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8年の歴史に幕。光ゴアテックスニューイヤーレガッタ・フィナーレ

 1月11日、山口県光市で開催された「2016 GORE-TEX New Year Regatta」(ゴアテックス ニューイヤーレガッタ)の2日目は、軽風のコンディションの中、OP級4レース、420・FJクラス2レースが行われました。(レポート/大会実行委員会、写真/池上亜樹、小泉周三)

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今年も風に恵まれた光ゴアテックス ニューイヤーレガッタ。2日間で8レースを実施しました

 風向がめまぐるしく変わるコンディションの中、風の振れとブローの変化に対して、その兆候を捉えて、先まわりの判断を的確に下し、手堅いレース運びができるかどうかが勝負のポイントとなりました。

 OP級Aクラスの勝負の行方は、最終第8レースまでもつれました。5レース目に首位に立ち、7レース目まで首位を守り続けた幸野選手が最終8レース目で岡田選手(藤沢)に逆転を許し、岡田選手の優勝が決りました。

 岡田選手は本日の4レースを全て上位フィニッシュでまとめ、前日9位から大逆転となりました。また、Bクラスは2日間を安定したスコアでまとめた出来選手がタイトルを獲得しました。

 優勝した岡田選手にインタビューしたところ、「風の振れに注意を向け、長くリフトを走ることを心掛けてレースをしました」とのことで、基本に忠実にレースを戦ったことが大逆転を生む原動力になったようです。

 420・FJクラスでは、前日の順風下でトップを連発していた松尾/三浦ペア(光高校)が、本日の軽風のコンディションでは苦しんだものの、見事優勝を果たしました。

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OP優勝者、420優勝者(インターハイチャンピオン。写真手前の420)、五輪銀メダリスト(写真奥の420)が同じ海面を走ります。この大会のコンセプトでもある(普及〜育成〜強化)を象徴する写真です

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OP最終レーススタート直後、1位・2位のミートシーン。青のビブスの幸野選手は「最終レースは緊張してスタートが上手くできなかった」と話していました

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OPAクラス優勝の岡田選手。レース中、口笛を吹きながら上位を気持ちよく帆走していました

ジュニア・ユースセーラーが成長する環境

 420・FJクラスでは、本日の軽風の2レースでのベストスコアは重・宮崎ペア(玄海セーリング)、池淵・原田ペア(鳥取県連)の2チームでした。池淵・原田ペアは最終レースにてトップフィニッシュを飾り、自信を掴みました。

 レース後、池淵選手に話を伺ったところ、「3日間、周囲の速い選手達とレースができ、速い選手達のランニングの角度等を見て、真似していくうちに、徐々に止まらない角度の感覚が掴めてきました」とのことで、大きな手ごたえを感じている様子でした。

 また、優勝した松尾選手にインタビューしたところ、「今回、非常に質の高いレース運営の中で、重選手とレースを戦うことができ、普段の高校生同士のレースでは感じることができない、先を見据えての風のつかみ方等、コースマネージメント等、目の前で生きたお手本を見ることができ、大きな収穫を得ました」とのことでした。

 現役の420級のインターハイ、国体チャンピオンも今回の大会を通して、更なる成長に向けてのヒントを掴むことができる大会となったようです。やはり、このようなジュニア・ユースセーラー達が何かをつかみ、急成長できる状況になるのは、“楽しさ、自由に学べる、真剣にレースができる”の3つが揃っているという点にあるのではないか、と感じております。

ゴアテックス ニューイヤーレガッタ、8年間の御礼

 この大会は、GORE-TEX社がスポンサーとしてサポートしたTeam SLED(山田寛/中村健一)の北京五輪キャンペーンで培ったノウハウをジュニア選手の発掘、育成、強化のきっかけ作りに繋げていきたいとの想いで始まりました。

 山口県セーリング連盟をはじめ、光セーリングクラブ(小泉さん、花田さん)を中心として、第1回大会の小規模な状況から、8回の回数を重ねて、大規模な複数クラスの大会へと発展し、当初考えていた目標、役割をほぼ達成したのではないかと感じております。

 第1回大会で優勝した土居愛実選手が五輪選手へと成長し、その時に中盤を走っていた小泉維吹選手はISAFワールド420級銅メダル、アジア大会銀メダル、下位グループにいた高山大智選手は420級の世界チャンピオンへと成長しました。また、唯一第1回〜8回までの全ての大会に出場している松尾虎太郎選手も420級のインターハイ、国体チャンピオンへと成長しました。

 彼らをはじめ、多くの選手、保護者、指導者の皆様より、8年間のこのイベントとの関わりが、その後のセーリング活動の飛躍の大きなきっかけとなったという話を聞くようになり、非常にうれしく感じております。

 その一方、徐々に当初掲げた目標、役割が終わりに近づき、2020年東京五輪開催も決まり、さらなる進化・発展を遂げていくためには、水域、協会の元で発展させていくべき状況を迎えていると感じており、様々な見直しが必要な時期に来ているとも感じております。

 このイベントを通して得られたノウハウについては、今後、水域、協会の元で活用され、進化していくことを切に願っております。

 今回の第8回大会を持ちまして、GORE-TEX New Year Regattaは終了致します。

 長期間ご支援して頂きましたスポンサー各位、運営、選手の皆様に厚く御礼申し上げます。

日本ゴア株式会社 池上亜樹
大会実行委員長 中村健一

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OP級Aクラス上位成績
1位 岡田爽良(藤沢市青少年セーリングクラブ)
2位 幸野翔太(B&G別府海洋クラブ)
3位 鶴本優士(B&G高松海洋クラブ)
4位 児島緋音(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
5位 苗床隆之介(北九州ジュニアヨットクラブ)
6位 上園田心太郎(B&G別府海洋クラブ)

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OP級Bクラス上位成績
1位 出来オリバー健(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
2位 大西祥介(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
3位 藤原優咲(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)
4位 下石雅楽(B&G別府海洋クラブ)
5位 宮崎七海(北九州ジュニアヨットクラブ)
6位 旭 夏希(B&G高松海洋クラブ)

OP級 小学生優勝
岡田爽良(藤沢市青少年セーリングクラブ)

OP級 女子優勝
児島緋音(B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)

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420・FJクラス上位成績
1位 松尾虎太郎/三浦 匠(山口県立光高等学校)
2位 小泉凱皇/森戸 環/重本章吾(山口県立光高等学校)
3位 尾道佳諭/冨永理貴(山口県立光高等学校)

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OPAクラス最終成績

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OPBクラス最終成績

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420・FJクラス最終成績

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