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日本学生チーム、仏マッチレースへの挑戦!

 3月26〜29日、フランス・ナントで「ナント・ユニバーシティー・セーリングカップ」が開催され、日本チームとしてスキッパー小倉隆寛(立命大3年。筆者)、トリマー有馬忠嗣(神戸大4年)、バウ園田亜斗夢(東京大3年)、米田あゆ(東京大3年)の4名で参戦してきました。(レポート・写真提供/小倉隆寛)

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ナント・ユニバーシティー・セーリングカップに出場した日本チーム。立命館大、東京大、神戸大の混成で出場しました

 チームは、2名以上同じ大学でないといけないという規定から私たちは東京大としての出場となりました。今回の出場は大会側から日本セーリング連盟(JSAF)宛に招待状が届いたことからチャンスをいただくことができました。

 JSAF、日本ヨットマッチレース協会(JYMA)のみなさま、ありがとうございます。また、JSAF河野会長からもウェアの支援をしていただくことができ、大変光栄なことと思います。

 レース海面は、現地ナント市郊外の川を使用して行われました。流れが非常に穏やかな場所であったことから川の流れによる影響はほとんど感じなかったものの、岸がとても近く、どの風向であっても陸地の影響をうけ、シフト幅が非常に大きく難しい海面でした。

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当初のラウンドロビン成績

 結果としてはラウンドロビン11位、順位決定戦でも敗れ、最終成績12位です。予選2日目に運営側から予選初日の我々の1勝を取り消すとの通達があり、予選ラウンドロビン終了後に正式に成績変更がなされました。

 結果私たちはラウンドロビン2勝となったのですが、今回のレースでは2勝と3勝では非常に大きな差がありました。3勝だと4チームが3勝で並び、順位決定戦次第で7位までの可能性が残されていたからです。

 問題となったレースではコース変更がなされたのちに、相手チームが正しいコースを帆走したか? というところに論点があったようですが、正式な審問等は行われず、口頭のみの通達であったので我々としては悔しいものとなりました。以下、最終成績です。

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成績変更後、ラウンドロビン成績

 即席チームだったこともあり、大会前3日間の練習ではひたすら動作を固めることに徹しました。準備期間により多くの時間を割くことができたら、と思うところもありますが、東京大メンバーはヨット学連、私はウィンドサーフィン学連の活動・学生マッチの活動等もあり、日本での1日の練習と現地での練習期間に全力を捧げました。

 その結果、準優勝となったチーム相手に1下マーク回航後にタッキングマッチの末追いつき、ダウンウインドで抜かしフィニッシュに向かう等(ペナルティ解消で負けてしまいましたが)チームとして大きな手ごたえを感じたレースがあり、軽風ではウエイトがアンダーな分、スピード負けすることはなくレースを展開することができました。

 それでもやはり、スタートマニューバリングでの戦術・動作、タックジャイブ等では大きな差を感じ、特にスタートでの攻防や、その際ハードに艇をまわすときにおけるチームの意思疎通や技術など、課題が明白に見えた大会となりました。

 今回優勝となったドイツチームは日頃からマッチレースでトレーニングを積んでおり、BMWがスポンサーについて活動しているとのことでした。準優勝のフランス・ナント大のスキッパーであるトムは49erで活動する一方で、フランスでのマッチレース学生チャンピオンだと言っていました。

 彼らのように、ユース世代がマッチレースに集中して同じメンバー・チームで活動する環境があることや、ディンギーで高いレベルで活動しながら、マッチレースでもトレーニングを積んでいることは、海外選手特有の幅広い活動の仕方であるといえるかも知れません。

 また、大会後に知って驚いたのですが、前入り練習期間から面倒を見ていただいた大会主催者Luc Pillot氏は、470級オリンピックメダリスト(ソウル五輪金、ロス五輪銅)でした。大変お世話になり、感謝を伝えたいと思います。

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多くのことを学んだ海外マッチ体験となりました。これからのセーリングの糧にして、今後の活動を楽しみにしています!(BHM編集部)

今回の出場と今後の活動

 スキッパーの私小倉は、3月6〜8日に和歌山で開催されたウィンドサーフィンでのインカレ団体戦に出場したのち、3月13〜15日に開催された学生マッチにO-Sailingのスキッパーとして出場することをきっかけにマッチレースでの活動をはじめ、学生マッチ(大学対抗&U25マッチ)の流れから今回のナント・ユニバーシティー・セーリングカップ出場となりました。

 まだまだこれからトレーニングを積んでいく必要なことばかりなのが現状ではありますが、早い段階で海外レースを経験したいと考えていました。

 同世代の海外セーラーたちはどんな活動をしているのか、どんなレベルなのか、これから自分たちが目指すべきところはどこなのかを知りたいという思いからでした。

 その思いから、学生マッチでも吉田工作さんをはじめ、先輩方にクルーとして脇を固めていただくこともできました。国内ユーストップチームの月光ボーイズの方々を直に見ることができたことも良い経験であったと思います。

 今後は、学生マッチを通して知り合った仲間たちとチームを組んでトレーニングを積み、国内国外を問わず精力的に活動し海外レースも多く経験したいと考えています。

 そういった繋がりができた点でも学生マッチはとても有意義なものでした。私個人としては、マッチレース・キールボートの世界で腕を磨き世界で戦えるレーサーを目指していきます。ぜひとも応援・ご指導のほどよろしくお願いいたします。

小倉隆寛 https://www.facebook.com/takahiro.ogura.750

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