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ケリケリ高校のユニークなセーリング留学

 セーリング大国ニュージーランドに、ユニークな教育システムを採用しているケリケリ高校という公立高校がある、というニュースが届きました。この高校の留学制度には、セーリングアカデミーがあり、高校の授業を受けながらセーリングを学べるプログラムがあります。ケリケリ高校セーリングアカデミーの訪問レポートが届いたのでご紹介します。ご興味のある方は、ケリケリ高校と親交がある関東水域OP連絡会へご連絡ください。(BHM編集部)


ニュージーランド北部ケリケリ高校にはアカデミー制度があり、セーリングの専門授業が受けられます

『ニュージーランド・ケリケリ高校訪問レポート』
 公立高校の公式授業でヨットを教える学校があるとのことで、ニュージーランド北部のケリケリ高校を訪問しました。(文・写真/大野俊也)

 オークランドの北、約3時間の距離に位置するケリケリは、人口6千人弱の非常に小さな町です。現代の主要な産業は、農業・観光で、果樹園やワイナリーに囲まれた風光明媚な田舎町、という印象が強く残りました。人口は少なく、夜9時ごろには町の中心部も静かになる古き良き田舎町という印象です。

ケリケリ高校
 日本でいう中高一貫教育が行われていて、7年生(中学校1年)〜13年生(高校3年)まで約1500名が通う地域最大の公立学校です。

 授業は8:40から15:00まで行われ、生徒のほとんどはスクールバスや家族の送迎で通学しています。基本的に全教科が専用の教室で行われるため、教室やクラスという概念はあまり見られません。

 生徒が教科を選択して個別にカリキュラムを作成するシステムですから、留学生は語学に自信が持てるまでは英語力をあまり必要としない教科を選択することも可能だそうです。

 留学生は、約50名(日本人4名)在籍していて、留学生の情報交換用の部屋が用意されているので自由に使用することができますが、1日5時間の教科をこなす必要があるため、使用する機会は少ないないかもしれません。

 この学校では『バディー』というシステムがあり、同学年で同じ教科を選択しているニュージーランド生徒を留学生のバディーとして任命して、校内で留学生を補助しニュージーランドの友達を作るきっかけとなるようにしているそうです。

◎ケリケリ高校
http://www.kerikerihigh.ac.nz/


ケリケリ高校でおこなわれている授業の様子です

セーリングアカデミー
 この学校最大の特徴が、セーリング、ゴルフ、乗馬、サーフィンなどを教えるアカデミー制度です。このセーリングアカデミーを創ったDerry Godbertさんは、ニュージーランドを代表するコーチであり、多くのオリンピック、アメリカズカップなどのセーラーを育成してきました。現在は、地元のケリケリクルージングクラブ で、コーチとして活躍されています。

 セーリングアカデミーを受講する場合、通常の授業は月曜日から木曜日までとなり、金曜日は終日セーリングアカデミーの活動となります。現在のアカデミーでコーチングをしているのは、アトランタ(ヨーロッパ級5位)とアテネ(イングリング級7位)で五輪出場し、ボルボ・オーシャン・レースで世界1周レースもしたSharon Ferrisさんです。

 また、ロンドン五輪で49erのクルー(銀メダル)として出場したBlair Tukeさん、レーザー(5位)のAndrew Murdochさんなども、彼らが地元にいるときにはアカデミーで高校生の指導をしています。

 アカデミーの活動拠点は、学校から15分程度離れたところにあるマヌワイ湖(Lake Manuwai)という人造湖にあり、ここには艇庫(ケリケリ高校とケリケリ・クルージング・クラブ共用だと思われます)などの設備も用意されています。

◎セーリングアカデミー
http://www.kerikerihigh.ac.nz/sailing-academy.php


こちらはケリケリ・クルージングクラブです

ケリケリ・クルージング・クラブ
 セーリング・アカデミー受講者は、自動的にケリケリ・クルージング・クラブのユース会員となるため、KCCの旧クラブハウスの艇庫、会議室を利用することもできます。

 夏期は水曜日の夕方クラブレースが行われていて、アカデミー受講者は、クラブ会員のクルーザーでレースを行うことになります。地域が学校と協力してセーラーを育成している姿勢が非常に印象的でした。

◎ケリケリ・クルージングクラブ
http://www.kerikericruisingclub.org.nz/


7月17日、都内でケリケリ高校の英仏教師でもあるグラント・ベリーさんが来日し、高校留学とセーリングプログラムの説明会がおこなわれました

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