アブダビ最終戦で吉田/吉岡、銅メダル獲得
11月30日、アラブ首長国連邦アブダビで開催されたISAFワールドカップ最終戦に出場した470級女子の吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス)が、3位銅メダルを獲得。男子の松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)は4位でメダルレースに進みましたがUFDにより失格。総合8位で大会を終えました。(BHM編集部)
ベネッセの吉田愛/吉岡美帆が銅メダルを獲得しました。同チームでは初となるメダル獲得です。おめでとう!
アブダビで初めて開催されるISAFワールドカップ。エントリーをトップセーラーに限定した年間シリーズ最終戦です
この大会は、過去の成績からトップ選手(各クラス20艇)だけで戦うワールドカップ最終戦です。ワールドカップでこのシステムが採用されるのははじめてで、アブダビ開催も初。また、ISAFが推しているカイトボーディングが採用されたこと、また各種目3位まで賞金(1位10000USD、2位6500USD、3位3500USD)があることも注目されました。
しかし、アブダビという場所柄、エントリーが少なかったのも事実で、トップセーラーが出場辞退する例もありました。470級女子は参加11艇、男子は18艇とフルエントリーに至っていません。フルエントリーになったのはカイトボーディングとレーザー男子だけ。「このイベントがファイナルに相応しいか」と聞かれたら、疑問が残るのも確かです。
ただし、日本から出場する470級の2チームは、現地のチャーター艇もあるにもかからず、使い慣れた自艇を持ち込み「少数精鋭のハイレベルなレースで戦う」ことを目的にしています。各種目のエントリーリストを見てみるとトップ選手がほとんど出場しない49er級に比べて、470級男子は、王者オーストラリアをはじめ、クロアチア、ギリシアといった強豪国が出場しています。
今回のワールドカップ最終戦は、種目によって内容が異なる大会だった、といえるかもしれません。この後、スリーボンドとベネッセチームは、アブダビからブラジル・リオデジャネイロに飛んで、トレーニングと現地レースに出場する予定です。
2015年に大きく変わるISAFワールドカップ
オリンピック種目のワールド・サーキット「ISAFワールドカップ」は、これまでヨーロッパ主導型で開催されてきましたが、2年前からワールドカップとは別に欧州限定のEUROSAFチャンピオンセーリングカップが開催されるなど変化してきています。同じく2年前に中国青島大会が開催され、さらに今年からUAEアブダビ最終戦がおこなわれるようになり、ワールドカップは、アジア、中東でも開催されることになりました。
今年9月、ISAFから「2015年のワールドカップはエントリーを限定しておこなう」ことが発表されました。エントリー数は大会ごとに異なり、プリンセスソフィア杯(ESP)、デルタロイドレガッタ(NED)は、それぞれイエール大会(FRA)、ウェイマス大会(GBR)の予選となり、ワールドカップから外れることになります。
この変更が日本のリオ五輪日本代表選考にも大いに影響していて、五輪を目指す選手が日本ナショナルチームに入ったとしても、海外レースで結果を残せない選手はワールドカップに出場できない可能性があり、(すでに国枠を獲得している470男女、RS:X男子の)代表選考の舞台(大会)を決めるJSAFオリンピック強化委員会が頭を悩ませる理由のひとつになっています。
2015年ISAFワールドカップ予定
12月7日〜メルボルン大会
1月24日〜マイアミ大会
4月20日〜イエール大会
6月8日〜ウェイマス大会
10月 青島大会
11月? アブダビ大会
※4月2〜9日 プリンセスソフィア杯(パルマデマヨルカ)はイエールの予選大会となる。
※5月26〜30日 デルタロイドレガッタ(メデンブリック)は、ウェイマス大会の予選となる。
リオ五輪から採用されるナクラ17級で連勝するビリー・ベッソン/マリエ・リオウ(FRA)。本大会も金メダルです
470級男子は、常勝チームアビームのベルチャー/ライアン(AUS)
ISAFはカイトボーディングを東京五輪で採用したい希望があり、ISAFワールドカップの正式種目になっています(東京五輪でメダル数の増加が見込めた場合、カイトの追加採用をISAFはすでに発表しています)。この種目を採用したい理由は、ISAFが五輪種目からセーリング競技が外されるのを危惧しているためです。アクションが派手でテレビ放映で視聴者受けしそうなカイトボーディングは、五輪で生き残るためのISAFが考える「最後の砦」となっています。今後、カイトボーディングの動向にも注目です
◎ISAF Sailing World Cup Final Abu Dhabi
http://adsyc.ae/swcfinal/en/index.php
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