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ベネッセチーム3位と同点、マヨルカ島プリンセスソフィア杯3日目

 3月30日、スペイン・マヨルカ島で開催されている「第47回プリンセスソフィア杯」。前日で予選が終わり、上位・下位フリートに分かれる決勝シリーズがはじまりました。大会3日目は長時間の風待ちの後、午後3時頃から吹きはじめた風でレースがはじまり、後スタートになったシルバーフリートの帰着は夜7時半過ぎというタフな1日となりました。(BHM編集部)

 注目の470級ゴールドフリート男女は、最大15ノット程の絶好の風で2レース実施。土居一斗/今村公彦は、吹き上がった第5レースで4位を取って11位まで上昇しましたが、その勢いは続きません。続く第6レースでカットレースを作り、前日と同じ14位となっています。

 女子の吉田 愛/吉岡美帆はフルパワーのセーリングで5-6位を獲得し、3位と同点に並びました。「落ち着いて走れています。前に出れば抜かれることはないのですが、きょうはスタートのちょっとした遅れがそのまま順位になってしまった。そのあたりを修正して(上位との得点差を)詰めていきます」(吉田)。

吉田 愛/吉岡美帆は3位と同点、トップまで13点差。残りの決勝2日間、そしてメダルレースで追い上げ逆転に期待です。photo by Junichi Hirai

◎活動を休止しないオリンピックメダリスト

 470女子はトップのブラジルがリードを広げつつあります。ブラジルのスキッパー、オリビア・フェルナンダは、北京五輪銅メダルを獲得した470級女子界のベテラン選手。いまではママさんセーラーとなり、子供を連れて遠征していて、表彰台に親子であがるシーンも時々みられます。

 レーザー&ラジアルのビッグカップル、ロバート・シェイド(BRA)とギンタレ・ヴォルンゲビシウテ(LTU)夫妻もそうですが、小さな子どもの場合、お母さんと一緒に遠征して、セーリング競技と家庭を両立している選手も多くなっているようです。

 その理由は、オリンピック選手の活動期間が、むかしに比べて長く伸びていることが背景にあります。五輪セーリングのプロフェッショナル化が進み、例えば過去に金メダルを取った選手などは「生活の糧」として選手活動を継続できるようになりました。

 昨今の五輪セーリングをみれば分かりますが、オリンピック周期の4年単位で活動して結果を出す選手は少ない、という特長があります。同じく、先に書いたように、オリンピックでメダルを取ると収入が確保される可能性が高いため、トップセーラーの選手寿命が伸びています。

 ロンドン五輪で金メダルを獲得したマット・ベルチャー(AUS)は東京まで活動を宣言しているし、女子優勝のジョー・アレ/オリビア・ポリエ(NZL)も活動を継続。49er級では、ネイサン・アウタリッジ(AUS)、ピーター・バーリング(NZL)、RS:X男子のドリアン(NED)、女子のマリナ・アラバウ(ESP)、さらにラジアル女子のリーシャ・シュー(CHN)も活動を再開していて、ほとんどの金メダリストは継続活動して、再びリオで金メダルを狙えるポジションにいます。

 オリンピックでメダルを狙うのに4年間で結果を出すのはむずかしい、と言われる理由はここにあります。結果を出してきたベテラン勢が止めず、さらに資金力を得て、またトップランカーに出場が限定されるワールドカップのような高レベルレースで腕を磨くため、実力差が広がってしまう傾向にあります。

 五輪でメダルを狙うには、この現状を乗り越えるだけの気力と体力、そして資金力も必要とされます。受け取り方によっては悲観的にも聞こえるかも知れませんが、これがオリンピックセーリングの現状です。メダルを獲るということは、目の前にそびえ立つ大きな山を切り崩すということ。五輪に挑戦し結果を出すということは、やはりスペシャルなことだと思います。

470級、49er級はアレナルヨットクラブがメインバース。遠浅のビーチから出艇します。photo by Junichi Hirai
シリーズトップを快走するブラジル。photo by Junichi Hirai
カテドラル(パルマ大聖堂)の前でスタートする2.4mR級。パラリンピックひとり乗り種目です。photo by Junichi Hirai
第5レースは4位フィニッシュ。いい成績を取る場面もありますが、悪い時に這い上がれない土居一斗/今村公彦。photo by Junichi Hirai
6レース中5レースでトップ。独走態勢に入ったオーストラリアチーム。photo by Junichi Hirai


大会3日目ダイジェスト。映像提供:レイラインメディア

◎第47回プリンセスソフィア杯
www.trofeoprincesasofia.org
◎バルクヘッドマガジン・フェイスブック写真集
PRINCESA SOFIA Day3 photo
PRINCESA SOFIA Day2 photo
PRINCESA SOFIA Day1 photo

第47回プリンセスソフィア杯 3日目成績
470級男子 77艇参加
ゴールドフリート
1. AUS Mathew Belcher / Will Ryan 5p
2. USA Stu Mcnay / Dave Hughes 19p
3. ESP Jordi Xammar / Joan Herp 20p
14. JPN 土居一斗/今村公彦 39p
31. JPN 市野直毅/長谷川孝 87p
シルバーフリート
42. JPN 高山大智/木村直矢 60p

470級女子 66艇参加
1. BRA Fernanda Oliveira / Ana Barbachan 4p
2. NED Afrodite Kyranakou / Anneloes Van Veen 16p
3. USA Anne Haeger / Briana Provancha 20p
4. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 20p
33. JPN 山口祥世/畑山絵里 92p

レーザー級 参加152艇
ゴールドフリート
1. NZL Andrew Maloney 18p
2. CRO Tonci Stipanovic 25p
3. NOR MILLSY Kristian Ruth 25p
シルバーフリート
83. JPN 瀬川和正 129p

RS:X級女子 62艇
ゴールドフリート
1. RUS Olga Maslivets 8p
2. FRA Charline Picon 17p
3. ESP Marina Alabau Neira 17p
シルバーフリート
46. JPN 伊勢田愛 82p

RS:X級男子 85艇
1. GBR Tom Squires 7p
2. GRE Vyron Kokkalanis 10p
3. POL Pawel Tarnowski 13p
81. JPN 工藤 輝 155p

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