オラクル奇跡の勝利。カップはアメリカ保守
9月25日、晴れ渡るサンフランシスコは18ノットの風が吹く最高のコンディション、最後の戦いにふさわしい舞台が整いました。これまでマッチポイントから7連勝という「信じられない」戦いを見せているオククルチームUSAは、レースを重ねる毎にボートパフォーマンスを上げ、無敵を誇ったチームニュージーランドに切迫。そして、本日の最終第19レースで、すべてを追い抜きました。(BHM編集部)
スタートはイーブン。第1マークまでのドラッグレースでインを取ったニュージーランドが先行しますが、その差40メートルほどという大接近のままダウンウインドへ入ります。ニュージーランドは、ジャイブタイミングを同じにカバー、カバーでオラクルを寄せ付けません。
フェイスを分けて戦いたいオラクルは、ボトムマークで左マークを選択して別海面へ。ニュージーランドが高い位置でタックして、カバーに入りますが…。
ここから先は、まさにミラクルでした。オラクルのタクティシャン、ベン・エインズリーのコース戦略が冴えます。この連勝のほとんどがスタートで決まりましたが、ニュージーランドに先行を許した場合、オラクルはアップウインドレグで逆転するという方程式を持っています。
また、タッキング時のボトム(最低)スピードは、ニュージーランドに焦りがあるのか、3ノット近くもオラクルが上回る場面もあり、オラクルのクルーワーク能力の高さもあらわれました。本日のポイントは、アップウインドレグにありました。二度目のミートでオラクルが先行すると、そのままニュージーランドに差を広げていきます。
フィニッシュは、オラクルチームUSA。アメリカズカップはアメリカが保守しました。ニュージーランド8勝、オラクル1勝(9月18日。第11レース終了時)という土俵際からの奇跡の勝利です。おめでとうアメリカ!
ORACLE TEAM USA – 9 (11 wins; ORACLE TEAM USA was penalized its first two victories by the International Jury)
Emirates Team New Zealand – 8
Race 19 Performance Data
Course: 5 Legs/10.07 nautical miles
Elapsed Time: OTUSA – 23:24, ETNZ – 24:08
Delta: OTUSA +:44
Total distance sailed: OTUSA – 11.9 NM, ETNZ – 12.2 NM
Average Speed: OTUSA – 30.55 knots (35 mph), ETNZ – 30.55 knots (35 mph)
Top Speed: OTUSA – 44.33 knots (51 mph), ETNZ – 45.72 knots (53 mph)
Windspeed: Average – 18.2 knots, Peak – 21.3 knots
Number of Tacks/Jibes: OTUSA – 9/7, ETNZ – 9/7
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