世界の壁を突き破れ!カウントダウン、リオ・オリンピック(6)49erFX級
49erFX級は、リオ五輪からはじめて採用される女子ふたり乗り種目です。五輪セーリングの代表種目になった49er級の妹分で、49er級の船体にスモールリグが取り付けられています。アクション、パワフル、ハイスピードという特長があり、強風時、ヘルメットを着用する女子セーラーも少なくありません。ロンドン五輪後、新旧のセーラーがこの種目に参入し、レーザーラジアル級や470級から転向する選手や、ユース種目の29er級からステップアップした若い選手が挑戦しています。(BHM編集部)
宮川恵子(みやがわ けいこ)。写真左。昭和61年5月17日生まれ(30歳)、愛知県出身、私立清泉女学院中学校(神奈川県)→私立清泉女学院高校(神奈川県)→日本大学、和歌山セーリングクラブ所属、152cm、53kg。オリンピック初出場
高野芹奈(たかの せな)。平成10年3月1日(18歳)、大阪府出身、私立関西大学第一中学校(大阪府)→私立関西大学第一高校(大阪府)→関西大学(1年)、関西大学所属、165cm、65kg。オリンピック初出場
この種目のはじまりは「ロンドン五輪で女子スキフを採用しよう」という流れがあり、トライアルを繰り返し、複数の種目のなかから選ばれた経緯があります。しかし、ロンドンでは採用されず、リオでようやく実現。この背景には、ワールドセーリング(旧ISAF)の五輪を意識したセーリング競技の改革があります。
リオ五輪からは、この49erFX級(女子)とナクラ17級(男女混合)の2種目が新採用されますが、選手にとってはどちらも平等にメダルを取るチャンスがある種目といえます。というのは、セーリング技術そのものやセッティング、チューニングが確立されていないため、全世界の選手がほぼ同レベルの状態でスタートしているからです。
そのなかでも、デンマークはメダル候補筆頭国です。実際の国際大会ではトップ10に3チーム入ることもあり、同国のオリンピック代表争いは緊張あるものでした。下記のランキングを見ると6位と9位が抜けていますが、どちらもデンマークの選手です。
また、セーリング界のレジェンドとして知られるトーベン・グラエル(五輪金メダル、数々の世界選手権金メダルの他、アメリカズカップ、ボルボオーシャンレース等で活躍)の娘である、マルチーヌ・グラエル(BRA)やジュリア・コンティ(ITA)、スウェーデンチームは470級からの転向組で高いパフォーマンスを持っています。他にワールドチャンピオンのニュージーランド、激戦区を勝ち抜いて代表となったオランダも速い。
宮川恵子/高野芹奈は、3月にアブダビで開催された五輪アジア大陸枠最終選考で夢を掴んだドリームチームです。代表決定当時は、チーム結成1年程度、海外大会の経験も少なく、代表を争った他チームと比べて見劣りする部分もありましたが、しかし、ライトウインド(軽風域)のスピードは圧倒的に速かった。
彼女たちが軽量チームであること。また宮川が微軽風やシフティーな風を得意としていることは好材料といえます。リオの軽風戦にハマれば好順位を期待できるでしょう。しかし、国際大会の経験の少なさはカバーしきれないのも事実。これは、世界のトップ選手の胸を借りるしかありません。度胸をキメて突破して欲しいと思います。
宮川/高野 2013〜2016年までの戦歴
12位 16年7月 49erFX South American Championship, BRA
32位 15年11月 49erFX World Championships, ARG
39位 15年11月 49erFX South American Championships, ARG
49erFX級エントリー選手一覧(ランキング順)
1. Martine Soffiatti grael / Kahena Kunze(Brazil)
2. Jena mai Hansen / Katja Salskov-iversen(Denmark)
3. Alexandra Maloney / Molly Meech(New Zealand)
4. Annemiek Bekkering / Annette Duetz(Netherlands)
5. Charlotte Dobson / Sophie Ainsworth(Great Britain)
7. Giulia Conti / Francesca Clapcich(Italy)
8. Lisa Ericson / Hanna Klinga(Sweden)
10. Sarah Steyaert / Aude Compan(France)
11. Tamara Echegoyen / Berta Betanzos moro(Spain)
13. Victoria Jurczok / Anika Lorenz(Germany)
14. Victoria Travascio / Maria sol Branz(Argentina)
15. Ragna Agerup / Maia Agerup(Norway)
19. Paris Henken / Helena Scutt(USA)
21. Griselda Khng / Sara Tan(Singapore)
23. Erin Rafuse / Danielle Boyd(Canada)
24. Noora Ruskola / Camilla Cedercreutz(Finland)
31. Andrea Brewster / Saskia Tidey(Ireland)
38. Arantza Gumucio / Begona Gumucio(Chile)
41. Katlin Tammiste / Anna maria Sepp(Estonia)
58. Keiko Miyagawa / Sena Takano(Japan)
◎World Sailing Rio 2016
http://www.sailing.org/olympics/rio2016
====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
セイコー
ポール・スチュアート
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ