6月22日まで江の島で開催された「江の島オリンピックィーク」。最終日となった22日は朝から雨、風なし。陸上待機後、49er級、49erFX級だけが岸寄りの弱いブローのなかでレースが開始されました。その後、昼過ぎから北東風が吹き出し、残った全艇が出艇して１レースをおこないました。（BHM編集部）

オリンピック女子ひとり乗り種目であり、ユース選手の世界最高峰レース「ISAFユースワールド」で採用されるレーザーラジアル級。photo by Junichi Hirai

　470級は圧倒的な力を見せつけ、2位をカットレースに全レーストップを飾った松永／吉田が優勝。レーザー級は韓国から遠征したユース選手、Lee Jinwan、ラジアル級は欧州選手権から戻ったばかりの土居愛実、唐津世界選手権を控えた4.7級は杉浦涼斗。５艇が出場した49er級はナショナルチームの牧野／高橋、オープンクラスで開催された49erFX級は宮川／多田が優勝しました。

　各クラスともナショナルチームが順当に上位を占める結果となりました。特に470級男子は松永／今村が一歩リードしている現状を明確にあらわした結果となり、彼らを追うチームの巻き返しが期待されます。

　また、ユース選手が中心となるレーザー4.7級にはワールド効果もあり25艇が出場。また体格のある高校生はラジアル級にエントリーしていました。日本でも世界のユース・スタンダード種目がようやく根付いてきたようです。日本の次世代選手の活躍が期待されます。

8月佐賀県唐津で世界選手権が開催されるレーザー4.7級。国内ではOP級からのステップアップ艇種にあたります。photo by Junichi Hirai

49er級優勝の牧野／高橋。「上半期の欧州遠征でいい感触を掴んできました。イエールの後でマストを代え、先日のウエイマス（セールフォーゴールド）では強豪のGBRチームと走っても遜色ない走りができました。あとは国際大会の場でどう活かせるか、です。凹凸のある成績も安定させたい。7月はフィンランドの49er欧州選手権に行ってきます」（高橋）。photo by Junichi Hirai

ラジアル級2位の北村勇一朗（関東学院大1年）。ヨット部に在籍していますが、シングルハンドで五輪を目指して活動しています。「スタンダードクラスで戦うために体重を5kg増やしたいと思っていて、学校のジムで週4日のウエイトトレーニングをしています。夏はオーストラリア・パースの合宿練習。今年12月のナショナルチーム選考を目標にしています」。photo by Junichi Hirai

福岡で開催されたこともありましたが、江の島に固定されて10年以上が経ったオリンピックウィーク。新しい江の島ヨットハーバーで開催された初の国際大会となりました。photo by Junichi Hirai

大会初日は吹き上がった風で走れないチームもいましたが、2日目は微軽風のなかで4レースを消化した49er級。49erFX級と同時スタートでおこなわれました。49er級の国内大会は実質このオリンピックウィークと全日本選手権のみ。牧野／高橋以外は五輪を目指して活動するチームはいません。東京五輪へ向け新チームの登場が待たれます。photo by Junichi Hirai

雨ベタで陸上待機するシングルハンドクラス。午後から北東風の風が吹き始め、タイムリミットぎりぎりで1レースをおこないました。photo by Junichi Hirai

関東選手権を兼ねたレーザー級スタンダード。かつて150艇以上も集まったレーザー関東選手権ですが、近年のスタンダード離れもあり全9艇のさみしいスタートとなりました。photo by Junichi Hirai

5月オランダ・デルタロイドレガッタで3位入賞した土居愛実。慶応大・環境情報学部に在籍する彼女は、学業と並行してオリンピック・キャンペーンをしています。「まずは9月のサンタンデールで国枠を取りたい。正直に言うと早く代表を決めて落ち着きたい、という気持ちもあります（国枠をとった場合、日本代表は2015年に確定します）。今年の海外遠征で強風でも走れる自信がつきました。でもメダル争いをするトップ選手とは、まだ二段階ぐらい差があります。その差を埋めていきたいです。7月はテストがあるので学校に行きます」。photo by Junichi Hirai

470級は松永／吉田が圧勝。スタート〜上マーク間、約1800mのロングコースとなった最終レースでは一人旅を決めました。上マーク回航前にこの笑顔です。「今回は上出来の内容でした。初めてオリンピックウィークで優勝したのは2004年になります。アテネ五輪で銅メダルを取った関／轟チームに勝って「銀メダル以上の価値がある」と喜んでいたのを思い出しました（笑）。あれから10年も乗ってるんですね。今年の上半期の海外遠征でだいぶ力がついたと思っています。特に先日のサンタンデールのトレーニングレースでは、いい感触を持てました。夏はブラジル・リオで開催されるテストイベントに遠征します」（松永）。photo by Junichi Hirai

◎江の島オリンピックウィーク
http://eow2014.jimdo.com/

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