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予選終了、日本470男女ゴールドフリートへ。プリンセスソフィア杯2日目

3月28日、マヨルカ島「第47回プリンセスソフィア杯」2日目。早朝から珍しく霧に包まれたパルマ・デ・マヨルカは風なく、陸上待機ではじまりました。10時を過ぎると霧は一気に流れ去り、パルマ特有の紺碧の海と空があらわれました。(BHM編集部)

吉田自身2度目のプリンセスソフィア杯メダル獲得を目指し、3位と1点差で前半戦を終えた吉田 愛/吉岡美帆。photo by Junichi Hirai

 大会2日目は最大15ノット前後の風で規定レース数を実施しました。470級女子の吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス)は、安定したスコアを並べ総合4位で後半戦・決勝フリートへ挑みます。男子の土居一斗/今村公彦(アビームコンサルティング・九州旅客鉄道)は総合14位でシリーズ折り返し地点をまわりました。

 470級は、翌週に同じ場所で「ヨーロッパ選手権」が開催されるため、上位選手の不在もみられます。たとえば、470級男子のワールドチャンプ、クロアチアや、女子強豪のニュージーランド、イギリス、オーストリアなどは本大会には出場せず、ヨーロッパ選手権に的を絞っています。

 多くのチームが二週連続して大会に出場しますが、欧州の一部の国や中国などはヨーロッパ選手権がリオ五輪の国内代表選考となっているため、プリンセスソフィア杯の出場可否以前から水面下の戦いがおこなわれています。

ワールドカップと別の位置にあるプリンセスソフィア杯の意義

 こうした理由もあり、昨年と今年のプリンセスソフィア杯は(昨年からワールドセーリング=ISAFの手を離れました)、世界規模のトレーニングレース、またはディンギーフェスティバルの意味が強くなっている印象を受けます。しかし、レースコンディションとレース運営は、例年と変わらず高水準。トップセーラーにとって十分価値のあるトレーニングになっているのは間違いないでしょう。

 また、本大会は、ISAFワールドカップのイエール大会(4月フランス)とウエイマス大会(6月イギリス)の予選にもなっています。ワールドカップの出場権利がランキング上位選手に限定されて2年目。しかし、その実態は、ぼやけた部分もあり、完全にランキングシステムが機能しているのはイエール大会ぐらいで、そのほかの大会は出場選手の定員割れ、またはランキングが意味を持たないイベントになっています。

 五輪を目指す選手にとって、ワールドカップは年間数回しかない重要な国際大会に間違いなく、昨年は「はやる気持ちの選手たちが、ワールドカップに振りまわされてしまう」という構図がありました。ワールドセーリングの手掛けるワールドカップは、今年も迷走しているといえます。

 いま東京五輪開催の流れから、2017年以降、日本でもワールドカップを開催しようという計画があります。ワールドカップのシステムは、今後、変更されていく部分もあるので、日本はうまく各国と連携を取り情報を共有し、「ワールドセーリングに振りまわされない」イベントを作り上げて欲しいと願います。ISAFワールドカップの流れから自らの意思で離れたプリンセスソフィア杯を見て、そう感じました。

 プリンセスソフィア杯は30日より後半戦へ。3日間の戦いを経て、最終日メダルレースへと進みます。

◎第47回プリンセスソフィア杯
www.trofeoprincesasofia.org
◎バルクヘッドマガジン・フェイスブック写真集
PRINCESA SOFIA Day2 photo
PRINCESA SOFIA Day1 photo

リオ五輪RS:X級女子日本代表の伊勢田愛。国際レース出場は少ないながらもリオまで残された期間で経験を積みます。photo by Junichi Hirai
470国際大会初出場となった高山大智/木村直矢は惜しくもゴールドフリート進出ならず。厳しい洗礼を受けました。photo by Junichi Hirai
高校時代の先輩後輩にあたる市野直毅/長谷川孝(和歌山セーリングクラブ、横浜ゴムMBジャパン株式会社)。2人が初めて組んで出場した大会が昨年のプリンセスソフィア杯でした。当時、クルーの長谷川は470に乗るのもほぼ初めてという状況から丸1年、本当の力が試されています。荒削りで型破りなチームですが、活動を継続したいと思うエネルギーは日本選手の見本になります。photo by Junichi Hirai


大会2日目ダイジェスト。映像提供:レイラインメディア

第47回プリンセスソフィア杯 2日目成績
470級男子 77艇参加
1. AUS Mathew Belcher / Will Ryan 3p
2. USA Stu Mcnay / Dave Hughes 5p
3. SWE Anton Dahlberg Dahlberg / Fredrik Bergstrom 6p
14. JPN 土居一斗/今村公彦 21p
31. JPN 市野直毅/長谷川孝 41p
41. JPN 高山大智/木村直矢 51p

470級女子 66艇参加
1. GBR Amy Seabright / Anna Carpenter 4p
2. BRA Fernanda Oliveira / Ana Barbachan 4p
3. GER Annika Bochmann / Marlene Steinherr 8p
4. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 9p
32. JPN 山口祥世/畑山絵里 42p

レーザー級 参加152艇
1. NZL Andrew Maloney 5p
2. NOR MILLSY Kristian Ruth 7p
3. USA Charlie Buckingham 8p
68. JPN 瀬川和正 80p

RS:X級女子 62艇
1. RUS Olga Maslivets 4p
2. NED Lilian De Geus 7p
3. FRA Charline Picon 7p
50. JPN 伊勢田愛 61p

RS:X級男子 85艇
1. GBR Tom Squires 4p
2. GRE Vyron Kokkalanis 5p
3. CYP Andreas Carioloup 8p
79. JPN 工藤 輝 112p

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