゼンチン(13点)。photo by Junichi Hirai

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4位のオーストラリア。スキッパーのジェイソン・ウォータハウスは、日本のアメリカズカップチーム、ソフトバンク・チームジャパンの加入が発表されています。photo by Junichi Hirai

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470級女子暫定成績。8月10日2レース終了時、吉田 愛/吉岡美帆1位

Report
470級男子暫定成績。8月10日2レース終了時、土居一斗/今村公彦21位

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レーザーラジアル級暫定成績。8月10日6レース終了時、土居愛実24位

バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
◎World Sailing Rio 2016
http://www.sailing.org/olympics/rio2016

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