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長崎開催!全日本実業団プレレポート後編

 スナイプ級は、2艇1チームのチーム戦となるため、学連出身者には、どこか懐かしいインカレを思い出させる。チーム戦だけに盛り上がり方はハンパなく、昨年度の大会はフィニッシュ寸前まで2位から5位が入れ替わる大接戦が繰り広げられた。(文/全日本実業団ヨット連盟、写真/5cre8、Sail Hiroshima)

 社会人によるオープン参加も認められているが、同一企業の優勝チームに高松宮杯が贈呈される。

 では、スナイプ優勝候補企業の紹介へ。


アイシン・エーアイ株式会社(AI☆STARS)【昨年度優勝】
『現在2連覇中の同社の前に敵はなし』

 今年は、9月リオワールドに向けて現役チームは不参加かと思われたが、強行日程での参加。強風シリーズとなった昨年度の全日本実業団では、他を寄せ付けない圧倒的な走りで優勝。また、その後の全日本スナイプでも近藤組2位、中島組7位と今大会の参加チームの中では、ひとつ上のステージにいることは間違いなし。この後、出場するワールドに向けての調整も順調の様子であり、大会3連覇を狙う。


株式会社エス・ピー・ネットワーク(SPN)【昨年度2位】
『社長自ら舵を取り、念願の優勝を狙う』

 昨年度、悔しさを残しただけに『今年は、優勝しかない』と意気込む。同社は、過去1度優勝しているが、近年は2位から5位と優勝できずにいる。渡部・前田組は、昨年スペインで開催されたマスターズワールドの上位者であり、渡邊・齋藤組も今年の関東スナイプ優勝と調子は上向きの様子。元470ナショナルチームが乗り込み、スナイプ界に旋風を起こす。


株式会社豊田自動織機【昨年度4位】
『ベテランから若手までの選手層を誇る名門チーム』

 スナイプ界の大御所、児玉・田中組が率いる同社は、毎年実業団大会では若手に活躍の場所を譲る傾向にある。しかし、今年は昨年度まで若手の中心的存在であった加藤が不在。それに加え、名クルー杉浦を470級にコンバートしただけに大御所参戦の予感。なお、大御所たちは、密かに新艇を準備しているとの情報あり。


三菱重工広島【昨年度5位】
『経験豊富なベテランが、得意な軽風域で大人のレースを展開』

 広島で活動している同社は、軽風域を得意としており、昨年度も初日の軽風は、首位争いをしていた。スナイプの熟年のテクニックと経験値では、どこのチームにも負けない。今大会は軽風域が予想されるだけにベテラン安森とスナイプワールド2位の実績をもつ安部が、得意の軽風域で風を味方につけるか?


株式会社スリーボンド(ThreeBond)
『近年のセーリング界において、日本を代表するプロチーム』

 470級で五輪キャンペーンを行いながらメルジェスのサーキットにも参加。言わずと知れた同社の看板ボーイ松永は、北京五輪470級代表。松永は日大復活の立役者、小又と乗り、初参加の江の島スナイプで、いきなり優勝するなど格の違いを見せつけた。もう1チームには、今年移籍したロンドン五輪代表の吉田が、同社のブレーンである西村とコンビを組む。乗り込みの足りない分、ゲーム力でカバーして優勝を狙う。

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 さて、各クラスの見所と題し、優勝候補を挙げさせてもらったが、特別編として各クラス1チームの注目企業を紹介しよう。


470級 愛媛県セーリング連盟【愛媛代表】
 共にインカレ常勝の日本経済大学出身であり、今村は、470ジュニアワールド経験者。大嶋は、昨年度まで岐阜国体の強化選手であり、山口国体優勝クルー。風域によっては、抜群のセーリングセンスを発揮する若手チームに注目!


スナイプ級 三井物産株式会社(MYRC)
 毎年、夜の実業団に標準を合わせて練習してくる同社は、今年は1月4日から沈(新)年会と題し、真冬の江の島で練習を開始。おそらく、参加チームの中では、最も早い活動開始だろう。辻堂の新艇2艇を購入し、今年の気合いの入れようは、例年とは一味違う。今年は、夜の部だけでなく、昼の部の同社に注目!

◎三井物産 vs 広島!? 夜の注目企業
 実業団大会と言えば、レースだけではなく、大人の社交場としての華やかなレセプションも見所である。毎年、この場に標準を合わせて練習してくるMBK48(三井物産)は、会場を大いに盛り上げてくれる。

 夜の部では、敵なしの連覇中であることは間違いない。そろそろ参加者による、センターポディションの国民投票も必要か? これを観るのを楽しみにしている参加者も多いだけに、今年も期待したい。

 ここに唯一対抗できるとしたら、広島が誇る三菱重工広島とマツダのコラボレーションが生み出した広島クローバー(仮名称)しかない。広島観音マリーナのレース参加した人は、一度はお目にかかったことがあるだろう。

 ラテン系リズムのサンバと独自の振り付けで、会場が笑いの絶えない場へと豹変する。今年のスナイプワールドは、南米開催だけに、ぜひとも日本代表選手に本場(?)のサンバを披露し送りだしてもらいたい。

◎わたしたち大会主催者側からのお願い
 最後に連盟としてのお願い事が、2つばかりある。1つ目は、ゼネラルリコールである。関東エリアでは、良い風の中でゼネリコを繰り返し、1時間もスタート練習を行いレースができなくなることがある。これは、正直レガッタのレース数を左右するだけではなく、勝敗にも大きく影響する。軽風域が予想される今大会では、良い風の中でしっかりとしたレースを実施したい。

 2つ目は、罵声である。各企業の名誉とプライドをかけた今大会においては、不釣り合いに思えるが、毎年どこからか聞こえてくるのは、残念な限りだ。もちろん、権利の主張や注意を促すことは必要だ。しかし、人を罵る言葉は必要ない。

 今回は、九州水域のクラス予選と合同開催のため、学生も多数参加することとなる。ぜひとも大人の対応をして頂きたい。ちなみに若い諸君、『オヤジ!』『オッサン』『ジジイ!』は、止めてくれ。君らもすぐにこちらの世界に来るのだから。

 では、平和祈念像が見守る長崎サンセットマリーナで、事件事故のない平和な大会開催となることを祈り、選手の到着を待つこととする。遠方の方は、道中長いので、くれぐれも気をつけてお越し下さい。

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