7月25、26日、イギリス・ポーツマスで「ルイ・ヴィトン アメリカズカップ・ワールドシリーズ」が開催されました。このワールドシリーズは、2017年アメリカズカップにつながる初戦であり、エントリーしている６チームが出場しました。大会は２日間、予定されましたが、２日目が強風のためにキャンセルとなり、ベン・エインズリー率いる〈ランドローバーBAR〉が優勝。われらがソフトバンク・チームジャパンは５位の結果に終わりました。（BHM編集部）

ソフトバンク・チームジャパン。メンバーは、早福和彦総監督、ディーン・バーカー（ヘルムスマン、CEO）、クリス・ドラパー、ジェレミー・ロマス、デレク・サワード

　出場するのは次の６チーム。カッコ内はヘルムスマンです。
ソフトバンク・チームジャパン（ディーン・バーカー）
ランドローバーBAR（ベン・エインズリー）
エミレーツ・チームニュージーランド（ピーター・バーリング）
グルーパーマ・チームフランス（フランク・カマス）
アルテミスレーシング（ネイサン・アウタリッジ）
オラクルチームUSA（ジミー・スピットヒル）

　このワールドシリーズは、アメリカズカップの前哨として前大会より始まりました。前回は完全なエキシビジョンであり、AC本番の成績には関係せず、中国や韓国、そして劇的な脱退を発表したルナロッサなど９チームが出場していました。また、大会期間も４日間で、マッチレースとフリートレースが混合されていました。

　そう考えると２日間４レースで終わってしまう今回のワールドシリーズは、いささか物足りなさを感じます。実際に２日目がキャンセルされたため１日だけのイベントになってしまいました。ちなみに前大会では１年６カ所で開催。今回は３カ所（イギリス、スウェーデン、バミューダ）だけが発表されています。

　この背景には、今回のアメリカズカップ組織委員会と各チームが、かなり未完成のままスタートしているのでは？と予想しています。もし、違うようなら、アメリカズカップの方向性がまったく見えてきません。初日だけで「5万人の観衆と2000艇」の観戦ボートが海に出たと公式に発表されていますが、それ本当なの？と勘ぐってしまうのは穿った見方でしょうか。「こういうドタバタがアメリカズカップなんだ」といえば、その通りですが、フォイリング・カタマランでおこなうヨットレースの魅力を世界に伝えることは次回以降におあずけ、となったようです。……と、本当はポーツマスまで観に行きたかったバルクヘッドマガジン編集長の感想でした。

Louis Vuitton America’s Cup World Series Portsmouth Results
1. Land Rover BAR – 19 points
2. Emirates Team New Zealand – 18 points
3. ORACLE TEAM USA – 16 points
4. Groupama Team France – 13 points
5. SoftBank Team Japan – 13 points
6. Artemis Racing – 11 points

早福和彦総監督のコメント「やはり準備不足でいろいろな点で問題点が出ました。今後、何が問題だったかを分析して、一つ一つ解決していくしかありま せん。ただ、全チームの中で、我々が最も伸びしろのあるチームであることは間違いありません」

ディーン・バーカーのコメント「私たちは最も新しいチームで、今後いろいろと取り組むべきことが多く大変ですが、一からのチーム作りは楽しくもあります」

イギリス・ポーツマスで開催されたワールドシリーズ。イタリア（ルナロッサ）撤退後、開催地が3箇所となり、来年の予定は発表されておらず、ワールドシリーズの位置づけがはっきりしていないように思えるのは気のせいでしょうか？

（たぶん有料の）観客席。ルイ・ヴィトンがメインスポンサーについていますが、前回に比べて明らかにメディアパワーが不足しているように思います

アルテミスと交差するソフトバンク・チームジャパン

ランドローバーがスポンサーについたBAR。世界のセーリングヒーロー、ベン・エインズリーが参戦するといなったら、英国国民が期待しないわけにはいきません

日本のヘルムスマンをつとめるディーン・バーカー。チームニュージーランドから移籍しました。いや、移籍ではありませんね。チームニュージーランドを実質追い出され、新境地として日本を選んだということでしょうか

ポーツマス大会優勝のランドローバーBAR

セレモニーにはウィリアム王子、キャサリン妃も訪れました。ふたりともセーラーでACボートで夫婦対決したこともあります（キャサリン妃が勝ちました）

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