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より実力主義になったISAFワールドカップ

 バルクヘッドマガジン編集長は葉山に戻り、取材後の整理作業をしています。これはどの大会を取材しても同じなのですが、大会期間は仕事の前半戦のようなもので、記事を書いたり、写真を仕上げる作業が後半戦。こちらは編集部に戻ってからの作業です。だいたい海外出張後の一週間は、じめっとしたデスクワークに追われています。おしりが痛い。(BHM編集部)

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フォトギャラリーにISAF SWC マイアミ大会の写真をアップしました。ぜひ御覧ください。photo by Junichi Hirai

◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
http://junhirai.photoshelter.com/

東京五輪へ向けて知っておきたいワールドカップのシステム

 さて、今回のISAFセーリングワールドカップ(SWC)・マイアミ大会を取材して、「やっぱり今年から変わるんだな」と実感しました。ワールドカップの年間の流れも、実際に行ってみてつかめた部分もあります。不透明だったクオリファイシステムについて簡単に説明すると…。

 ISAFセーリングワールドカップは、今年から各大会で出場数が限定される年間シリーズに変わりました。最終戦のアブダビ大会はエントリー費不要のファイナルで、各クラス上位20艇で戦いチャンピオンが決まります。

 SWCは、いままでのように手を挙げれば誰でも出られるイベントではありません。出場権利は世界ランキングの上位から順番に与えられ、付随して予選大会が開催されることになります。

2014-15年度 ISAF SAILING WORLD CUP
 12月 豪メルボルン ※開催済
 1月 米マイアミ ※開催済
 4月 仏イエール 40艇 ※予選あり(プリンセスソフィア杯)
 6月 英ウエイマス&ポートランド 40艇 ※予選あり(デルタロイドレガッタ)
 9月 中国青島 40艇
 10月 UAEアブダビ 20艇

SWCイエール大会の出場権利(エントリー40艇に限定される)
(1)2月2日時点のISAFワールドランキング上位30艇は、4月イエール大会の出場権利が与えられる。日本は470級女子の吉田/吉岡、男子の松永/吉田、土居/今村の3チームが権利を獲得。
(2)イエール大会の残り出場枠(各クラス10艇)は、3月スペイン・プリンセスソフィア杯の非権利艇の上位から与えられる。

 この流れは選手のワールドカップの意識を大きく変えるものです。常に上位に入り、世界を転戦するキャンペーンを組めるチームは、安定してハイレベルな土俵に身をおくことができます。うわさでは、昨年までエントリーの少なかった中国青島大会。この大会も、ファイナルのアブダビ戦の直前となるため多数の参加があるのでは? という見方もあります。

 反対に、実力のない選手を排除するワールドカップのシステムは、新人セーラー、そして遠征に不向きな国の選手に厳しくなるのはいうまでもありません。トップセーラー同士はハイレベルな戦いを繰り返しグングンと力を伸ばす環境にあり、それ以外の選手は、平均的に国際大会に出場してランキングをあげるか、予選の一発に賭けるか。トップセーラーが戦うワールドカップの出場権利を得るため、不安定な活動を強いられます。

 先週おこなわれたSWCマイアミ大会は、ランキングをあげるため例年以上の選手が集まりました。来年以降もワールドカップで同じシステムが採用されるなら、今年以上のエントリーを集めるでしょう。

 新ワールドカップのシステムは弱肉強食、より実力主義となったといえます。さらにワールドカップを軸に各国の五輪代表選考も並行しておこなわれていくことになります。

 2020年東京五輪で日本は(過去に習えば)全クラスの出場権利を得ています。となると、どのように日本代表選考がおこなわれるか、それに向かう計画もおぼろげに予想できるわけです。東京五輪を目標にしている選手は、ワールドカップのシステムを知っておくべきでしょう。

◎ISAF SAILING WORLD CUP
http://www.sailing.org/worldcup/home.php

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ワールドカップのメダルは、大会名が変わるだけで大会ごと同じデザインです。日本470協会が制作するメダルのほうが立派でした。photo by Junichi Hirai

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