2013年バルクヘッド・セーラーオブザイヤー
2013年も残りわずかになりました。今年最後のバルクヘッドマガジンは「セーラーオブザイヤー」の発表です。これは、本年度活躍した選手へバルクヘッドマガジン編集部が贈る賞です。2008年にはじまったこのイベントは今年で6回目を迎えました。大晦日という誰もが大忙しの日にも関わらず、多くの読者を集める人気企画がこのセーラーオブザイヤーの発表です。(BHM編集部)
セーラーオブザイヤーの別名は「ヨット馬鹿オブザイヤー」。ヨット馬鹿とは、そう呼ばれるほどヨットに夢中になったセーラーへ贈られる最上級の褒め言葉です。馬鹿馬鹿いって気に障る人がいたら申し訳ありません。でも、他人から馬鹿と言われるほど好きなヨットに打ち込めたのなら、これほど幸せなことはないでしょう。
大賞の選考基準は成績だけではありません。固定観念にとらわれず、日本にこれまでない活動をしたり、「これはすごい」と編集部が感じた選手を対象にしています。バルクヘッドマガジン・セーラーオブザイヤーに選ばれるのは、日本のセーラーに影響を与え、2013年セーリング界を盛り上げてくれた選手です。
さあ、賞のうんちくはこの辺にしてグランプリの発表にうつります。今年もたくさんのセーラーが候補にあがりました。そのなかでも、彼らの活躍は鮮烈で、わたしたちに強い印象を与えたばかりでなく、地元・東北のみならず、日本全体を勇気づけてくれました。
2013年バルクヘッドマガジン・セーラーオブザイヤーは、Ten Quarter(テンクォーター)チームに決定します!
アメリカ西海岸ロングビーチからハワイ・ワイキキまで2225マイルを走るトランスパックヨットレース。2年に一度開催されるこのオフショアレースに、日本から6艇が出場したことは、みなさんの記憶にもあたらしいでしょう。1960年代からトランスパックに出場してきた日本艇の歴史で、テンクォーターは初めてクラス優勝(ディビジョン7)を果たす快挙を成し遂げました。
テンクォーターは宮城県・七ヶ浜がホームポートです。2011年の震災でご家族を亡くされた高橋祐一オーナーが、ひとつの区切りとして、また夢の実現としてトランスパックヨットレースを掲げました。津波被害により船も相当のダメージを受けたといいます。それを自分で修理して、なんとか出場にこぎつけました。その気持ちに地元の先輩セーラー、仲間、そしてレースに乗艇した関東水域の若手セーラーが賛同してはじまったキャンペーンです。
クラス優勝という最高の成績で終わったことで、テンクォーターの活躍はテレビ放映されるなど全国にアピールされました。こうした活動の背景も賞賛に値しますが、編集部はいちセーラーとして、まず、2225マイルを走ったトランスパッカーとして尊敬いたします。だれもができることではありません。そしてセーラーならだれしも一度はあこがれるロングレースの夢、長距離航海の夢を果たしました。
テンクォーターに乗艇したのは、高橋、我妻、黄川田、八木、稲葉、本吉、清水、磯谷のヨット馬鹿8名。今年のバルクヘッドマガジン・セーラーオブザイヤーは、トランスパックキャンペーンで全国のセーラーに影響を与えたテンクォーターチームに贈ります。おめでとうございます!
トランスパックヨットレースのフィニッシュ地、ハワイに到着直後のテンクォーターチーム。みんないい笑顔+疲労感がにじみ出ています!photo by O.Yuko
※2013年YB(Yacht Bakaの略)エンブレムは、今年も大坪明ヨット馬鹿デザイン事務所に制作していただきました。大坪さんも今年トランスパックに出場したトランスパッカーです。
◎過去のバルクヘッドマガジン・セーラーオブザイヤー受賞者
第5回 2012年 近藤愛、田畑和歌子(470級。世界ランク1位)
第4回 2011年 後藤浩紀(モス級。日本最速記録達成)
第3回 2010年 慶應義塾大ヨット部(インカレ総合準優勝)
第2回 2009年 原田龍之介、吉田雄悟(470級、相模湾一周)
第1回 2008年 山田 寛(プロセーラー)
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
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