日本メダルレース進出ならず。セーリングワールドカップ・ウェイマス&ポートランド4日目
6月11日、「セーリングワールドカップ・ウェイマス&ポートランド」予選最終日は、風弱く、長い風待ちの後、午後から吹き始めた微風のなか3レースをおこないました。日本勢は総合トップ10による最終日メダルレース進出ならず。ワールド杯ウェイマス大会は、日本チーム全体に課題を残す結果となりました。(BHM編集部)
レーザーラジアル級のスタート。photo by Junichi Hirai
4艇が出場する470級男子は、市野/長谷川がトップマークを上位で回航しますが、ズルズルと順位を落とす内容(13-9-21位)で総合16位に。彼らが470級日本の最上位成績となり、リオ五輪直前でブラッシュアップされている各国代表との実力差が、明確にあらわれる内容となりました。
リオ五輪日本代表の土居/今村は最後まで歯車が合わず。予選でおこなわれた7レースはリオでも予想される微軽風のタクティカルな戦いとなっただけに、リオ本番までの時間で改善が求められます。
ラジアル級の土居愛実も良いところがない4日間となりました。好スタートを切りクリアな風を得て走る場面もありましたが、大きなフリートに対して好位置につけず、フリートに埋もれてしまい、第1上マークから沈んでしまいました。軽風域を得意とする彼女にしては珍しい戦い方ですが、問題を修正してリオ本番へ挑むことになります。
フルパワーの風が1度も吹かなかった予選4日間が終わり、上位陣も凹凸ある成績がみられました。特に470級3日目の第4レースではブラックフラックが8艇もでる波乱となりましたが、実力ある選手たちは最終的にうまくまとめています。
470級男子、ラジアル級ともに、ワールドカップで毎回トップ5以内に入っている選手がリオ五輪のメダル候補といえます。その段階まで実力をあげられていない日本はメダル候補ではありません。日本代表選手がメダル獲得するためには、残り時間の少ないなかで策を練る必要があるでしょう。
また、470級の今村/外薗、小泉/光森、RS:X級男子の工藤は、初のワールドカップ出場となり、ハイレベルな海外選手と戦う貴重な体験ができました。さらに「東京に向けて五輪イヤーから動き出せた」ことは、近年の日本にはなかった活動であり、毎回海外チームに遅れを取っていたマイナス部分を改善する良い事例を作りあげました。
はじめてワールドカップに出るチームが叩きのめされるのは、想定されることです。この屈辱的な体験する時期は、早ければ早いほうがいい。五輪直前の選手のスピードと技術レベルは、国際大会の現場で、いましか知り得ないことでもあります。東京五輪組は次の大会で巻き返しをはかります。
12日ワールドカップ最終日は、現地時間午前11時過ぎから、各種目メダルレースが予定されています。
セーリングワールドカップ・ウェイマス 大会4日目成績
レーザーラジアル級 参加39艇
1. NED Marit Bouwmeester 20.00p
2. FRA Mathilde de Kerangat 33.00p
3. BEL Emma Plasschaert 41.00p
16. JPN 土居愛実 94.00p
470男子 参加27艇
1. GBR Luke Patience / Chris Grube 24.00p
2. ESP Jordi Xammar / Joan Herp 24.00p
3. CRO Sime Fantela / Igor Marenic 30.00p
16. JPN 市野直毅/長谷川孝 84.00p
17. JPN 土居一斗/今村公彦 89.00p
23. JPN 今村 亮/外薗潤平 103.00p
25. JPN 小泉颯作/光森慎之介 117.00p
RS:X級男子 参加17艇
1. GER Toni Wilhelm 16.00p
2. CHN Chunzhuang Liu 19.00p
3. CHN Aichen Wang 28.00p
15. JPN 工藤 輝 102.00p
◎Sailing World Cup Weymouth and Portland
http://www.sailing.org/worldcup/regattas/weymouthandportland_2016.php
ハーバー内は有料の観客席が設けられ、大型スクリーンで観戦(メダルレース)できるようになっています。photo by Junichi Hirai
ユースワールドで新規採用されるナクラ15。ナクラ17の小型版です。photo by Junichi Hirai
総合17位、土居一斗/今村公彦。photo by Junichi Hirai
ダウンウインドで順位を落とした市野直毅/長谷川孝。photo by Junichi Hirai
初ワールドカップで前を走らせてもらえなかった小泉颯作/光森慎之介。photo by Junichi Hirai
2度のトップで一気に2位にあがったフランス。photo by Junichi Hirai
RS:X級のスタート。背景にはのどかな牧歌的風景が広がります。photo by Junichi Hirai
レース海面には大型貨物船やフェリーが行き来します。photo by Junichi Hirai
ラジアル級トップのマリット・ボウミスタ(NED)。photo by Junichi Hirai
ラジアル級の土居愛実。予選最終日の結果は23-17-19位。photo by Junichi Hirai
470級男子はイギリスが首位。昨年のクルー変更後、ようやく本調子を取り戻しました。photo by Junichi Hirai
第2レースの2上レグで急浮上(7位フィニッシュ)した今村 亮/外薗潤平。photo by Junichi Hirai
====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ポール・スチュアート
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
海快晴
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ