2014年ワールドカップ、欧州マヨルカ開幕
3月31日から4月5日まで、マヨルカ島パルマ・デ・マヨルカで、ISAFセーリングワールドカップ・マヨルカ大会(第45回プリンセスソフィア杯)が開催されます。ISAFセーリングワールドカップは、中国・青島、オーストラリア・メルボルン、アメリカ・マイアミ、スペイン・マヨルカ、フランス・イエールの世界5カ所を転戦するオリンピック、パラリンピック種目のヨットレースです。(BHM編集部)
温かくいい風が吹くことから冬のトレーニング基地として知られているマヨルカ島。背景にはパルマ大聖堂が見えます。photo by Junichi Hirai
バルクヘッドマガジンには頻繁に登場するヨットレースですが、オリンピックをあまり知らない方へ簡単に説明してみたいと思います(実は、この流れを説明するのが意外にもむずかしく、こういうシンプルではない仕組みを作ってしまうことがISAFの問題点である気がします)。
次回の夏季五輪が2016年にブラジル・リオデジャネイロで開催されることはみなさんご存知でしょう。選手たちは、オリンピックで自身のセーリング技術が頂点に達するようにトレーニングするわけですが、その課程で、いくつかの重要なレガッタがあります。
そのひとつは、今年9月にスペインで開催されるISAFセーリングワールドチャンピオンシップです。この大会は、オリンピック全種目の合同世界選手権で、リオ五輪出場国の5割がここで決まるという選考大会にもなっています。各国の代表選手が決まるわけではありませんが「オリンピック出場への第一関門」であることに間違いありません。
ISAFセーリングワールドは、これまでオリンピックの前年におこなわれていましたが、前回大会で選手選考を兼ねる国がいくつも出てきてしまい(日本もそうでした)、純粋な世界選手権とは違った意味合いが出てきてしまったこともあり(例えば同国の選手同士で戦う等)、時期を早めることになったようです。
◎オリンピック=4年に一度、夏に開催される五輪セーリングのトップイベント。次回は2016年夏にブラジル・リオで開催。
◎ISAFセーリングワールドチャンピオンシップ=4年に一度おこなわれる五輪種目の合同世界選手権。今回は2014年9月スペイン・サンタンデールで開催。
4年に一度開催されるふたつの大会はオリンピック関連の軸となる大会です。その他に、世界各国でオリンピック関連のヨットレースがおこなわれています。日本でよく知られているアジア大会のような多種目によるスポーツイベントもありますが、ことセーリングに関してはヨーロッパとオセアニア(ニュージーランド、オーストラリア)に強豪国が集中しているため、ヨーロッパでおこなわれる大会が世界でもっともハイレベルなヨットレースとなります。
ISAFセーリングワールドカップ
世界5カ所を転戦する五輪種目のワールド・サーキット。世界からトップセーラーが集まる。
10月 Qingdao Qingdao CHN
12月 Melbourne AUS
1月 Miami USA
3月 Mallorca Palma de Majorca ESP
4月 Hyeres FRA
EUROSAFチャンピオンカップ
2013年から始まった欧州5カ所(イタリア、オランダ、イギリス、ドイツ、フランス)のレガッタ。ISAFセーリングワールドカップから枝分かれした。
5月 Fraglia Vela Riva ITA
5月 Delta Lloyd Regatta NED
6月 Sail for Gold GBR
6月 Kieler Woche GER
10月 Semaine Olympique Française FRA
これらはトレーニングレガッタの意味もありますが、場所によってはオリンピックさながらのトップセーラーが集まり、また有名スポンサーのつくビッグレガッタでもあります。ハイレベルなヨットレースがおこなわれるのは言うまでもなく、選手の実力を知るのに最も適した大会といえます。
そして、これらの大会でメダルを獲得した選手は、いわずもがな五輪本番のメダル有力候補です。逆説的に言えば、これらの大会で上位に入らなければ、オリンピック本番でメダルを獲得することはむずかしい、ということにもなります。
さて、来週始まるISAFセーリングワールドカップ・マヨルカ大会は、2014年ヨーロッパでおこなわれる第一弾の五輪イベントであり、世界から大勢のセーラーが集まって来ています。もちろん日本ナショナルチームも出場します。バルクヘッドマガジンは、現地からレポートをお届けする予定です。おたのしみに!
◎45 TROFEO S.A.R. PRINCESA SOFÍA
http://www.trofeoprincesasofia.org/
◎ISAFワールドカップ・マヨルカ大会に出場する日本選手
470級男子
土居一斗/今村公彦 チームアビーム
松永鉄也/吉田雄悟 スリーボンド
市野直毅/外薗潤平 和歌山セーリングクラブ/九州旅客鉄道
飯束潮吹/八山慎司 エス・ピー・ネットワーク
470級女子
吉田 愛/吉岡美帆 ベネッセホールディングス
49er級
牧野幸雄/高橋賢次 トヨタ自動車東日本
49erFX級
波多江慶/大熊典子 豊田自動織機
レーザーラジアル級
土居愛実 慶応義塾大
田畑和歌子 チームアビーム
蛭田香名子 豊田自動織機
冨部柚三子
写真はバルクヘッドマガジンが2011年大会の取材で撮影した各クラス優勝選手。右端にはスター級で優勝したアンドリュー・シンプソン(GBR)もいます。彼は、昨年アメリカズカップ・アルテミスの事故で帰らぬ人となりました。photo by Junichi Hirai
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