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江の島・関東実業団ヨット選手権レポート

 記念すべき「第60回関東実業団ヨット選手権」が、6月7、8日に江の島ヨットハーバー沖で開催されました。470級は実業団ヨット選手権と関東470予選、関東マスターズ選手権の3大会を兼ねていて、2日間の4レースを合計73艇(社会人12艇、マスターズ3艇)で競い合いました。(レポート/日立製作所ヨット部)

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大会両日とも雨で視界悪く、初日は強風、2日目は風弱く、陸上待機で始まりました

関東470予選と併催。73艇によるビッグフリート

 大会初日は、前日から降り続いた雨の影響で海上の視界が悪く、午前中はハーバー待機を強いられました。スナイプ級が早々にレース中止を決定したため、470級の選手には非常にツライ待機時間でした。結局、ガスが若干晴れ始めた11時から開会式、その後正午に出艇となり、北〜北北東の6〜8m/sの振るの風の中、2レースが行われました。

 筆者の日立チーム(赤)のディビジョンでは、2レースとも原田龍之介/田口西(長崎県セーリング連盟)と斉藤航/中澤大三郎(日立製作所ヨット部)の勝負となり、1上、2上、フィニッシュラインで順位が入れ替わる激しい展開に。

 特に1レース目では、フィニッシュラインの運営艇バウ先1艇身で原田/田口が斉藤/中澤を風上からかわしてフィニッシュする劇的な幕切れでした。

 もう一方のディビジョンでは、リオ五輪に向けて活動中の飯束潮吹/八山慎司(SPN)が前評判通り2レースともトップフィニッシュを果たしました。

 大会2日目もあいにくの雨のコンディションの中での出艇。海上では、風が不安定な状態がつづき、風があるもののしばらくAPが上がったままの状態が続きました。

 初日2レースを消化して、現在1位は、同率で両レーストップの飯束潮吹/八山慎司(SPN)と原田龍之介/田口西(長崎県セーリング連盟)。そのほか上位には、今年から社会人として本格的に活動をしている山口祥世/小林心(NOEVIR/明海大学)や斉藤航/中澤大三郎(日立製作所ヨット部)など社会人セーラーが続く展開となっています。

 さてレースに戻ります。ようやく、0度の風でマークを設定し、第3レースのスタート。1上マークまでは、中間トラピーズの風域(3〜4m)であるものの、徐々に風速が落ち、最終的にレース短縮となりました。ここでも飯束潮吹/八山慎司(SPN)は硬く、1位でフィニッシュ。この時点、社会人、学生ともに上位を走る顔ぶれは変わりません。

 約1時間の海上待機をした後、風速2〜3mの風が220度より入り、第4レースのスタート。最初のディビジョン(赤・黄)では、近藤康史/木村俊介(明治大学OB)が下1でスタートを決め、1艇頭をだし、そのままリードを保ったままトップフィニッシュ。2位には、斉藤航/中澤大三郎(日立製作所ヨット部)が続きます。もう一方のディビジョン(青・緑)では、飯束潮吹/八山慎司(SPN)がトップホーンを鳴らします。

 4レース終わった時点で、風がピタリと止み、海上は鏡とかし、今大会が終了しました。終わってみれば、飯束潮吹/八山慎司(SPN)が全レース1位で大会優勝を果たしました。

 8月の本戦では、学生の成長が社会人をどれほど苦しめるのか、実に楽しみであり、今後470の動向からますます目が離せそうにありません。

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470級優勝の飯束/八山(SPN)

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470級成績(赤枠部)

少数精鋭のスナイプ級。470級に続きSPNが勝利!

 スナイプ級は18艇(9チーム)のエントリーがあり、前年の24艇と比べ若干少ない艇数であるものの、実業団トップチームも参加し、ハイレベルな戦いとなりました。

 初日は,悪天候により海上の視界が悪く,10時には初日のレース中止が確定し、勝負の行方は翌日に持ち越しとなりました。レースは中止となってしまいましたが、昨年創部50周年を向かえた日立製作所ヨット部は数年ぶりの関東王者奪回に燃えており、明日の決戦に向けて大雨強風の中海に出て、最終調整を行ないました。充実した練習を行なった後、夜は藤沢の町で翌日の決戦に向けてしっかり英気を養いました。

 そして向かえた2日目。ベタ予報でしたが朝から北風が入り定刻通りに第1レースがスタート。トリッキーな風の中、飛び出したのは昨年覇者のSPNチームです。1、2フィニッシュで他チームを圧倒します。しかし筆者を含む日立チームも4、6位と大きく崩す事なく2位につけました。ただし、他チームとの大差はなく、一瞬たりとも気が抜けない状況でした。

 1レース目のフィニッシュ直前より風が落ち、APが掲揚され待機となりました。1時程度待機した後、ようやく南から風が入ってきましたが、時間的にも数多くのレースは望めそうになく、次のレースで勝負が決まると気合を入れて望みました。

 コースはかなりのショートコースであり後半の挽回が難しいと判断、何としても優勝したい筆者チームはスタートから前に出てトップフィニッシュを目指しました。

 思惑通り、1上からトップで回航し他艇を大きくリードします。その後風が落ち、2下を回航した時には無風に近い状態になりましたが、ブローを掴み続け2位に大きく差をつけてトップフィニッシュ!!・・・といいたいところでしたがホーンが鳴りません。

 信じたくありませんでしたが、やはり鳴りません。まだフィニッシュ切ってないのかな? というわずかな希望もむなしく、本部船から「28732リコールでした」とのアナウンス。まさに天国から地獄の瞬間でした。その後風がピタっと止み、9艇がDNFとなる波乱の展開。ここでもSPNチームは1、2でフィニッシュし、関東実業団の連覇を達成しました。

 日立チームとしては非常に残念な結果となってしまいましたが、秋の全日本実業団、また来年の関東実業団に向けてこれからも活動していきます。最後になりましたが本大会にご尽力頂いた関係者の皆様、また他チームの皆様に感謝を表し、レースレポートを終わらせて頂きます。引き続き、関東実業団を盛り上げていきましょう!

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2レースながらも1、2位で圧倒したSPN

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スナイプ級成績

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レポートを担当してくれた日立チーム。秋の全日本実業団選手権に向けてがんばります!

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