OPナショナルチーム選考3日目レポート
江の島で開催されている「2015年JODAナショナルチーム選考」。4日間のレースは、折り返しの3日目を迎えました。ここまで行われたレース数は5レース。できる限りのレースを行い、捨てレースが増えることによる順位の変動が気になってくる頃です。10レースで2カットの本レースでは、今日何レース消化できるかによって最終日の状況が変わってきます。そんな気持ちが渦巻く中、3日目がスタートしました。(文/大会実行委員会)
前日の十分見極めてからの出艇とは対照的に、今日は北風が弱いものの吹き続けており、少しでも早く出艇してレースの数をこなしたいとの思いを受けて、予定通り9時に出艇しました。
レース海面のセッティングが行われ、一度はスタートを試みるもゼネラルリコール。その後大きく風が振れ始めAP旗が掲揚され、ここから、自然との長い我慢比べが始まりました。
長い長い風待ちで始まった選考3日目。風は北東から南へまわってレースが始まりました。photo by Jnuichi Hirai
少し風が吹いてきたと思うと、それは長く続かず、さらに強さも安定せずに、レースが出来る状態にはなりません。そうしているうちに東に大きく風が変わり、しばらく東の風が吹き続けることになります。
しかし、この東風は強さと時間が不安定で、吹いてはいるものの安定するまで「じっと我慢」の時間となりました。本部船がL旗の掲揚とともに移動し、風のあるところを探し求め待つこと3時間以上。途中ではAP/Hで一旦陸上に引き返し風が安定してから出艇という手段もあったと思いますが、吹いてくるまで海上待機の方針を変えずに進めたことが結果的に良い判断でした。
第6レースは12時35分にスタート。風は165度、スタート当初は4m/sありましたが、レース中には2m/sに落ちるなど、気持ち的にも重圧のかかるレースとなりました。1マークをトップで回航したのは桐井航汰選手、続いて谷口美羽選手、池田海人選手と先頭集団を形成します。
風はスタート当初からずいぶんと弱くなり微風のレースに。先頭集団がサイドマークを周り下マークに向かうと、ここで一気にスピードで追い上げてきたのがこのシリーズトップを連発する玉山義規選手です。下マークに到達する頃には一気に6艇を抜き去りトップに。下マークを回航した後には風に合わせセールを再度セットし直すなど、冷静さも持ちながらフィニッシュへと向かいます。
暫定トップに立つ玉山義規選手。photo by Jnuichi Hirai
他を寄せ付けないボートスピードを保ったまま玉山選手が1位。抜かれはしたもののその後のフィニッシュまでのコース取りで挽回した桐井選手が2位を納めました。
風が少し右に振れ、安定した真南の風軸となり第7レースがスタートしました。風は依然3m/sに届くかどうかの弱い中、体重の重い選手には精神的にきついレースとなりました。
このレース、各マークダントツのトップで回航しフィニッシュしたのは服部陸太選手です。下マークからフィニッシュまでも大きく右へ左へと風が振れ、強弱も変化する中でうまく後続のフリートを抑えて安定したトップフィニッシュを飾りました。このレースではここまで上位を占めていた選手達もこのレースでは順位を崩した選手も多く、少し波乱のあるレースでした。
第7レースの後、さらに風が弱くなり、APが掲揚され風待ちとなりました。南の風が入る気配が徐々に消え始め、すべての風がなくなると思いきや、東や西から風が入り始め、一旦海上は様々な方向からの風の混乱状態に。
いよいよ今日のレースは終了かと思ったところに、北から強い風が入ってきます。海面から北に位置する江の島ヨットハーバーの風力計は北の風9mを記録しており、その風が一気にレース海面に降りてきました。16時10分スタートライン設定が完了しオレンジ旗が掲揚。日没を考えるとこの日レースができるラストチャンスにU旗掲揚で16時20分スタート。北風の順風が吹く中で本日の最終レースが行われました。
吹き上がった最終レース、1上マークをトップ回航する村瀬選手。photo by Jnuichi Hirai
1マークをトップで回航したのは、村瀬也海選手です。今までの微軽風下の鬱憤を晴らすかのような素晴らしい走りを披露。その後に順風で素晴らしいボートスピードを見せる選手たちが後に続きました。
ある程度吹けば圧倒的な速さを誇る、2014年全日本チャンピオンの倉橋直暉選手が最終レグで見事に抜き去り、トップフィニッシュ。ここで順位をぐっと上げてきました。
フリートを従えて走る倉橋選手。photo by Jnuichi Hirai
3日間を終わって8レースを消化し、1レースのカットレースを含めた順位表は下記の通りです。本日圧倒的な安定度で順位を上げたのは総合2位の服部陸太選手。また、昨日から引き続いて勢いに乗る内貴航路朗選手も総合3位にあげてきました。
上位5人が日本代表選手として8月にポーランドで行われる世界選手権の切符を手にします。残り1日となった最終選考会ですが、あと2レース行われればカットレースがひとつ増え、また順位の入れ替わりが行われるようになります。
ヨット界の未来を熱くする子どもたちは今夜どのような夢を見るのでしょうか。24日、子どもたちのすべてを掛けた一年間の集大成が評価されます。
どのOPセーラーにとっても次のステップへのチャンスを手にするのは間違いありません。子どもたちの持つ大きな可能性に期待したいと思います。
最終レースが終わって帰着する頃には夕暮れに。photo by Jnuichi Hirai
◎2015年JODAナショナルチーム選考
http://enoshima-ycj.jp/2015jodafinal/
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