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連載ヨットレース繁盛記。大島レース・前編

 バルクヘッドマガジンが力を入れて取材した第63回大島レース。このレースについて編集部は、最高に相模湾らしいヨットレースだと考えています。ワンオーバーナイトのほどよい距離、風光明媚な半島と島。時々あらわれるイルカやクジラ。夜と朝のきりっとした空気など、目をつぶると思い出されます。ブイまわりレースとは違った魅力、ですね。さて、元気いっぱいのスミコねーさんと〈ホビーホーク〉は、いつもとは違った緊張感を持って出港。大島レースを存分に堪能したのでした。(BHM編集部)


行ってきまーす。photo by Junichi Hirai

ヨットレース繁盛記!ドタバタ編
第63回 大島レース

 今週は、葉山をスタートする伝統の大島レースです。クラブレースの合間を縫って船を整備し、OSRの準備もみんなできっちりやりました。大島レースは85マイルのワンオーバーナイトのレースで、時には厳しい海況となるオフショアの「さわり」部分を走るレースです。搭載する安全備品はもちろん、セーフティーセーリング全般について総点検するいい機会になります。今日は、いつものうきうきヨットではなく、ちょっと気持ちも引き締めてドックアウトしました。(文/石丸寿美子)

『スタートして2時間。おかしいな、まだ江の島すぐそこ』

 最初のレグは初島までの24マイルです。スタートエリアは北東〜東の風10ノット程。プロパーコースはポートのスピンスタートです。混雑するピンエンドからまずまずのスタートを切ります。

 しかーし、このあとすぐに風が怪しくなります。スタート後30分もしないうちにもたつきはじめ、昼すぎにはかなりの微風に。ふー、島まわりレースに勇んで出発したのに、2時間経ってもまだ江の島。早くも長丁場を予想させる展開です。

 南風を先取りするためプロパーより少し南に向けて走る艇団と、岸寄り艇団に分かれますが、〈ホビーホーク〉はほぼラムラインを走ります。そして南に膨らんだ艇団よりはゲインしたよう。

 途中からはしっかりした南東の風が入り、ようやくハイクアウトの風になりました。今回22艇中、IRCクラスでは下から3番目の〈ホビーホーク〉ですが、微風で大きく遅れをとることなく16時05分、初島回航。イルカの群れにも会えたし、序盤はまずまずの滑り出しです。


なだれ込みのランニングスタート。photo by Junichi Hirai

『あやしい夕焼けの後、雨雲の下の風を捕まえる』

 次は初島から大島の千波崎(ぜんばざき)へ向かう22マイル、通称大島への渡りレグです。小型艇はどんなに速く走ってもこのあたりで日没を迎えしまうので、暗くなり始めた頃には風が落ち、潮の強いエリアでのたうち回るのがお決まりのパターン。でもまあ、それが大島レースの面白さでもあります。

 定石どおりに伊豆半島川奈へ向けてしばらく南下します。ほどなくして日没を迎え、怪し〜い夕焼け空が広がります。そして…風がなくなりました。あー、やっぱりな。でもこれもすべて織り込み済み? まだまだ艇団の真ん中にいるので、ここからが勝負どころです。

 暗くなりました。夕焼けの上空にあった真っ黒い雲の下に差し掛かり、そのうち雨がパラパラ降ってきました。そして、雨雲の下は風もありましたっ! 生き返ったようにシャバシャバ走ります。

 で、また一転ヨレヨレになったり、またシャバシャバしたりで、何度となくセールチェンジを繰り返し、元町の明かりを横目にドリフト走行? で走ります。走っても走っても元町。

 この時間帯にうまく風を捉えた艇が少し伸ばし、前の艇団と後ろの艇団に分かれ始めました。〈ホビーホーク〉もかなりゲインし、何とか前の艇団にくっついてカームから抜け出すことに成功。

 その後、晴れて月が昇りました。大潮の白くて大きい満月です。真夜中の真っ黒な海が満月に照らされてサラサラと銀色に輝いています。60年以上前から続く大島レース。先人たちもこんな月夜の下を走ったのかな。

※大きな満月がのぼった大島レース。レポート後編へ続きます!


大島レースコース図。葉山〜初島〜伊豆大島〜葉山まで85マイルを走るヨットレースです

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