ワールドチャンピオン誕生と高校セーリングの改革
激動の7月が終わり灼熱の8月へ。バルクヘッドマガジン編集長の7月はデンマークで開催されたリオ五輪470日本代表選考に始まり、唐津でおこなわれた420級世界選手権、葉山のFJ級世界選手権、他にも伊豆大島や初島にも行ってきました。来週はブラジルへ飛んで、リオ五輪テストイベントを取材してきます。おたのしみに!(BHM編集部)
7月は日本で2つの世界選手権が連続して開催されました。既報の通り、両大会から日本人チャンピオンが誕生したことは歴史的な出来事で、FJ級は6人目、420級は日本人初の快挙です。
420ワールドの歴代メダリストを見ると、マット・ベルチャー(AUS)、ピーター・バーリング(NZL)、ネイサン・ウィルモット(AUS)、ネイサン・アウタリッジ(AUS)、ジョー・アレ(NZL)、エリサ・リチチ(AUS)、ハンナ・ミルズ(GBR)、ルーシー・マクレガー(GBR)といった五輪メダリストがずらりと並んでいることに驚かされます。
このなかに日本選手の名前が入ることは感無量です。また、これから世界選手権に出場した日本選手の成長と活躍を期待しないわけにはいきません。
日本人初となった420級世界選手権優勝の高山大智/中野翔太(和歌山セーリング連盟所属・星林高3年)。「今年はワールド、インターハイ、国体すべて優勝するのが目標。最初の大会になった世界選手権で優勝できて驚いています。(いちばんハードルの高い大会で勝ったので)インターハイ、国体も負けられなくなりました。将来の目標はオリンピックです」(高山)。「同じコンビで3年間乗っています。ワールドまでの課題は、レース中、積極的にコミュニケーションをとってスキッパーと情報を共有しようということ。いままでで一番うまくいきました。優勝できてうれしいです」(中野)※バルクヘッドマガジン編集長の420級世界選手権レポートは、雑誌「KAZI」にも掲載予定です。おたのしみに。
2015年から変わるインターハイ、国体艇種
FJ級と420級は、今年からインターハイ、国体(少年男女)種目で追加/変更される種目として注目されています。2015年は「高校生セーリング改革元年」です。
◎高校生ユースセーリングの改革ポイント
【インターハイ】 和歌山・8月13〜16日開催
・新たに420級が採用される
・今年から3年間はFJ級と420級の併催
・FJ男女、420男女の4クラス(の優勝校)が表彰対象となる
・420級は一定期間はチャーター艇でおこなわれる
・3年後、FJ級はなくなり、レーザーラジアル級が採用される計画
・インターハイ・セーリング競技は和歌山セーリングセンターで固定開催される
【国民体育大会】和歌山・9月10〜13日開催
・少年男女セーリングスピリッツ級が、420級に変更
・少年男女シーホッパー級SRが、レーザーラジアル級に変更
※成年男子はレーザー級、女子はラジアル級に変更。成年男子470級、成年女子セーリングスピリッツ級、成年男女国体ウインドサーフィン級は継続されます。
420級が採用されるメリットは、日本以外で普及していないFJ級と違ってISAFユースワールドやアジア大会にも採用される艇種なので、世界標準に近いトレーニング、世界の流れと同調した活動が可能になること。また、国際420協会は国際470協会と直結するため(両協会はスタッフが重複しています)、オリンピックを意識した活動が可能であること。クラスルールが確立されているため、ボート性能のバラつきが少ないこと等があげられます。
当然、デメリットも考えられます。新艇種購入の費用問題(負担を少なくするためJSAFの購入サポート、チャーター艇の採用等がおこなわれます)。新艇種が採用されることで指導者は新しい技術指導が求められる。今後全国で余るFJ級をどうするのか(処分や二次的利用)。各校ヨット部の負担が増えることで、休部・廃部を増長させる結果になるのではないか?
さまざまな意見がありますが、「高校セーリングの艇種変更」の舵は切られました。これからインターハイ、国体を目標に変化が起こっていきますが、少なからず、高校生が3年間を燃焼できる舞台になるように。そして、彼らが卒業後したとき、もっとセーリングが好きになっていて欲しいと願います。
420ワールドの大会公式フォトグラファーをつとめた編集長の写真は、バルクヘッドマガジン・フォトギャラリーに掲載しています。選手のみなさん、自分の写真を探してみてくださいね。掲載されている高画質写真はダウンロード購入できます。
2015 KARATSU 420 World Championship photo gallery
デイリーセーリング中嶋一成氏制作の大会最終日ダイジェスト映像
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