微風による長い1日。セーリングワールドカップ・ウェイマス&ポートランド3日目
6月10日、英ウェイマスで開催されている「セーリングワールドカップ・ウェイマス&ポートランド」3日目。期待された風は吹かず、またしても弱い風の1日となりました。風に恵まれない本シリーズ。各クラスとも半ば強引に1レースを実施しましたが、途中でまったく風がなくなる場面もあり苦しい戦いとなりました。(BHM編集部)
49er海面の丘の上には馬が描かれています。ウェイマス周辺には牛、馬、羊の牧場がたくさんあります。photo by Junichi Hirai
ウェイマス沖は、灰色の鈍い雲が一面に広がり、真冬のウエアでも間違いではないほどの寒さを感じます。選手は午前中に海に出て、470級は1レースをおこないましたが、昼には風がなくなりハーバーバック。しばらく陸上待機した後、RS:X級、レーザーラジアル級のレースがおこなわれました。最終レースとなったレーザー男子のスタートは午後6時。日没が遅いとはいえ、朝から待機している選手としては辟易してしまう時間です。
微風戦となった470級男子は8艇のBFD(スタート失格)もあって、8位でフィニッシュした土居/今村、9位の市野/長谷川が総合順位を上げました。BFDには、オーストラリアやフランスが含まれ、優勝争いは混沌としています。
夕方からおこなわれたレーザーラジアル級も、ベリースロウなレース展開となりました。土居愛実はスタート後、フリートの流れに反して左海面を選択したことで遅れてしまい、そのまま追い上げできず34位フィニッシュ。カットレースを作ってしまいました。
風に恵まれず、レース中止の判断があっても良いほどの微風レースが続いています。選手はフラストレーションが溜まる内容ですが、時間のみが刻々と経過。6月11日大会4日目は予選最終日となります。
セーリングワールドカップ・ウェイマス 大会3日目成績
レーザーラジアル級 参加39艇
1. NED Marit Bouwmeester 6.00p
2. CHN Lijia Xu 13.00p
3. HUN Maria Erdi 15.0p
13. JPN 土居愛実 35.00p
470男子 参加27艇
1. GBR Luke Patience / Chris Grube 9.00p
2. CRO Sime Fantela / Igor Marenic 10.00p
3. SWE Carl-Fredrik Fock / Marcus Dackhammar 14.0p
11. JPN 土居一斗/今村公彦 30.00p
19. JPN 市野直毅/長谷川孝 41.00p
25. JPN 小泉颯作/光森慎之介 58.00p
26. JPN 今村 亮/外薗潤平 58.00p
RS:X級男子 参加17艇
1. GER Toni Wilhelm 7.00p
2. CHN Chunzhuang Liu 14.00p
3. CHN Aichen Wang 16.00p
15. JPN 工藤 輝 60.00p
◎Sailing World Cup Weymouth and Portland
http://www.sailing.org/worldcup/regattas/weymouthandportland_2016.php
RS:X級にただ一人出場する工藤輝。サポートがないので、レース海面の行き来も自力で行き来しなければならず苦労しています。photo by Junichi Hirai
ラジアル級のリーシャ・シュー。本大会には中国メディアも彼女を追って取材しています。実は編集長が10年以上海外ヨットレースを取材していて、(中国の大会以外で)同国のメディアと同乗するのは初めて。それだけ、国内でも大きなニュースなのでしょう。photo by Junichi Hirai
ゆっくりゆっくり走るレーザーラジアル級。苦しいレースとなりました。photo by Junichi Hirai
総合トップに立ったマリット・ボウミスタ(NED)。photo by Junichi Hirai
微風レースで抜け出し、トップフィニッシュしたハンガリー。photo by Junichi Hirai
がまんの走りが続いた土居愛実。photo by Junichi Hirai
参加艇数が少ないRS:X級。男子はドイツ、女子は中国がトップです。リオ五輪代表選手はほとんど出場していません。ワールドセーリングの思惑とは反対に、出場選手の実力差が生じてしまったこともエントリーを集められない理由かもしれません。photo by Junichi Hirai
ワールドカップでは数字旗によるカウントダウン・スタート方式が採用されています。この方式はオリンピックと同じですが、一般のヨットレースでは採用されていません。photo by Junichi Hirai
湾内にコースを移動しておこなわれたレーザーラジアル級のスタート。photo by Junichi Hirai
海外チームとの練習で力をつけてきた市野直毅/長谷川孝。現時点ではコーチやサポートはなく、独自に活動しています。この大会が終わると彼らは、リオ五輪の金メダル候補であるクロアチアチームのセーリングパートナーとしてトレーニングを開始します。photo by Junichi Hirai
RYA(英国ヨット協会)の安全対策は徹底されています。メディアボートに乗る前に、ライフジャケットの着用、使い方、落ちた場合のトラブルシューティングをドライバーがその場で講習し、さらに乗艇者は同意書にサインをしてから出艇します。当然、ドライバーは必ずキルコードを装着しています。日本と数段階違う安全対策の考え方と実際に驚かされました。photo by Junichi Hirai
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