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ワイレア逆転勝利!全日本ミドル最終日

 7月21日、洲本サントピアマリーナで開催された全日本ミドルボート選手権最終日。初日、2日目と弱い風に悩まされた本シリーズ。しかし、選手、運営の祈りが通じたのか、最終日は朝から南東の風が安定して吹き、絶好のセーリングコンディションのなか3レースがおこなわれました。(BHM編集部)

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絶好の風が吹いた全日本ミドル最終日。前日とは違う潮の影響もありゼネリコが目立ちました。photo by Junichi Hirai

 レースは定刻通りに始まりましたが、勢い込んだ出場艇はゼネリコを繰り返し、なかなかスタートできません。風は10〜12ノット。スタートは5回目にようやく成功して注目の最終日が始まりました。

 前日までの得意風域で怒涛の勢いを見せる〈JUST EIGHT〉ですが、最終日の戦いは冴えません。第4レースで9位と失点を増やすと第5レースではスピネーカートラブルもあり大きく失速してしまいます。

 反対に、風を得て息を吹き返したのがX35軍団です。〈DESSE〉〈WAILEA〉〈CHOVE CHUVA〉が、先頭を走るメルジェス32に喰らいつき快走を見せました。最終レース直前の上位成績は、

1. WAILEA 11点
2. CHOVE CHUVA 11点
3. JUST EIGHT 14点
4. SWING 14点

 数字上は〈WAILEA〉〈CHOVE CHUVA〉の同点勝負ですが、風次第では軽風を得意とする〈JUST EIGHT〉(FARR36)、風によっては〈SWING〉(MELGES32)の逆転もありえる緊迫した展開です。

 最終レースでは、同型艇の〈WAILEA〉〈CHOVE CHUVA〉がほぼ並んで上マークを回航。わずかに先行した〈WAILEA〉が〈CHOVE CHUVA〉を押さえるカタチでレースが進行します。

 先行逃げ切りを成功させたい〈JUST EIGHT〉、〈SWING〉は、リードを広げられず。巧みに相手艇を抑えながらフィニッシュラインを切った〈WAILEA〉が僅差の戦いを制しました。上位チームの最終成績は次のとおりです。

全日本ミドルボート選手権 最終成績
1. WAILEA(X35OD)13.0点
2. CHOVE CHUVA(X35OD)14.0点
3. JUST EIGHT(FARR36M)18.0点
4. SWING(MELGES32)21.0点
5. DESSE(X35)22.5点
6. AGNES(YAMAHA33S)42.0点

 Aクラス優勝は〈WAILEA〉、Bクラス〈AGNES〉、総合優勝は〈WAILEA〉となりました。〈WAILEA〉は2年ぶり3度目の優勝です。

「初日、2日目の苦手風域を我慢して走れたのがよかった。昨年負けて、今年はこの全日本ミドルを目標にして活動してきただけにうれしい勝利です。ヘルムスマンはいつものように落ち着いて走れるように心がけていました。最初の優勝(2011年大会)からほぼ同じメンバーで戦えているのもチームの強みだと思います」(濱口仁オーナー/ヘルムスマン)

 本大会では、当初より風が弱い海面での戦いになると予想されていただけに、各チームとも微風対策をしていました。〈WAILEA〉ではライトジェノアよりも軽量化したスーパーライトジェノアを用意。とはいえ、微軽風仕様ともいえる〈JUST EIGHT〉、軽排水量のメルジェス32と比べて重量級といえるX35が勝利した理由は、普段からハイレベルなセーリングを突き詰めてトレーニングしている証拠といえるでしょう。

 濱口オーナー、赤井昌之ボースン、吉田工作タクティシャン、また、現役大学生も在籍する若手中心の〈WAILEA〉クルーが一丸となって勝ち取ったタイトルです。おめでとうございます!

 日本で最も熱気を帯びるキールボートレース「全日本ミドルボート選手権」が幕を閉じました。弱い風と潮に翻弄された本大会ですが、サントピアマリーナの大きな協力の下、実行委員会のすばらしい段取りとパーティイベント、風が弱いながらもうまく運営したレース委員会は、全日本にふさわしい大会を選手に提供してくれたと思います。

 来年の全日本ミドルボート選手権の開催地は決定していませんが、大会期間中に開催されたオーナーズミーティングでは、九州、東海が候補にあがっているとのこと。来年もこのままX35の勢いは継続されるのか? またミドルボート界にあらたな刺客があらわれるのか? 2015年の全日本ミドルボート選手権がいまから楽しみです。

2014全日本ミドルボート選手権
http://sports.geocities.jp/middleboat_japan/

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昨年のX35全日本、春の関西ミドルを制した〈CHOVE CHUVA〉。全日本ミドルは1点差の準優勝となりました。photo by Junichi Hirai

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序盤しんどい戦いを強いられながらBクラス優勝を決めた〈AGNES〉(YAMAHA33S)。photo by Junichi Hirai

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最終日になってようやくエンジンの掛かった〈DESSE〉(X35)。最終日1位-8位-1位。photo by Junichi Hirai

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念願の全日本ミドル優勝奪還を決めた〈WAILEA〉。次は10月に開催されるX35全日本選手権優勝が目標です。photo by Junichi Hirai


最終日ダイジェスト。映像:レイラインメディア

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2014全日本ミドルボート選手権総合成績

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