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日本代表選考、プリンセスソフィア杯開幕!

 3月30日、バルクヘッドマガジン編集部は、パルマ・デ・マヨルカで開催される「プリンセスソフィア杯」を取材するため、スペイン地中海のバレアレス諸島にあるマヨルカ島へやってきました。パルマ・デ・マヨルカは、マヨルカ島の中心都市の名前です。ヨットレースでは、このプリンセスソフィア杯、そして夏に開催されるコパ・デル・レイが世界的に知られています。(BHM編集部)

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プリンセスソフィア初日。強烈なガストが襲ったナクラ17では、レース艇の半分以上が一気に沈。日本の後藤浩紀/田畑和歌子もディスマストする鮮烈な幕開けとなりました。photo by Junichi Hirai

 プリンセスソフィア杯は、1968年にドラゴン級の大会としてはじまりました。大会名のプリンセスソフィアとは、セーラーとして知られるスペイン王室のソフィア王妃のこと。1974年からオリンピック種目を含めた複数種目で開催されることになり、1990年代まではスナイプ級も正式種目でしたが、2009年のドラゴン級を最後に完全なオリンピック種目のイベントになりました。

 しかし、2015年度から参加艇が限定され少数精鋭の大会となった「ISAFセーリングワールドカップ」の流れから、プリンセスソフィア杯はイチ早くはずれました。その理由は、昨年スポンサーが集まらず、低予算大会となってしまったこともあり、さらにワールドカップの規定で参加艇数が少なくなってしまってはイベントを継続できません。

 プリンセスソフィア杯は、ISAFの流れから抜けることで、ふたたびドラゴン級を呼び戻し、さらに「IBEROSTAR」というリゾートホテルをメインスポンサーに迎えることに成功しました。さらに、ワールドカップの予選という位置づけになったために参加艇数が増加。65カ国1200以上の選手が集まる巨大なセーリングイベントとして継続されています。

 本大会で採用されている種目は、オリンピック10種目、カイトボーディング、パラリンピック艇種の2.4mR級、ドラゴン級です。これを3つのヨットクラブ、8つのレース海面でおこないます。

 バルクヘッドマガジンでお伝えした通り、この大会はリオ五輪の日本代表選考を兼ねています。対象種目は、日本が出場国枠を獲得しているRS:X級男子と470級男女。RS:X級男子は、1月マイアミ大会が第一次選考となり、このプリンセスソフィア杯の結果で日本代表(内定)が決定します。

◎プリンセスソフィア杯の見どころ
『RS:X級男子のリオ五輪日本代表決定』
『470級男子、女子の日本代表第一次選考』

 470級男女の代表選考は、このプリンセスソフィア杯と6月後半からデンマークで開催される「470級ヨーロッパ選手権」で、2大会の成績から日本代表を選考することになっています。JSAFオリンピック強化委員会が定めた選考方法は、こちらをご覧ください(得点方式(http://jsaf-osc.jp/_userdata/2016_RioOlympic_Scoring_K.pdf)。

 プリンセスソフィア杯大会初日は、各クラス予選がはじまりました。極端すぎるほどのガスティーな風の中でレースがおこなわれました。470級男子の市野直毅のクルーは外薗潤平から長谷川孝に変更されています。※正式発表ではありませんが、クルーを変更し、直前にエントリーした市野/長谷川はJSAFオリンピック強化委員会にクルー変更が認められず、「選考対象外」であることが、JSAFオリンピック強化委員会のウエブサイト(デイリーレポート)に記されています。

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リオ五輪日本代表が掛かるRS:X級男子。ISAFワールドカップ・マイアミ大会で20位を獲得した富澤 慎がリードして最終選考が始まりました。photo by Junichi Hirai

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富澤に対抗するのは板庇雄馬。マイアミ大会ではマストを折るトラブルで53位に。大きく差を広げられていますが、最後のチャンスに掛けます。photo by Junichi Hirai

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ナクラを襲った強烈ガスト。ボートがぶっとび、選手も飛んでいきました。photo by Junichi Hirai

RS:X級男子
9. 富澤 慎(トヨタ自動車東日本) 5 5p
42. 板庇雄馬(立命館大学) DNC 42p

470級男子
13. 松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド) 7 7p
27. 土居一斗/今村公彦(チームアビーム) 14 14p
31. 市野直毅/長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン) 16 16p
49. 飯束潮吹/八山慎司(エス・ピー・ネットワーク) 25 25p

470級女子
4. 吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス) 3-4 7p
12. 山口祥世/畑山絵里(ノエビア) 6-6 12p

レーザーラジアル級
37. 土居愛実(慶応義塾大学) 22-19 37p
89. 冨部柚三子(レーザー江の島フリート) 47-41 88p

レーザー級
97. 安田真之助(宮津高等学校・教員) 33 33p
139. 瀬川和正(鳥取県セーリング連盟) 47 47p

RS:X級女子
15. 須長由季(ミキハウス) 8 8p
31. 小嶺恵美 16 16p

49er級
20. 牧野幸雄/高橋賢次(トヨタ自動車東日本) 15-8 23p

ナクラ17級
44. 後藤 浩紀/田畑 和歌子(SAILFAST・チームアビーム)DNF-DNC 58p

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470級女子に出場する山口祥世/畑山絵里は海外レース初参戦が日本代表選考に挑戦します。大会初日は6-6位で12位と好位置につけました。photo by Junichi Hirai

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49er級の牧野/高橋。4月に開催されるワールドカップ・イエール大会に出場するためには、この大会で残った10数チーム分の出場枠を勝ち取らなければなりません。photo by Junichi Hirai

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風は吹いたものの強弱が激しすぎてコンディションが定まらず、多くのクラスが1レース成立に終わりました。午後からおこなわれた470級男子は、海上待機が長く帰着したのは18時過ぎ。1日が長いので体調管理も重要です。phtoo by Junichi Hirai


レース直前選手インタビュー。牧野幸雄、富澤 慎、土居一斗、山口祥世、吉田雄悟、土居愛実、後藤浩紀、市野直毅のインタビューがあります。映像:デイリーセーリング

◎46 TROFEO S.A.R. PRINCESA SOFÍA
http://www.trofeoprincesasofia.org/

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