ヨットレース繁盛記。夏のウキウキレース!トウキョウズカップ2015
ヨット乗りにとって「島に行く」は、冒険ゴコロをくすぐる魅力的な言葉です。相模湾を南に下った先にある伊豆七島は、長期休みを使って一度は行きたい魅惑のアイランド。伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島。このなかで最も近いのが伊豆大島です。ここで毎年夏に開催される「トウキョウズカップ」を目指して、ホビーホーク号は夏休みクルーズ&レースに行ってきました。(BHM編集部)
ヨットレース繁盛記〈ホビーホーク号〉夏の恒例行事になっている伊豆大島・トウキョウズカップに出場してきました!photo by HobbyHawk
トウキョウズカップ2015
今年もまた、トウキョウズカップBコース参加のため、真夏の大島へ! 大人の夏休みのはじまりです。あ、大人と言っても、はしゃっぎっぷりに関してはほとんど小学生レベルですけど。(文/石丸寿美子)
金曜日早朝、通勤電車の中、ひとりビーサンのわたし。平日のマリーナにいそいそと集合し、7時45分、葉山マリーナをドックアウトです。梅雨明けしてからの関東地方は連日の猛暑です。暑いなんて生易しいのを通り越して、苦しいと言った方がしっくりくるけれど、街中の熱風と違い、海の上を駆け抜ける風は爽やかです。
もしかしてこれ、ヨットじゃなくて宇宙船ソユーズなんじゃないの? ってくらい、身も心もフワッフワに軽く、すっかり浮遊状態です。海は穏やかで快適なクルージングとなりました。午後2時、無事大島波浮港に入港。今年もまた真夏の大島にやって来ました。
金曜日、ホームポートの葉山を出港。クルージングはゆっくりのんびりです。photo by HobbyHawk
クルージングの食事はそうめん。夏を満喫です。photo by HobbyHawk
翌土曜日はトウキョウズカップ本番。計器が壊れちゃったけどがんばります! photo by Masaki Nakamura
尾てい骨スピードメーターと耳たぶ風速計。あとは神の声に従います
翌、土曜日はレースです。レースと言っても、ホビーホークが参加するトウキョウズカップ Bコースは、島をぐるっと半周するピクニックレースです。まずは波浮港からスタート地点の岡田港へ向かいます。
潮の流れや強さをチェックしながら行きたいところですが、計器の表示がおかしく…。ガーン。仕方なく、尾てい骨スピードメーターと、耳たぶ風速計を起動することにします。SOG/COGはハンディGPSで。あとは、神の声に従うことに。
スタート地点は、南西の風10〜12ノット程。小口岬、風早崎をかわす角度に向けるとクローズリーチのポートスタートです。アウター側、カミでラップしていた大型艇がタックの動作に入ったのを見てほぼ同時に返します。まずまずのスタート。行ってきまーす!
風早崎を越えるまでは接近戦でした。ホビーホークは10艇中、下から2番目のレーティングだけど、スベりも良く、特に走り負けることなく団子になって進みます。風早を越えたら徐々にヘッドアップしていき、島の西側に出ます。このあたりからだんだん潮の影響を受けるようになってきました。
川のように流れる潮目を幾度となく通過します。海面が沸き立つように盛り上がっていて、所々でぐるぐる渦巻いています。ひゃー。すごい。ラダーがぐっと煽られるようなカウンターを食らって、スピードがガクっと落ちました。
ここから先は、潮の影響を最小限にしようと岸ベタコースを選択。せせらぎみたいな音を立てて流れる潮にモミモミにされながら進みます。まだ何とか前に進める風が吹いていてよかったです。艇団はまだそれほどばらけることなく走っていて、ゲインしたと思ったら次のミートでは前を切られたりと今のところ一進一退。
この先のコースは沖からの大外狩り? それとも内股? うーん、難しいところです。潮の流れは考えている以上に複雑だったようで、同じようなコースを走っていてもちょっとした位置の違いで潮から抜け出せなかった艇もあり、一段沖側に居た数艇が徐々に伸ばし始めました。
その後、日が高くなるにつれて風は南にまわり、しぼんでいってしまいました。こうなると、船足の遅いホビーホークはじわじわと遅れ始めます。一方、後ろは引き離しているので、フリートの中ではなんとか脱落せずに首の皮一枚つながっている感じ。
フィニッシュの灯台から撮った大島の断崖と参加艇。photo by Masaki Nakamura
太陽光線が全身に突き刺ささり、鉄板の上で焼かれている気分
暑い、暑い。暑くてたまりません! でも暑いって言ったら100円ということにします。いくら海の上は爽やかだといっても、それは少しでも風があったらの話。太陽光線が全身に突き刺さり、鉄板の上でジュージュー焼かれている感じです。氷水で首を冷やしたりしながら耐えます。かなり多めに積んであった飲み物も、足りるかな? とちょっと計算してみたり。
一時は風がぱったりと止み、先行艇も漂い始めました。後ろは霞んで見えなくなりました。ヘディングをかなり沖に向けていても、潮でどんどん岸に寄せられます。ヒヤヒヤしながら千波を越え、そこから先は追い潮になりました。
フィニッシュラインが見えてきました。最後は少しだけ風が入り、まあなんとか脱落せずに走って来れたのでよかったです。5時間のた打ち回り、フィニッシュ。暑い中、がんばったー。前との間が開きすぎていたこともあり、修正も着順通り。残念ながら、4艇がDNFでした。
今年は沖出し派、岸ベタ派、それほど極端なコースは引いていないようだったけれど、ちょっとした潮のラインの読みが大きな差となりました。中盤からは、船足が潮に勝てるか否かも勝負の分かれ目でしたが、抜け出した〈Fellows〉(Y-33S)はお見事でした。ファーストホーム&優勝おめでとうございます。
大島をぐるっと半周のBコース。このあたりまで来ると、海の色もガラッと変わってきます。深いブルーの海、緑の島、遠くの入道雲。今年も島回りピクニックレースを存分に満喫しました。3日間、太陽をサンサンと浴びてとにかく暑かったけど、今年も楽しすぎるオトナの夏休みでした!(でも今は、クーラーの効いた部屋でアイス食べながら高校野球見たい気分)
Bコース優勝の〈Fellows〉。今年は好成績連発してます。photo by HobbyHawk
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