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全日本女子インカレ展望と解説 スナイプ級

 外道無量院氏となまちゃんの全日本女子インカレ解説の続き、今回はスナイプ編です。それにしても、おふた方の洞察力はすざまじいものがありますね。バルクヘッドマガジンも「議論の輪」に加わろうかと思いましたが、やめておきます。レベルが違いすぎます…。(BHM編集部)

 これまで何度も書いていますが、このレポートは選手批判を目的に掲載しているのではありません。大会直前は「絶対に読まない」と決めているヨット部もあるそうだし。選手のみなさん「外道無量院となまちゃんの予想を絶対ハズしてやる!」と発奮してください。

『全日本女子インカレ展望と解説 スナイプ級』

外道無量院:昨年は470級の32艇を上回る35艇ものエントリーを見たスナイプ級だが、今年は29艇にとどまった。女子インカレ史上、スナイプ級唯一の連覇は、関西学院大の増川美帆(第16〜17回大会・第19回大会も優勝して計3回優勝)だけ。

 他に計2回優勝しているのも鹿屋体大の原田小夜子(第15回大会と第18回大会)のみである。面白いのは470級とは対照的に、こちらは増川の3回、原田の2回とも全て異なるクルー乗せての優勝であった。

 樫原梨乃(啓明学院4年)/末繁まゆ(別府青山4年)組(関西学院大)は、昨年、全8レース合計53点(捨てレース無し)というハイスコアながら、混戦を制して初の女子王座に輝き、「総合3連覇」という偉業に貢献した。


昨年度優勝の樫原/末繁(関西学院大)。連覇なるか?photo by M.Hada

 今年はスナイプ級史上初の「同一コンビ連覇」に挑む。昨年、末繁はレギュラークルーの座を獲得したものの、樫原は男子を含む正規チームレギュラー3艇には漏れる存在であった。しかし、今年は全日本インカレ本番でクラス優勝候補として最有力視されるほどに強化されたスナイプチームの堂々たるレギュラー格に成長。

 全日本個人戦でも、女子スキッパーとしては最上位の10位。僚艇の三好紀子(県芦屋3年)/山口茜(啓明学院3年)も水域予選を突破して全日本個選には出場(28位)しており、チーム内での激しいレギュラー争いによる競争が上手く機能しているようだ。

 持田由美子(磯辺3年)/稲垣美穂(海津明誠2年)組(日本大)は、全日本個人戦に臨むまで関東で、男子を含んでもトップクラスの走りを見せていた。

 持田は昨年のこの大会5位だが、優勝した樫原艇とは21点の差があった。さらにこちらのペアは今年の全日本個選に唯一の女子コンビとして出場して19位。微・軽風域で強みを発揮したものの、最も良い風が吹いた3日目の2つのレースでは樫原艇に完全に走り負けていたのが、クルーの性差と体重差だけではないように思えたのが気がかりではある。

 なまちゃんの見解を聞こう。

なまちゃん:はい、カッシー(樫原)vsモッチー(持田)の優勝争いが濃厚。というか間違いないでしょう。総合的にはカッシーが上、ただし、ボートスピードに関しては持田が上じゃないですかね?

 前回の蒲郡全日本個人戦では、かなり難しい風が吹いてたようで…。つまりコース取りが良くなかったことになる。その辺がポイントとなるでしょう。


関東のレースでは男子以上の成績を見せている持田/稲垣(日本大)。photo by M.Hada

外道無量院:クルーの経験では日大・2年生の稲垣に比べて関学・4年生の末繁が上だろうからな。だいたい、持田はコースも自分で引きたがるタイプではないのか? 逆に、稲垣にコース引きを任せられれば一皮剥ける可能性もある。他には?

なまちゃん:それに続く勢力は慶應の阿部、明海の川戸、立教の村山くらいですね。しかし2強とは数段実力がかけ離れている。それは、関東での大会を観ていれば一目瞭然ですよね。

外道無量院:慶應からは、阿部七海(酒田西2年)がクルーに窪田明莉(横浜国際2年)を乗せて全日本女子インカレに初登場。昨年の春に入学した時にはそれほどの期待が掛からなかった存在が、昨秋には堂々と、先々週の全日本個人戦で「あわや優勝か?」と自分でも驚いたという快走を見せた男子スキッパーの加藤賢人を押しのけてレギュラーの座を獲得。全日本インカレでもその起用に応えた。

 ただ、470級の長堀艇同様、スキッパーの力はある程度認めるが、クルーの経験が関学や日大勢と比べて劣る事と、チームとして「女子イン初登場」となる事から、同志社と同様にこの大会にどの程度のプライオリティーがあるのか疑問がつく。

 反対に、ここでの「全日本タイトル」獲得を真剣に狙い、国府田監督/脇永コーチの下、万全のサポート体制を引いてメイチの勝負を挑んできそうなのが明海大勢だ。

 今年は秋の関東女子インカレとは別に、この全日本女子インカレの予選レースが事前に開催された関係から、秋季関東女子インカレには有力選手の欠場が目立ったとはいえ、470級1位/スナイプ級2位/総合1位という創部史上初の「関東タイトル」を獲得。チームが盛り上がっているのは間違いない。

 川戸志織(碧南4年)/千葉真由子(気仙沼2年)組と田上歩(東海大第二4年)/有銘一子(沖縄尚学4年)組の2艇が創部史上初の「全日本タイトル」獲得に向けて挑む。

 明海勢に関して、なまちゃんの見解をもう少し詳しく教えてくれないか?

なまちゃん:はい、コンビネーションという点では、4年生同士で乗っている田上艇の方が上だけど、実績では川戸艇の方が上なんですよね。全日本個人戦も出場しているしね…。ただ、総合的には同じ位の力とみて良いでしょう。

 ただ、今回は特に國府田監督の気合の入れようはすごいでしょうね、かなり練習もしたようです。クラス優勝はむずかしいけど、なるべく失点を少なくすれば総合を獲れる可能性が出てきますからね。

外道無量院:その他では、高橋友海(桐蔭学園2年)/溝口芽(Paul Laurence Dunber3年)組(早稲田大)、村山仁美(東海大高輪台1年)/高橋明子(3年)組(立教大)、吉泉葵(県芦屋3年)/森千佳(雲雀丘学園2年)組(甲南大)あたりが上位進出圏内の可能性を持つか?

 さらに昨年は国公立勢として7位と健闘した舩原桃子(東京海洋大)がいたが、今年、彼女のような存在は出るのであろうか?

 1艇だけ挙げておこう。

 女子ながら、堂々と部全体の主将を務める田中綾子(三重大)艇。練習場所の津ヨットハーバーでは、かつての名セーラー・佐藤三郎(本田技研)に指導を仰ぎ、その向上心たるや男子選手も見習うべき点が多くある。

 部員も15名ながら、沈滞している中部水域では最大規模となり、OB会の援助も少しだけ増えつつあるようだ。予算、時間、道具に合宿所まで、「無い無い尽くし」の活動環境ではあるが、恵まれた条件の整う私学上位校を相手にどこまで戦えるかに注目したい。

 それでは、まとめに入る。カッシー(関学・樫原)VSモッチー(日大・持田)の優勝争いに、阿部七海艇(慶應)も絡んで三つ巴まであるか?

※外道無量院の予想
◎・・・・・樫原/末繁組(関西学院大)
〇・・・・・持田/稲垣組(日本大)
▲・・・・・阿部/窪田組(慶應義塾大)
△・・・・・川戸/千葉組(明海大)
△・・・・・田上/有銘組(明海大)
△・・・・・高橋/溝口組(早稲田大)
△・・・・・三好/山口組(関西学院大)
△・・・・・村山/高橋組(立教大)
△・・・・・吉泉/森組(甲南大)
特注・・・・田中/北原組(三重大)

※なまちゃんの予想
◎・・・・・・・・持田/稲垣組(日本大)
○・・・・・・・・樫原/末繁組(関西学院大)
▲・・・・・・・・川戸/千葉組(明海大)
△・・・・・・・・村山/高橋組(立教大)
△・・・・・・・・阿部/窪田組(慶應義塾大)
△・・・・・・・・田上/有銘組(明海大)

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