異種格闘戦32艇!猪苗代湖志田浜オープン
8月30日、31日、福島県猪苗代湖志田浜で「第4回猪苗代湖志田浜オープンヨットレース」が32艇を集めて開催されました。(レポート・写真提供/Int14協会 藤井義久)
猪苗代湖で開催されたオープンヨットレースに32艇が参加しました。写真は第3レースのスタート
猪苗代湖の名物ヨットレースを受け継ぐ
1984年に始まり、27年続いた猪苗代国際オープンヨットレースは、東日本大震災で猪苗代町からの協賛金が無くなったことで途絶えてしまいました。
そこで、長年継続してきた猪苗代湖のイベントを絶やしてはならないとの強い意志から、地元猪苗代湖志田浜で活動している郡山ヨットクラブのメンバーが中心となり、震災の年の8月に21艇を集めて、猪苗代湖志田浜オープンヨットレースに名を変えて見事復活させたのです。
今回で4回目となり、地元のセーラーに加え、北関東〜東北地区で活動するシングルハンド、ホビー16、インターナショナル(Int)14、いわき開成高校、加茂水産高校の各ヨット部、など過去最高の32艇のメンバーが集いました。
8月の後半から、全国的に天候が不安定で、レース当日の天気予報にも雨マークがついており、心配されましたが30日は朝から青空が広がり、湖面にはさわやかな風が吹きわたる絶好のコンディションとなりました。
郡山方面から猪苗代湖に吹き込む風道上にコースが設定され、第1レースがスタート。平均すると5メートルの順風ですが、3〜7メートル、風向で30度程度に触れる不安定な風でタクティクスが要求されるコンディションです。
スタート良く飛び出したレーザー各艇が、その後もうまく風を拾い、着順では高速艇には勝てないものの、修正タイムで佐藤勝則艇、佐藤浩行艇、佐藤正志艇、斎藤隆士艇がそれぞれ1〜3、5位となりました。
第2レース、第3レースは6年ぶりのコンビで出場したInt14の藤井・石田組が、ようやく志田浜沖の風の癖も思い出し、スタートから飛び出して他を圧倒しました。波の無い湖面は高速艇にはとって絶好のステージです。第2レースではシーホッパーの嵯峨艇が2位に入り、第3レースでは磐城の高校生、濱松郁美選手が4位に入る健闘を見せました。
3レースを終わって、Int14の藤井艇をレーザーの佐藤勝則選手と佐藤浩行選手が5ポイント差で追う展開となりました。高校生の部でもいわき開成高校の森口壱成選手を濱松選手が2点差で追う大混戦です。
3チームが参加の高速艇ホビー16は、この風域ではどうしてもその特徴が生かせません。もう少し風が欲しいところです。
初日の夜は、志田浜でヨット置き場を提供いただいているゼビオグループのホテル、レイクサイド磐光でウエルカムパーティーが行われました。パーティーではゼビオグループの杉浦副社長様から、これからも志田浜でのセーリングを今後ますます盛り上げていただけるとのうれしいお言葉をいただき、温泉招待券を多数頂戴しました。
そして、恒例の各フリート毎の紹介合戦や猪苗代湖のすばらしいセーリング環境の話題で盛り上がりました。大方のメンバーは志田浜にキャンプを設営し、深夜まで懇親を深めました。
湖に青空が広がり、大小さまざまなディンギーが大接戦
2日目も朝から猪苗代湖に青空が広がりました。第4レースは昨晩のアルコールも程良く残る中、9時20分スタート。3〜5メートルと昨日よりはやや風が落ちましたが、やはりよく振れるトリッキーなコンディションです。
下マーク付近は下有利、上マーク付近は上有利の難しいスタートとなりましたが、2日目から真新しい470で参加の斎藤道明・佐藤純一組(いわき開成の先生)が下から抜群のスタートで、1上までフリートをリードしました。
上位のシングルの戦いは壮絶です。第4レースを終わり佐藤勝則選手がわずかに抜け出し。斎藤隆士選手が4点差で続きます。この時点ではだれも知りませんでしたが、14の藤井・石田艇が第5レースを残して総合優勝を決めました。ちょっとYN(ヤードスティックナンバー。他艇種で競うディンギーレースのハンディキャップ)が甘いかも…。
最終レースも下有利で470斎藤艇、14の藤井艇、シカーラ高田、金井艇が抜群のスタートを決めました。このレース高田艇は4位と大健闘。道明先生も5位に入り元学連でならした片鱗を見せてくれました。
混戦のシングルでは、山形県加茂水産高校の顧問の佐藤勝則選手が2位となり総合2位。群馬県から参加の元郡山ヨットクラブメンバーの斎藤隆士選手が3位に入り総合3位となりました。
高校生の部では濱松郁美選手が、森口壱成選手にわずか1点差で競り勝って優勝を手にしました。彼女は先に唐津で行われたレーザー4.7ワールドにも参加していました。3位には加茂水産の奥山祥選手が入りました。
レース初参加のいわき開成高校1年の佐藤颯夏選手は、毎レースがんばるものの4レースを終わってすべてタイムリミットでDNF。しかし、最終第5レースついにフィニッシュしてブービー賞に輝きました。
レース委員長が選ぶ第4回志田浜オープンのあっぱれ賞は、長年参加し続けて、初めて沈せずに全レースを走りきった29erの佐原・内田組に与えられました。おめでとうございます。
レース終了後は、ジュニアチームの父兄の方々による昼食が全員に振る舞われ、レース終了後もうれしいこと満載の大会運営でした。ごちそうさまです。
来年の夏も猪苗代湖で会いましょう!
以上、皆さんの真剣にレースに臨む雰囲気をレポート上には醸し出してみましたが、実際は和気あいあいとした、猪苗代の大自然をセーリングで楽しもうという、皆の笑顔にあふれた大会でした。
筆者は、1985年に初めて猪苗代湖でレースに参加し、猪苗代湖の美しい自然に魅せられ、江の島から通い続けて今回がちょうど30年目の猪苗代湖でのレースとなります。この年に優勝できてとても記憶に残るレースになりました。クルーの石田君にも感謝いたします。
そして、レースを企画運営いただいた、郡山ヨットクラブを始め地元セーラーの皆様、2日間、運営陣や選手においしい食事を提供下さったジュニアチームのお母様方、各地から参加してこのレースを盛り上げていただいた皆様、開催地を提供いただいたゼビオグループに“ありがとう”を言いたいと思います。
来年の第5回も今年以上に盛り上がることを確信しています。
======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
リスクマネジメント・アルファ
ベイトリップ セーリング
ポール・スチュアート
ベストウインド
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
入船鋼材
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
Velocitek
銚子マリーナ
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ