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連載第5回 空飛ぶ日記「肩の靭帯が切れて凹む」

 みなさん元気に乗っていますか? この連載を開始してから、どこへ行ってもひとこと、ふたこと感想や質問をもらうようになりました。ありがたいことです。みなさんに読んでもらえるのは嬉しいものの、そんなに得るものはないであろう内容に恐縮しつつ、成り行きに身を任せたいと思っています。そしていま、本意ではないのですが、いろいろ不便が生じていることを報告しなければなりません。(BHM編集部)

 掲載がしばらくあいてしまったのは、ディープな読者のみなさんなら、なんとなく予想がつくかもしれません。まったく乗れていないのです。2月中旬から海外取材が続いていて、そもそも葉山にいませんでした。出張は前から計画していたことで、だからこそ真冬にコソ練していたわけです。いや、ほとんど泳いでいたんですけど。

 編集長の仕事は、簡単に言ってしまえば、海の上で撮影して、実際に見たり聞いたことを原稿にすることです。ヨットレースを撮影するのは好きだし、試してみたい撮影方法やアイデアがたくさんあるので、楽しくやりがいのある仕事です。やりがい度、おもしろ度、しあわせ度はかなり高く、仕事に誇りを持っています。

 実はモスに乗り始めた理由のひとつは、昨年、撮影作業が続いたせいで足や手首を痛めてしまい、「こりゃ身体を鍛えないとダメだ」と考えたからです。どうせトレーニングするなら好きなヨットに乗ってやれば一石二鳥、とモスを選びました。

 その選択は間違っていません。モスに乗るには体力(と精神力)が必要です。トレーニングは不可欠だし、乗った後の疲れ方もハンパない。編集長は、1時間海に出ただけでヘトヘトになってしまいます。

 しかし、ちょっとした問題がおこったのです。2月のセーリングで肩を傷めたことは前回の記事で報告しました。その記事を書いていた時点では、軽い打ち身程度で、痛みは直におさまるだろう、とたかをくくっていたのですが、全然消えません。

 そして海上で撮影する時、不安定なボートの上で重くて大きいカメラとレンズを、長時間上げ下げするのが難しくなりました。おかしいな、おかしいな。この1カ月、にがい顔をしながら海上で撮影していたのです。

 あまりにも調子がヘンなので、先々週アブダビのアジア選手権で会った日本49erチームのトレーナーさんに診てもらったところ、「これは、肩の靭帯(じんたい)が切れてますね。関節がゆるんしまって痛みが出てます。ちょっと長引くかもしれませんよ」とのこと。

 ががががががーん!!

 かなりショックです。フォイリングの感覚を忘れないうちに乗りたいけれど、メインシートを引く動作をすると肩がズキンと痛い。がまんして乗っちゃいたいけれど、カメラが持てなくなるかもしれない。そうすると仕事ができなくなってしまう。それは困る。。。

 いまは無茶をせず、鍼灸整骨院へ通って、針をうってもらったり、酸素カプセルに入ったり、治療に専念しています。あれ、編集長は、なんのためにモスに乗り始めたんでしたっけ? 本末転倒。日々是決戦。これもまた人生。。。

アブダビのヨットハーバーで治療を受ける編集長。おかしい、おかしい、何かがおかしい。photo by K.Nakazima

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