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日本爆発!男女ともに総合3位へ。470ヨーロッパ選手権2日目

 6月30日、リオ五輪日本代表選考・470級ヨーロッパ選手権2日目。朝から晴れ渡るデンマーク・オーフスは、冷たくも心地よい風が吹いています。朝のうちは沖で20ノットの風が吹いていましたが、レースが始まる頃には気温もあがって風が落ちていきました。しかし、風は弱いながらも時々強烈なパフが入り、右と左海面ではバウ方向が違うという、日本の岸近くでよく見られるトリッキーな風です。この風の特長をだれよりも先に掴んだのは、山口祥世/畑山絵里(ノエビア)でした。(BHM編集部)

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快進撃を続ける山口/畑山。シフトを掴んで一気に前に出てきます。有利不利海面にこだわらないフレキシブルなコースプランが好成績につながっているようです。photo by Junichi Hirai

 大会初日の勢いをそのままに、山口/畑山が爆発しました。自分たちの得意とする風に合わせた軽風を気持ちよく走り、第4レース、第5レースと連続で2位を獲得し、イスラエル、ニュージーランドに次いで総合3位につけました。この成績は今春から海外遠征をはじめた彼女たちにとって初めて得る好感触、好成績です。選考の相手である吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)に第一次選考で32点の差を付けられていますが、積極的なセーリングを見せています。

470級ヨーロッパ選手権 2日目 女子成績 参加48艇
1. ISR Gil Cohen / Danielle Maman 1-1-1-1-(21) 4p
2. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 1-1-2-1-(4) 5p
3. JPN 山口祥世/畑山絵里 7-(9)-2-2-2 13p
4. USA Anne Haeger / Briana Provancha 5-(14)-6-3-1 15p
5. FRA Camille Lecointre / Helene Defrance 3-(8)-5-2-6 16p
6. ESP Marina Gallego / Fatima Reyes (20)-6-5-5-3 19p
7. SLO Tina Mrak / Veronika Macarol 5-4-4-(8)-6 19p
8. GER Annika Bochmann / Marlene Steinherr 6-5-4-(8)-5 20p
9. GER Nadine Boehm / Ann-Christin Goliass 4-(18)-6-9-2 21p
10. GER Annina Wagner / Elisabeth Panuschka 8-3-(16)-7-3 21p
16. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 11-5-8-(12)-1 25p

 男子の戦いにも拍車がかかってきました。本日は松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)が2-8-2位という最高の成績で総合3位へジャンプアップ。松永/吉田は第3レースこそ第1上マークから2位で順位を保守しましたが、その他は中位置から追い上げる展開です。風が振れ、さらに風の激しい強弱があるなかで、冷静に風を捉えています。

「きょうは1上で変な位置でまわらなかったので追い上げられた。これが、後続グループにハマってしまったら追い上げるのもむずかしい。毎レース必死です。(選考に関して、の質問に)自分たちのやることをやるだけです。それができなければ、勝てないわけですから」(吉田雄悟)

470級ヨーロッパ選手権 2日目男子成績 参加60艇
1. USA Stuart Mcnay / David Hughes 2-2-2-(31 BFD)-3 9p
2. RUS Pavel Sozykin / Denis Gribanov 1-(14)-1-2-7 11p
3. JPN 松永鉄也/吉田雄悟 (11)-4-2-8-2 16p
4. NZL Paul Snow-Hansen / Daniel Willcox 4-5-3-(31 BFD)-4 16p
5. GER Ferdinand Gerz / Oliver Szymanski 5-1-(11)-5-7 18p
6. GBR Luke Patience / Elliot Willis 7-6-1-(10)-6 20p
23. JPN 土居一斗/今村公彦 9-11-(18)-13-10 43p
29. JPN 市野直毅/長谷川孝 13-(23)-21-2-17 53p
59. JPN 飯束潮吹/八山慎司 24-21-24-25-(31 BFD) 94p

 ほかの日本チームは風を掴みきれていません。土居一斗/今村公彦(アビーム)は、第5レースで1上マークを4位で回航しますが、ポジションをキープできずに10位hへ後退。総合23位(43点)で苦しい展開で決勝へ駒を進めることになりました。

 大会2日目までに5レースを終えて予選シリーズ終了。市野直毅/長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)は29位でぎりぎり予選通過。日本は女子2チーム、男子3チームが決勝シリーズ・ゴールドフリートに進出します。飯束潮吹/八山慎司(SPN)は予選敗退となりました。決勝シリーズは7月1日から3日間、6レースが予定されています。

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吉田/吉岡。第5レースではスタート後すぐに右展開。この素早い行動が功を奏して会心のトップフィニッシュを決めました。photo by Junichi Hirai

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総合2位はロンドン五輪の金メダル、ニュージーランド。癖のあるトリッキーな海面でも順位を落としません。このヨーロッパ選手権にはイギリス、オーストリア、ブラジルの強豪女子チームが不参加です。photo by Junichi Hirai

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苦しい戦いとなった大会2日目。土居一斗/今村公彦の持ち味がまだ発揮できていません。photo by Junichi Hirai

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第4レースで大きなシフトを掴んで2位フィニッシュ。29位で辛くもゴールドフリートに進んだ市野直毅/長谷川孝。photo by Junichi Hirai

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予選敗退となった飯束潮吹/八山慎司。photo by Junichi Hirai

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オーフスと同じトリッキーな風の琵琶湖で育った松永鉄也の本領発揮か。スリーボンドチームは総合3位に。photo by Juinichi Hirai

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レースオフィスには出場選手全員のサインが入ったポスターがあります。photo by Juinichi Hirai

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笑顔の山口祥世(左)、畑山絵里。明日の決勝ゴールドフリートから上位選手だけの本当の戦いがはじまります。photo by Junichi Hirai

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のんびりとした時間が流れるオーフスのハーバー。photo by Junichi Hirai

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夕方のハーバーで、おじいさん2人が、おばあさんを乗せたクリンカー張りの美しいロウボートを漕いでいました。みなさん推定70〜80歳ぐらいでしょうか。こんな光景、日本でみたことありません。編集長は軽いカルチャーショックを受けました。photo by Junichi Hirai

◎470European Championship
http://2015europeans.470.org/en/default/races/race

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