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リオ五輪まで1年。リオデジャネイロでオリンピックテストイベント開幕

 8月15日、ブラジル・リオデジャネイロで「Aquece Rio インターナショナル・セーリングレガッタ」が開幕しました。この大会は来年開催されるリオ五輪のテストイベントで本番と同じグアナバラ湾で開催されます。(BHM編集部)

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2016年夏に開催するリオ五輪まで1年。セーリング競技のテストイベントが開幕しました。photo by Junichi Hirai

 南半球に位置するブラジルの8月は1年でもっとも涼しい季節。夏は40度にも気温が上がりますが、この季節は25度前後と過ごしやすく、乾いた風が気持ち良いセーリング向きのコンディションです。五輪関連のニュースで問題視されている水質汚染の問題もあり、本大会は現地でも注目度の高いイベントになっています。

 テストイベントは本番をほぼ完全に模したプレ大会であり、オリンピックでメダルを狙う選手にとって最も重要なイベントです。参加は、52カ国339選手。大会は15〜22日までおこなわれます。

 テストイベントでは種目ごとに1カ国1チーム出場に限定され、日本からは、下記の7種目11名が出場します。このうち、五輪出場が決まっているのはRS:X級男子(富澤)、470級男子(土居/今村)、470級女子(吉田/吉岡)の3種目。そのほかは、これからおこなわれるクラス別世界選手権やアジア選考枠で五輪出場国枠を勝ち取らなければなりません。未取得の種目は日本ナショナルチーム内最上位選手が出場します。

Aquece Rio インターナショナル・セーリングレガッタ出場日本選手
470級男子
土居一斗/今村公彦(アビームコンサルティング/九州旅客鉄道)
470級女子
吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
49er級男子
牧野幸雄/高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
49er級FX女子
松苗幸希/原田小夜子(ガルフネット)
レーザーラジアル級女子
土居愛実(慶応大)
RS:X級男子
富澤 慎(トヨタ自動車東日本)
RS:X級女子
須長由季(ミキハウス)

 大会初日はRS:X級男女とレーザー級、ラジアル級の4種目がおこなわれました。午後からはじまったレースは、10ノット前後のライトコンディションで進み、ラジアル級の土居愛実が第1レースでトップフィニッシュするなど好調な走りを見せました。

「リオに来て約4週間、練習していました。スピードは良くなっていますが、いまの課題はスタート。第1レースはスタートがうまくいって、自分のコースプランで走れました。こうしたレベルの高い国際大会でトップフィニッシュするのははじめてです。逆に第2レースはスタートで出られなかった。この大会に出場する選手はほぼ五輪本番に出場する選手たち。目標はメダルレース出場です」(土居愛実)

 土居は1−21位の成績で初日9位につけました。RS:X級の富澤は総合23位、女子の須長16位の発進となりました。明日16日より、470級男女、49er級、49er級FXのレースがはじまります。

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2レースおこなわれたラジアル級では、土居愛実が第1レースでトップを取りました。photo by Junichi Hirai

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マリーナに隣接するサントス・ドゥモン空港(国内線)からは頻繁に飛行機が発着しています。五輪本番時の離発着は制限されるようですが、轟音で話しもできなくなるほどの至近距離で飛んでいます。photo by Junichi Hirai

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マリーナの背景の山にはキリスト像。ヨットレースをおこなう世界のセーリングベニューのなかでも抜群のロケーションです。photo by Junichi Hirai

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起伏のあるマリーナ施設ではマーク運びもカートで。五輪用の施設はまだ完成しておらず、建物の代わりに大きな仮テントがいくつも張られています。photo by Junichi Hirai

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テント内に設けられたメディアルーム。テストイベント初日のためテレビ局が大勢やってきました。狭いメディアルームは30席の作業場しかなく大混雑しています。photo by Junichi Hirai

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RS:X級日本代表に内定しているRS:X級男子、富澤 慎。photo by Junichi Hirai

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テストイベントとはいえ警備は厳重です。マリーナ周辺は警察が多数、セーリング競技は空も警備されています。実は前日に町で反政府による暴動やデモがあり、町の一部では警戒態勢になっています。16日開催のロードサイクリングのテストイベントはコースが急遽変更になりました。photo by Junichi Hirai

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RS:X男子は中国が爆発。(4)-1-1位で首位に立ちました。photo by Junichi Hirai

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生活排水が流れ込むグアナバラ湾は風向によってドブのような異臭が漂います。水が巡回しないマリーナの湾内などが顕著に匂う場所ですが、海上では「汚さ」を意識することはありませんでした。日本のニュースにあるような浮遊している生活ゴミはありません。photo by Junichi Hirai

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RS:X級女子は軽風を得意とする香港がトップに。ウインドサーフィン男女はアジア勢が健闘しています。photo by Junichi Hirai

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10月オマーンで開催される世界選手権を視野に減量が続いているRS:X級女子の須長由季。初日16位。RS:X級は合計12レース予定されています。photo by Junichi Hirai

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ブラジルの英雄、五輪5連続メダル獲得、2つの金メダルを持つロバート・シェイド。北京、ロンドンで活動したスター級からレーザーに復帰しましたが衰えをみせません。photo by Junichi Hirai

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レーザーラジアル級は28艇が出場。世界のトップセーラーが勢揃いしています。photo by Junichi Hirai

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グアナバラ湾はまわりを町と山に囲まれています。写真のシュガーローフマウンテン(砂糖パンの山の意)はリオの観光名所です。photo by Junichi Hirai

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メディアボートは1艇しか用意されていません。約40名のフォトグラファー、ビデオグラファーが40分交代で海に出ました。メディア対応の準備不足を感じます。photo by Junichi Hirai

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マリーナ敷地内にあるCIDADE OLYMPICA(オリンピックの町)と描かれたモニュメント。photo by Junichi Hirai

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レーザーとラジアル級は内海のリオ・ニテロイ橋近くでおこなわれました。リオ・ニテロイ橋は1300mも続く巨大な橋。この橋も町中と同様に通勤時は大渋滞するそう。photo by Junichi Hirai

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計測場へ向かう49er級FXの松苗幸希/原田小夜子。今回は470級男子の八山慎司がサポートについています。49er級FXは16日から始まります。photo by Junichi Hirai

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初日を9位で終えた土居愛実。朝から偏頭痛に悩まされ万全の体調とはいえませんが、順調な出だしとなりました。ラジアル級は11月オーマンで開催される世界選手権が日本代表選考です。photo by Junichi Hirai


Aquece Rio 2014 – Dança das Velas

Aquece Rio – International Sailing Regatta 2015 初日成績
レーザーラジアル級 28艇参加
1. NED Marit Bouwmeester 2-6 8.0p
2. CZE Veronika Kozelska Fenclova 8-2 10.0p
3. LTU Gintare Volungeviciute Scheidt 10-3 13.0p
9. JPN 土居愛実 1-21 22p

RS:X級男子 28艇参加
1. CHN Aichen Wang (4)-1-1 2.0p
2. POL Pawel Tarnowski 3-(8)-2 5.0p
3. FRA Pierre Le Coq 1-(6)-5 6.0p
23. JPN 富澤 慎 (20)-19-19 38p

RS:X級女子 20艇参加
1. HKG Hei Man H V Chan (9)-3-1 4.0p
2. POL Malgorzata Bialecka (3)-2-3 5.0p
3. FRA Charline Picon 1-(7)-6 7.0p
16. JPN 須長由季 17-(20)-10 27.0p

◎ISAF Aquece Rio International Sailing Regatta 2015
http://www.sailing.org/olympics/rio2016/home
◎Aquece Rio
http://www.aquecerio.com/

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