曇天雨の予選シリーズ。全日本470開幕
11月20日、神奈川県藤沢市江の島で「第43回全日本470級選手権」「第25回全日本女子470級選手権」が開幕しました。国内で注目度の高い全日本470。本大会には全国の水域予選を勝ち抜いた89艇がエントリーしています。(BHM編集部)
曇天、北風で第1レースがスタート。レース委員会はスタート準備信号に最初からI旗を掲揚。大会初日におこなわれた3レースともスムースにスタートしました。photo by Junichi Hirai
バルクヘッド読者はご存知のように、470級はオリンピック・セーリング種目(10種目)のひとつで、国内では国体、インカレで採用される人気の高いクラスです。日本の水準は世界的に見ても高く、今年9月に開催されたスペイン世界選手権では、男子の松永/吉田が6位、土居/今村は9位、女子の吉田/吉岡は8位と、ジャパン旋風を巻き起こしました。
470級は五輪と直結する種目ゆえに社会人チームの活躍がめざましく、その先にオリンピックという大舞台を視野に入れて活動している選手が多いという特長があります。2020年東京五輪が決まり、国内活動がジワジワと活性化している現状があり、選手たちの今後の動向にも注目が集まっています。
さて、バルクヘッドマガジンが注目している本大会のポイントは…。
過去最大級16チーム参戦!次世代女子の熾烈な戦い
いま日本470では、北京、ロンドン五輪代表、吉田愛(ベネッセ)という世界が認める実力選手の後を継ぐ、次世代女子選手が求められています。昨年、男子を抑えて2度めの全日本チャンピオンに輝いた彼女を乗り越えるには高いハードルがあるのも事実で、ロンドン五輪以降、ライバルとなる女子チームは不在。しかし、今回女子チームが16チームも出場したことは明るい未来を予感させます。東京五輪を目標に活動するチームもあり、本大会の結果もそうですが今後の活動にも注目が集まります。
松永/吉田 vs 土居/今村の頂上決戦
本人たちの考えはいざしらず、いま日本で最も高いレベルにあるスリーボンドとチームアビームの戦いは、本大会の注目点といえます。今年の国際大会の結果は、スリーボンドが一歩リード。北京五輪代表(松永)とロンドン五輪代表(吉田)コンビの安定感はずば抜けています。対して、若干22歳にして世界9位という快挙を遂げた土居一斗の潜在能力は、誰もが認める所。夏以降、一皮むけてスピードがアップしたというチームアビームと、ベテラン・スリーボンドの対決は見ものです。
ナショナルチーム(NT)選考レースの前哨戦
今回の470全日本は、リオ五輪の代表選考に大きく関係します。先の世界選手権でリオ五輪出場国枠を獲得している470級は、12月に国内選考がおこなわれますが、すでに2015年NT権利を有する松永/吉田は選考レースを不参加の予定(同じく女子の吉田/吉岡も不参加)。となると、2番手以下は同じスタートラインに並び同一条件で選考がおこなわれます。本大会の上位に入るチームは、当然、ナショナルチーム→リオ五輪日本代表を狙っています。この全日本470は、ナショナルチーム選考の前哨、力量をはかる重要な機会でもあります。
NTをおびやかす学生選手はあらわれるのか?
エントリーリストを見ると学生選手の出場が大半。この背景には、来年江の島で開催される全日本インカレを見据えて出場している、ということが分かります。学生選手のなかでも、インカレ以上を目指す選手は本大会で上位に入ってくるでしょう。また、ヨット部を引退したばかりの4年生スキッパー、磯崎哲也(日本経済大)、中村睦宏(日本大)、早稲田大の現役3年の小泉颯作、1年の岡田奎樹といった学生超の選手がどこまで活躍するかも注目です。
上記のようなポイントを踏まえて今年の470全日本を観戦すると面白いかもしれません。
11月20日、大会初日の江の島は曇りから雨。10ノットオーバーの北東風が安定して吹き、予選3レースがおこなわれました。本大会は予選5レース、(上位・下位グループにわかれて)決勝6レース、そして最終日には上位10艇によるメダルレースがおこなわれます。バルクヘッドマガジンでは全日程をレポートします。おたのしみに!
◎全日本470選手権ウエブサイト(ツイッター・フェイスブックで速報あり)
http://470alljpn.wix.com/2014
予選シリーズはレース委員会が決定したグループ分けで2グループに分かれておこなわれます。いい風が吹いた初日はナショナルチーム級の社会人チームが上位に入る順当な結果に。写真中央は初日3レース1位の土居/今村。photo by Junichi Hirai
注目の次世代女子チーム、本年度よりキャンペーンを開始したノエビアチームの山口祥世/畑山絵里。大会初日暫定18位(女子2位)につけています。photo by Junichi Hirai
日経大の現役、山本佑莉と早稲田大(ノエビア)所属の永松瀬羅は大学間の垣根を越えて出場しています。photo by Junichi Hirai
波田地由佳/板倉広佳(ガルフネット/日通システム)。明海大卒の波田地は五輪を視野に活動するガルフネットに所属しています。photo by Junichi Hirai
こちらは女子高生コンビ、田中美紗樹/高野芹奈(関西大学第一高)。アジア大会420級女子の日本代表で、現在高校2年生です。photo by Junichi Hirai
大会初日、レセプションパーティーが江の島ヨットハーバー2階で開催されました。ヨット専門のクイズ大会やダンス、腕相撲大会など盛り上がりました。司会をするのはスナイプ全日本チャンピオン・クルーの鈴木恵詞さんです。photo by Junichi Hirai
全日本470大会初日ダイジェスト映像。飯束選手(SPN)、中村選手(日本大学)、河合選手(三井住友海上火災保険)、山口選手(NOEVIR)のインタビューがあります。映像提供:デイリーセーリング
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