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連載第8回 空飛ぶ日記「ペットボトルがつかめない」

 みなさん、沈しまくってますか? ふふふ、今回は飛んできましたよ。英国出張から戻り、ひと段落ついた編集長は、ここぞ、とばかりに海に出ています。沈の回数はわずかながらも減りつつあり、最近は「5回ルール」を設け、5回沈したら練習を止めることにしています。なぜなら、これ以上、沈すると体力を消耗してしまい自力でハーバーに戻れなくなるから。編集長の実力は「その程度」だとご理解ください。(BHM編集部)

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編集長、飛んでます。飛んでます。気分爽快です。フットストラップの後方にあるのが問題のペットボトルです。photo by Junichi Hirai

 6月後半の編集長は遠征予定がないので、コソ練ウィークと称して海に出ています。ホームポートである葉山港は、セーラーには居心地良く、オリンピック選手やナショナルチームの五輪直前トレーニングを横目にみながら、自分も練習に励むことにします。知り合いがたくさんいるので、もはやコソ練じゃない気もしますが、いざとなったら助けを呼べるし、ひとりで海に出る編集長には心強い。

 さて、モスに乗っていると、ふつうのコトが、ふつうにできないと分かり、自分の無力さを痛感する場面があります。艤装できない、出艇できない、まっすぐ走れない、飛べない、止まれない、タックできない、ジャイブできない、着艇できない。これまで学んできたセーリングの実践や考え方がひっくり返される、と言ったら大げさでしょうか。

 そして、さらに驚くべき事実が分かってしまいました。モスは、余計な荷物を積むスペースなどないストイックな形状であるのはご想像の通りです。編集長は防水パック(二重)に入れたスマホをライフジャケットのポケットに、水の入ったペットボトルをフットストラップ周辺のショックコードにくくりつけて海に出ます。

 しかし、このペットボトルがつかめない。編集長は、モスの上で水が飲めない。

 なんのことを言っているのか分かりますか? セーリングしていて喉が渇く。ペッドボトルを手に取る。フタを開ける。水を飲む。水分補給する。フタを閉める。ペットボトルをしまう。この単純なことができないんです。まだナニを言っているのか分かりませんよね。

 モスで止まっていて(といっても止まれないので、スローに走っています)ペットボトルに手を伸ばそうとすると、バランスを崩してアタフタ。アンヒールとオーバーヒールを繰り返して船はドッタンバッタン。風があってもなくても同じです。冷や汗たらたら。

 船の上でペットボトルを手にすることが、これほどむずかしいとは思いませんでした。で、どうするのか? 沈して水に浸かりながらペットボトルを手にするしかありません。もっとうまくなったら、船の上で水を飲めるようになるのかな。道は険しいぜ、こんちくしょうめ。


編集長、後ろからどーんと落ちる。なんでこうなったのか覚えていませんが、気がついたら振り落とされていました。船から離れるの注意


前から落ちる例。前方に落ちる場合はシュラウドが危険です。いかにシュラウドを避けて海に飛び込めるか。上級者テクニックです

連載 バルクヘッドマガジン編集長の空飛ぶ日記
第1回「編集長の空飛ぶ日記、はじまります」
第2回「神様ありがとう、編集長は空を飛んだよ」
第3回「海に出たいのに出られない」
第4回「ものすごいスピードでドカーンと飛ばされる」
第5回「肩の靭帯が切れて凹む」
第6回「編集長、沼から地獄に流される」
第7回「海外のモス野郎にパーツを奪われる」

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