神戸から横浜へ。晴れ渡る大阪湾をスタート
4月28日、大阪湾から横浜ベイサイドマリーナまで340マイルを走る「第1回 神戸横濱ヨットレース」がスタートしました。参加は11艇。28日10時10分、南風を受けた参加艇は紀伊水道へ向かいました。(BHM編集部)
スタート直後は風弱く、艇団はブローを取りに左右にセパレートしました。その後、南からそよそよと風が入りました。photo by Junichi Hirai
コースは、拠点となる新西宮ヨットハーバーから15マイルほど南下したスタート地点から友ヶ島水道を抜けて紀伊半島先端の潮岬を回航。ここからダイレクトに伊豆半島先端の石廊崎に向かい、下田沖の神子元島を左に見ながら三浦半島・城ヶ島を回航。東京湾に入り、横浜ベイサイドマリーナへフィニッシュします。
ポイントとなるのは、友ヶ島水道(由良瀬戸)、潮岬という潮の流れが激しい場所をうまく抜けられるか。まる1日〜2日走ることになる遠州灘。東京湾に入ってからは浦賀水道(本船航路)に入らないようにしながら、岸寄りの暗礁を避けるなど、外洋レースに必要なセーリング力が問われます。
本大会はイエローブリックを使ったリアルタイム・トラッキングで現在のポジションがわかります。28日23時現在、トップは〈エスプリ〉。ちょうど潮岬を回航するところです。
風次第ですが、うまく走れば4月30日には横浜ベイサイドマリーナに到着するでしょう。みなさん、イエローブリックで観戦しながら応援しましょう!
◎リアルタイム・トラッキング
http://yb.tl/KYYR2013
◎神戸横濱ヨットレース参加艇
PETITE(プチ)X-41
KINE KINE 11(キネキネ・イレブン)IMX-40
1122TREKKEE(トレッキー)MUIR40CUSTOM
MysticX(ミスティックエックス)Farr40
THETIS 4(テティス4)First40.7
ROSHANA(ロシャーナ)ADAMS11.9m
ESPRiT(エスプリ)SWAN42
CALIPSO(カリプソ)J-105
K.CONTESSA(ケイ・ドット・コンテッサ) オセアニス461
MIROKU2(ミロク2)ヨコヤマ12m
KLEINER BERG (クライナーベルク)X442
クライナーベルク。photo by Junichi Hirai
ケイ・ドット・コンテッサ。photo by Junichi Hirai
1122トレッキー。photo by Junichi Hirai
ミスティックX。photo by Junichi Hirai
神戸横濱ヨットレースの主催者側が考える外洋レースの安全とは
外洋ヨットレースといえば、昨年に起きた沖縄東海ヨットレースの落水事故を思い出します。ちょうど1年前のゴールデンウィーク。沖縄をスタートした翌日の夜、低気圧の通過で海が荒れ最悪の海況の中、ひとりの尊い命が失われました。
神戸横濱ヨットレースは、昨年の沖縄東海ヨットレースに出場したオーナー、メンバーが中心となって企画されました。安全に関して、大会実行委員会はどのような考えを持っているのか、本大会の企画者のひとりでもある岡田豪三さん(ISPAヨットスクール・インストラクター。大会事務局長)に話を聞きました。
「外洋の基本は自己責任です。わたしの経験では、もし海で落ちたら助かる可能性は低く、助かったらそれはラッキーなこと。まず、自分の命は自分が守らなければなりません。この大会では、安全に関してオーナーと選手が自ら考えてもらいたいと考えています」
今回の出場資格は、船検の航行区域が沿海以上であること、またJSAF外洋特別規定のカテゴリー3を満たしていることです。さらに、この大会では、安全に関する規則に人数分のライフラフトの搭載を追加しました。
「出場資格を満たしていれば安全というものではありません。緊急時、浮器(沿海で搭載する)が役に立つとは、誰も考えていないでしょう。ライフラフト(救命筏)でなければ役にたたない。そのため、ラフト搭載を義務付け、その使い方を前日に講習しました。安全に関して、実際は実行委員会が考えるよりも、この大会に出場するチーム自身がよく考えていて、例えば、AISについても選手側から搭載の提案がありました。そのほか艇によって対策などを考えているようです。外洋ヨットレースに出場することで学び、みんなが成長していく。安全については、選手自身が、オーナー自身が考える。神戸横濱ヨットレースを継続することで、こうした考え方を持ってもらえたらと考えています」(岡田)
AIS:船舶の位置を発信する国際VHFを利用した自動船舶識別装置。Automatic Identification System
いま日本の外洋ヨットレースは、一時期の低迷期を終えて、参加艇数がジワジワと増えている傾向があります。沖縄東海ヨットレースが盛り上がり、そして、今年のトランスパック(ロス〜ハワイ)には日本から過去最高の6艇がエントリーしています。
外洋ヨットレースの参加艇が増え、レースに出場する機会が増えるほど事故が起きる可能性も高くなります。「自分の命は自分で守る」。外洋レースに出場する選手、そして大会をつくり上げる主催者は、常に考えなければならない問題です。
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