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GC32ダウンウインドスタートの大迫力!「フォイリングウィーク」レポート3

 7月7日、イタリア・マルチェージネで開催中の「フォイリングウィーク」では、各種目のレースが始まりました。このイベントでは、GC32、モス、ワスプ、フライングファントム、プロトタイプ(その他)に分かれてレースがおこなわれます。デモンストレーションの意味もあるので、ゆっくりのんびりですが、GC32レーシングツアー第2戦となるGC32クラスだけは、100パーセントの真剣モードです。(BHM編集部)

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GC32(10艇)のダウンウインドスタートではフォイリングしながら第1マークに突入してきます。「これはヤバい」と危険を感じる迫力があります。photo by Junichi Hirai

 レース方式はなかなか興味深く、GC32とフライングファントムではリーチングスタートが採用されています。リーチングで真横に走って第1ミドルマーク回航後にダウンウインドへ。下マーク〜上マークを回航し(複数回まわることもある)、最後は同じミドルマークをまわってスタートラインと同じフィニッシュラインへ向かいます。前回アメリカズカップでも採用されたスタート方式で、1レース当たり15〜20分。GC32は5レース実施したので、クルーの疲労度は最高潮に達しています。

 フォイリングボートのレースで問題なのは、レース海面が取りにくいことかもしれません。縦長のガルダ湖でも両岸ギリギリまで走るコースになり、とてもではありませんが、通常のRIBで追いつくことはできません。レースコースのマーシャル(警戒艇)に水上バイクが使われているのも納得です。

 また、複数クラスの場合、必ず超高速で交差することがあるため、お互いを気にかけて回避動作を早めなければなりません。密集したGC32のスタートも、モスとフライングファントムの近距離でおこなわれるレースでも事故が起こらないのが不思議なほどです。

 さて、本日も初めて見るフォイリングボートが登場しました。次から次へと「なんじゃ、これは?」が登場するので、編集長の興味津々度はハンパありません。バルクヘッドマガジンの読者なら同じ気持ちになるだろうなぁと思いながら、恵まれた環境を楽しんでいます。

◎Foiling Week
http://one.foilingweek.com/index.php

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午前中はパネラーによりフォイルボートや関連した研究を発表するフォーラムが始まりました。ワスプを説明するア・マックは「来年、ガルダで世界選手権をやりたい」とも。photo by Junichi Hirai

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商業船からレジャーボートまでフォイルボートの変遷を紹介するパネラー。アカデミックです。photo by Junichi Hirai

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GC32のスタート直前。きれいに10艇がスタートラインに並びます。photo by Junichi Hirai

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初挑戦の〈マンマユート!〉。当然本日が初レースになりますが初日5レースを終えて6位の結果。レースを繰り返しセーリングが安定してきました。photo by Junichi Hirai

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GC32初日トップはフランク・カマスがヘルムを取る〈NORAUTO〉(FRA)。カマスはリオ五輪ナクラ17キャンペーンを行っていましたが、フランスにはビリー・ベッソンという怪物がいたため代表ならず。オフショア、ディンギー、カタマラン、アメリカズカップまでなんでもこなすマルチプロセーラーです。photo by Junichi Hirai


GC32マルチェージネカップ初日ダイジェスト映像

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46艇がエントリーするモスフリート。2017年の世界選手権が同時期にマルチェージネで開催されることもあり多数のモスが集まっています。来年のワールドは大量エントリーが予想され、置き場確保がむずかしいため90艇づつバースを3カ所に分けてることも考えているようです。photo by Junichi Hirai

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葉山モスワールドで記憶も新しいモス。フォイリングボートの代名詞となってヨーロッパでも人気です。ロバート・グリーンハウシュ(GBR)、クリス・ラシュリー(GBR)など葉山ワールドに来たトップセーラーも参加しています。photo by Junichi Hirai

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レッドブル・フォイリングジェネレーションで採用されているフライングファントムも8艇集まり、フリートレースがおこなわれています。レッドブル〜と違って年齢も幅広く、ハイスピードバトルを楽しんでいます。photo by Junichi Hirai

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フライングファントム。今年6月日本第1艇が葉山に進水しました。photo by Junichi Hirai

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ワスプは地元の若者の試乗会がおこなわれていました。写真は中高校生ほどの女子ですが、初乗りでも器用に乗りこなしていました。photo by Junichi Hirai

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ワスプをサポートするヨットクラブのボート。「うちの売出し中の彼女、上手でしょ?」と言わんばかりの笑顔。photo by Junichi Hirai

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フォイルボートがバンバン飛んで行く中、優雅に走っていたソリング。年配のセーラーでシングルハンド!クラシカルなデザインですが絵になります。photo by Junichi Hirai

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モノハル、ツインダガーのA+Eというボート。陸上で見ると横長の大きなフォイルがついていました。前日、軽風でもよく飛んでいた理由がよくわかりました。photo by Junichi Hirai

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お、これは初登場のボートです。メインセールにQ23と描かれたフォイル仕様スイス籍のチャイン付きスコウ。おっちゃんたちがすごく楽しそうに艤装していました。それにしても大きなフォイルです。photo by Junichi Hirai

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意外にもラダーは小さい。photo by Junichi Hirai

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上記のスコウが走っている姿。3人乗りで軽快に走っていました。photo by Junichi Hirai

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ヴァンデ・グローブの最新艇で採用されているフォイルと似ています。photo by Junichi Hirai

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プロトタイプのなかで4艇がエントリーしているS9クラス。Aクラスと同じひとり乗りフォイリングカタマランです。photo by Junichi Hirai

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S9のラダー+フォイルはアップ/ダウン式。photo by Junichi Hirai

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S9のウォンド(ハイトセンサー)はハルの内側に取り付けられています。カタマランなので2つのウォンドがあります。photo by Junichi Hirai

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またしても奇抜なフォイルボートです。〈VOILAVION〉という艇種でマストが斜めになると同時にセールも斜めなります。SAILROCKETやウインドサーフィンのようにセールをねかせて走る姿を想像すればこれもアリです。photo by Junichi Hirai

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真正面から見るとこのようにフォイリングしています。タック、ジャイブを見てみたいですが機会に恵まれませんでした。photo by Junichi Hirai

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カイトボード(フォイルカイト)はレースではなくトレーニングキャンプがおこなわれています。photo by Junichi Hirai

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連日紹介している巨大モス風のフォイルボートですが、まだ走っている姿を見られません。ハードウイングは折りたためるようです。photo by Junichi Hirai

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