Loading

連載ヨットレース繁盛記。大島レース・後編

 大島レース参戦レポートの後編です。場面は夜の伊豆大島沖。ホビーホーク号は無風地帯に突入しました。島まわりレースは、強風、突風、そして無風まで、あらゆる風の変化のなかで船を走らせなければなりません。でも、長時間セーリングしていると体力がなくなり、だんだん眠くなり…。テルテールを凝視するヘルムスマンが見たものは!?(BHM編集部)

ヨットレース繁盛記!ドタバタ編
第63回 大島レース

『深夜の千波沖、テルテールがモジャモジャ生えてくる』

 長丁場のレースです。なんとしても集中して船を前へ進めるため、今回ヘルムは2時間交代としました。

 シビれるような微風の中、失速に注意しながら神経を研ぎ澄まして走りますが、テルテールライトでぼんやり浮かび上がるテルテールとジャンボとを交互に見ていると、もう、目がしんどくてしんどくて。まるで精神修行のようです。

 そのうち、テルテールの毛糸がセールからモジャモジャいっぱい生えてくる幻覚を見ました。ひえぇー。一体何やってるんでしょう〜、真夜中に。

 午前1時03分、竜王崎を0度に見て大島回航のロールコール。タックした時に近くをクロスした何艇かはあたりをつけました。レーティングでかなり上位の艇もいて、いいところを走っている感じです!

 その後、また雨が降り出しました。さっきの通り雨と違い、今度の雨は長くしっかりした雨です。眠くてつらい時間帯にびしょ濡れになりチコッと凹みます。わたしは電池切れになり、オフワッチに入ったら気を失っていました(寝たとも言う)。


風がなーーーーい。鏡のような水面に漂いながら、必死にスピンを飛ばします。photo by HobbyHawk


朝になってハリヤードのプチトラブルを解消。風がないので全くロスなしでした。photo by HobbyHawk

『夜が明けて、みんなの顔がへのへのもへじみたいに』

 いよいよ最終レグに入り、葉山へ北上開始です。スピン上げたり下ろしたり、また上げたり。セールチェンジももう何回やったか数え切れなくなりました。みんなかなり疲れがたまってきて、顔がへのへのもへじみたいになってきましたよ。そして、風はまたなくなり、ぱったん、ぱったん漂い始めます。

 激しく東に流される潮なので、COG(Course Over Ground。対地の方位)がフィニッシュに向くようにヘディングを真北に向けてしばらく我慢の時間帯です。東側に何艇見えてきました。そのうち、ん? なんだか走り出したように見えます。

 こちらは頼りない南東が吹いては消え、消えては吹くけど一向に安定しません。結局東から先に風が入ったようで、ようやく走り始めた頃には、後ろの艇団がかなり大きくなってからでした。

 太陽が高くなり、紫外線が寝不足の脳天を直撃する感じ。でも、まだいい位置に付けているので、何とか逃げ切れるよう最後のひと踏ん張りです!

 順風のスピンランで見慣れた景色が近づいてきました。最後、葉山沖の名島をかわすためにジャイブし、12時18分に無事フィニッシュ。

 ふー、力全部出し切りましたー。今回は、コンディションとしてはマイルドだったはずなのに、結構きつかったです。

 ロングレースは団体戦です。人間なので眠くもなるし、集中力だって全員が常に100%というわけにはいかないけれど、カバーしあって総合力で100%を出しきったかな。こういう感じ、久しぶりです。サワヤカな達成感に包まれてマリーナへ帰ります。

 期待した成績は、IRC Bクラス2位。うぅ、連覇ならず。僅差でクラス優勝を逃したのはちょっと悔しいけれど、IRC総合で22艇中第4位は上出来です〜。

 今年の大島レースも楽しかったです! 変化に富む相模湾の地形と、複雑な潮、刻々と変化する風、最後まで何が起こるかわからないところも島まわりレースらしく、そういう魅力がギュッと濃縮されたレースでした。くたびれたけど、来年もまたきっと出ます!


ホビーホーク号、がんばりましたで賞。photo by Junichi Hirai

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  COLUMNNEWSOFFSHORESPECIAL

INFORMATION