アイルランドJ/24世界選手権に参加して
2013年の全日本選手権はシエスタの三連覇で幕を閉じましたが、その1カ月前(8月22〜30日)にアイルランド・ダブリンでも、ティム・ヒーリー(USA)とマウリシオ・サンタクルズ(BRA)の熱い戦いが繰り広げられました。決着は最終レースまで持ち越され、ヒーリーが2013年のチャンピオンになりました。日本からテンプスチームが参戦してきましたので、世界選手権のトピックスを報告したいと思います。(文/日本J/24クラス協会会長 松本浩司・テンプス3)
40艇11カ国がJ/24世界選手権に出場
今年のワールドは欧州ローテーションで、ダブリンで開催されました。大陸と繋がっていないため、参加艇数が心配されましたが、ティム・ヒーリーやマウリシオ・サンタクルズ等の有力選手のエントリーを得て、小粒ながら質の高いレースが繰り広げられました。
レガッタの前半は微風に終始し、強い潮に悩まされる展開に。運営も大変なのですが、VHFで状況を30分毎に逐一報告してくれるので、待機側のイライラは少なかったです。最終レースはジブ風になるなど選手は完全燃焼しました。
パーセント・ペナルティー
2012年アメリカ・ロチェスター大会でも採用されましたが、赤旗・黄旗での抗議と自認方式でした。マークタッチや42条も回転せずにパーセント(%)ペナルティーです、テンプスチームも赤、黄の両方を経験。最終レースのフィニッシュで潮に負けてスターンをマークにヒット。その延長線上にジュリーの目を感じて黄旗を展開。ほとんど赤。黄の旗で済んでしまい、審問に至るインシデントは少なかったようです。
2枚目スピネーカーの搭載
J/24のクラルルールでは、スピネーカーを1枚しか搭載できません。万が一、バーストしたりすると一旦ハーバーに取りに戻らなければなりません。1レースを捨てることになるでしょう。実際に2010年のスウェーデン・マルメ大会では数艇が捨てていました。それはあまりにも気の毒だ、ということから昨年のルール改正で審議されましたが1票差で否決。ルール改正は見送られましたが、今回の大会では帆走指示書で搭載可能になりました。
ただし、条件があり、レース中の交換は不可。レースとレースの間に破けた現物を見せて許可を取ってから使えるようになります。セール計測時に予備スピンに2の番号が貼られて、確認できるようになっています。強風用と微風用といった使い方はできません。
J/24はまだまだ熱い!
テンプスチームは、アナポリス、マルメ、ロチェスター、ダブリンと世界選手権に継続的に出場しています。クラスルールで参加費が500ドルに制限されているように、普通のセーラーでも手が届くように工夫されているのがJ/24クラスの良さでしょう。古い艇でもトップフィニッシュしているし、70歳のヘルムスマンがワールドで普通に走っています。しかも、速い!
このように楽しくシビアにレースを楽しめるのが、J/24の特長です。興味をもたれた方は、お気軽に日本J/24クラス協会へお問い合わせください。また、2016年には、ワールド日本開催を誘致しています。夢は大きく!
◎2013 BMW J24 WORLDS 成績
1. Helly Hansen / Tim Healy (USA) 38p
2. Bruschetta / Mauricio Santa Cruz (Brazil) 42p
3. Honey Badger / Travis Odenbach (USA) 44p
4. Il Riccio / Ian Southworth (GB) 53p
5. Rotoman / Tobias Feurherd (Ger) 73p
6. Furio / Keith Whittemore (USA) 77p
23. Tempus G / Koji Matsumoto (JPN) 177p
◎2013 BMW J24 WORLDS
http://www.hyc.ie/J24WorldChampionship2013/
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