全フォイルボートによるロングディスタンスレース。しかし、風なくフォイリングせず
7月9日、イタリア・マルチェージネで開催されている「フォイリングウィーク」も終盤となり、全艇種が出場するロングディスタンスレースがおこなわれました。さまざまな艇種がガルダ湖を走る、いわばフォイリングウィークのメインイベントですが、残念ながら風が弱く、フォイリングまで至らず。長丁場の1日になりました。(BHM編集部)
飛べない風はモスにとって地獄。つらいロングディスタンスレースになりました。photo by Junichi Hirai
本日おこなわれたのは、湖の南北を往復する20マイルのロングディスタンスです。風さえあれば1時間ほどで終了する距離ですが、風がなければ高速艇も通常のヨットと変わりません。小さなブローを探しながらローライド(浮き上がらずに走る)の戦いになりました。
GC32は、フォイルボートらしく、ワンプッシュのブローをつかめば、最後尾から全艇を抜き去ってしまうようなギャンブル性の高いレースになり、〈NORAUTO〉の強烈に追い上げますが、〈Orange Racing〉が逃げ切りトップフィニッシュを飾りました。しかし、GC32マルチェージネカップは、デモンストレーションレースとなり、成績には反映されません。
もし風があれば、緊張感の漂うロングディスタンスレースになったかと思うと残念ですが仕方ありません。フライングファントムをはじめ一部のクラスは、このレースが最終となり、フォイリングウィークを終えました。10日はGC32マルチェージネカップ最終日となります。
GC32 Malcesine Cup 3日目(第9レースまで)
1. Team Tilt 1-3-5-1-2-1-1-2-2 18p
2. NORAUTO 3-1-1-3-1-2-2-5-1 19p
3. Gunvor Sailing 2-2-4-5-7-3-4-1-4 32p
4. Argo 6-4-2-2-4-5-7-4-6 40p
5. Malizia – Yacht Club de Monaco 4-5-7-4-3-9-6-3-5 46p
6. ARMIN STROM Sailing Team 5-7-6-10-10-8-3-8-3 60p
7. Mamma Aiuto! 10-8-3-7-7-7-8-6-8 64p
8. Team ENGIE 9-9-9-6-5-4-5-7-DNF 65p
9. Real team 8-6-10-9-9-6-10-9-DNF 78p
10. Orange Racing 7-10-8-8-10-10-9-10-7 79p
GC32マルチェージネカップ3日目ダイジェスト映像
2016フォイリングウィーク・ダイジェスト映像
◎GC32レーシングツアー
http://www.gc32racing.com/
ロングディスタンスレースのブリーフィング。この時はまだ気持ちの良い風が吹いて、みんな笑顔でしたが…。この後、風がなくなってしまいます。一部の種目はスタートできませんでした。photo by Junichi Hirai
GC32のスタート。photo by Junichi Hirai
日本ユースアメリカズカップメンバーとして乗り込むティモシー(左)とアレックス。photo by Junichi Hirai
〈マンマユート!〉のドライブを務めるパルマ・デ・マヨルカ出身のマニュー・ウィラー。メルジェス32、20を中心にプロセーラーとして活躍しています。5月葉山のモスワールドにも出場しました。photo by Junichi Hirai
〈マンマユート!〉のハピ・デ・ラ・プラザ(サンタンデール出身)。49er級のワールド・チャンピオンであり、シドニー五輪(4位)であり、ボルボオーシャンレースに二度出場しています。photo by Junichi Hirai
スタート前にトレーニングする〈マンマユート!〉。風があったのはここまで。photo by Junichi Hirai
救助艇にはダイバーが準備しています。photo by Junichi Hirai
風を探して、断崖絶壁の岸ギリギリまで寄せるロングレースらしいレース展開になりました。〈マンマユート!〉はディスタンスーレース5位。photo by Junichi Hirai
華やかなフライングファントムのデザインカラー。photo by Junichi Hirai
撮影中、マルチェージネの町へ寄ってアイスクリームを買いました(水上からカフェにアプローチできます)。簡単なことですが、日本ではむずかしいことでもあり、ちょっとしたことですが水辺文化の違いを感じました。photo by Junichi Hirai
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