全日本インカレ個人選スナイプ級 展望と解説
ここはあくまで「個人戦」ではあるが、学生ヨットの集大成である全日本インカレの総合優勝を考えると、このスナイプでのクラス優勝が大きな決め手となるのは歴史が教えている。470と同じく、有力チームを紹介して展望してみる。(文/外道無量院)
9月6〜8日まで蒲郡で開催される全日本インカレ個人戦。今年も名勝負が見られるでしょうか。写真は昨年の全日本インカレ個人戦より。photo by Junichi Hirai
470での日経大の5艇/6枠中に匹敵する「水域寡占」状態が、近北水域の同志社と関西水域の関西学院だ。どちらも6艇の出場枠中に5艇を入れてきた。しかも、関西学院は水域予選の1〜5位にずらりと名を連ねた。
エース艇は、1年時から出場する小栗康弘(中村三陽・4年)。今シーズンは水域内の学生相手には無敵の強さを誇るだけでなく、関西選手権では社会人を相手に互角の走りを見せた。クルーの浅原宗一郎(東大寺学園・3年)が頭脳派なので、上手くスキッパーの弱点を補っているようだ。
舟木葵(中村三陽・3年)、昨年の全日本女子イン・チャンプの樫原梨乃(啓明学院・4年)、三好紀子(県芦屋・3年)、西原成駿(1年・関学高等部)らは2番艇以下も熾烈なレギュラー争いで一時も気が抜けない部内競争で鍛えられている。
同志社勢では山田剛(中村三陽・2年)、垣野雅人(清風・3年)が全日本タイトル射程圏内か?部内事情で言えば、今年はどちらかというと、ここまで470チームの足を引っ張っている状況だが、全日本インカレ総合連覇に向けて、ここらで巻き返しをしておきたいところだ。
昨年3位の横田貴大は、今年の優勝候補筆頭!
関西の小栗に匹敵する立場を関東で築きつつあるのが、横田貴大(藤沢西・4年)だ。ほぼ関東の学生相手では無敵状態ではあるが、層の厚い社会人にはも度々挑戦しては跳ね返される場面が繰り返されている。
この夏、葉山に完成した鉄筋コンクリート3階建ての実に立派な新・合宿所に明治大としては久々となる全日本タイトルをもたらし、優勝旗を飾る絶好のチャンスだろう。
以上が総合的に見て絞った場合の優勝候補ではあるが、その他の有力ところも挙げておこう。
サバイバルな状況となると頭角を現す鹿屋体大からは鈴木章央(碧南・4年)、久保風太(鎌倉学園・4年)という一昨年のチャンピオンコンビが各自スキッパーとなって出場してくる。またまた偶然にもサバイバルな状況にでもなれば、優勝争いに割って入ってくる事も充分に考えられる。
その他、集大成である全日本インカレは団体戦であるので、チームとしては力が足りないにので、文字通り「個人」としてこの一戦に全力投球してくる艇も侮れないところだ。
その筆頭格としては九州水域を制した村上広司(修猷館・3年)/出口裕也(近大附東広島・4年)組(九州大)が不気味な存在。鹿屋体や福岡大勢の経験者を相手に互角以上に走れたのは大いに自信を持った事だろう。全日本の舞台でどこまで戦えるか楽しみだ。
関東で負け知らずの明治大の横田。関西の雄、小栗(関西学院)との戦いに注目が集まります。photo by Junichi Hirai
東日本スナイプで社会人を破り優勝した持田由美子が絶好調
さらには、冬以来、度々蒲郡に遠征して社会人相手に合宿を重ねてきた井嶋清芳(3年・霞ヶ浦)や持田由美子(3年・磯辺)の日大勢と島本拓哉(2年・磯辺)、平川竜也(1年・逗子開成)の早稲田勢も優勝争いに絡んでくるか? 彼らにとっては、最低でも全日本インカレを睨んで上位進出は必須の使命だろう。
それでは、まとめに入る。ズバリ、小栗艇(関学)vs 横田艇(明治)の「一騎打ち」と見た。その他の有力校エース艇が割って入るスキはあるか? 以上、参加各選手の健闘と幸運を祈る。
◎・・・・横田/黒澤組(明治大)
○・・・・小栗/浅原組(関西学院大)
▲・・・・山田/石川組(同志社大)
△・・・・舟木/難波組(関西学院大)
△・・・・垣野/柳林組(同志社大)
△・・・・鈴木/薄田組(鹿屋体大)
△・・・・井嶋/大井組(日本大)
△・・・・持田/稲垣組(日本大)
△・・・・島本/花田組(早稲田大)
△・・・・橿原/佐野組(関西学院大)
△・・・・平川/三ツ木組(早稲田大)
△・・・・久保/宮本組(鹿屋体大)
特注・・・村上/出口組(九州大)
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