ホバートレース日本ベンガルレポート(3)
※昨年末シドニーホバートレースに参戦したベンガルチームのレポート最終回です。(BHM編集部)
実際のベンガルのレース中の様子は、ナビゲーターで乗艇した森さんが書いたブログをチェックいただくことにし、3日後のフィニッシュに移ります。(レポート/寺尾まゆこ ベンガル)
フィニッシュ直後のベンガル。乗艇したのは、邨瀬愛彦オーナー、伊藤陽一、森 治彦、高木 裕、荒川海彦、原健、中村仁彦、荒川友紀彦、高須雅規、安藤康治、長尾正博、横山大助、平野恭行、中根藤太、三島隆洋、伊藝徳雄の総勢16名です。photo by Yoichi Yabe
12月29日、わたしたちサポートチームは、ベンガルのフィニッシュを見にDerwent Riverまでボートで行きました。本当はタスマン島(タスマニアは島ではなく、タスマン島という小さい無人島が別にタスマニアの南側にあるのです)付近までお迎えに行って、あの有名なオルガンパイプとベンガルの2ショットを撮影したかったのですが、海況が悪く断念。
川といえども白波が立ってすごい揺れです。その後、ホバートからシドニーの回航でストームベイを抜けましたが、あんな小さなモーターボートでこんなところまで来なくてよかったと心底思いました。
メルボルンからのレース艇が何艇か通りすぎたあと、見覚えのある船体が近づいてきました。ただ、ヘッドセールがピンクのようなオレンジのような色をしているのでどうやらベンガルではない様子。と思っていたらストームジブをあげたベンガルでした。
あとから聞いたところ、アクシデントでタフラフが使えなったそうです。川の入り口のIron Potという灯台から併走しました。モーターボートでも追いつくのが精一杯の快走。
大会本部に掲示された上位艇のポジションを知らせるホワイトボード。ベンガルのフィニッシュが近づいてきました。photo by Team Bengal
最後はストームジブをあげてフィニッシュ。photo by Yoichi Yabe
フィニッシュラインはタスマニア・ロイヤルヨットクラブ(Royal Yacht Club of Tasmania)のすぐ沖です。フィニッシュエリアの近くは風も穏やかで、ゆっくりとフィニッシュの瞬間を味わうことができました。12月29日午前11時56分、KLC Bengal7フィニッシュ。
フィニッシュしたレース艇は、カフェ等の商業施設に囲まれたドックに係留されます。クリスマスホリデイ、そしてメルボルンからのレースを始めとするその他のレースのフィニッシュとも重なり、ドックは人でにぎわっています。艇名のアナウンスとともに入港、たくさんの人たちの拍手で迎えられました。
今年のレースは、例年に比べて海況はそこまで厳しくなかったようですが、それでもやはりタフなレースだったことに間違いありません。でも、レース中に見る色んな景色はそれを吹き飛ばすほどのものだったそう。
そして、アップウインドもダウンウインドも強風も微風も、外洋ヨットレースで起こりうるすべての要素が詰まった濃くとても充実したレースだと、南半球の強烈な紫外線でやけどした日焼け顔のクルーが口を揃えて言っていました。
冷えたシャンパンとおにぎりでフィニッシュを祝ったあとは、一旦休憩してディナー。タスマニアの味の濃い牡蠣はじめ新鮮なシーフードに冷えたワインとタスマニアのビール! 夜のホバートの街はバーの中でも外でもパーティーが終わりません。
タスマニアはシーフードがとてもおいしく、街の雰囲気もとてもいい素敵なところです。少しホバートの街を離れると自然豊かで山も海も川も同時に楽しめます。日本だと北海道のような感じでしょうか。
トランスパック同様、レースそのもののおもしろさだけでなく、観覧艇での応援やフィニッシュ地での観光など、応援に来た家族も十分楽しめるレースでした。スタート観覧だけ取っても楽しみ方がたくさんあり、今度は陸からピクニックしながら見てみたい、とか限定エリアからも見てみたいなど、毎年見たいなぁと思うレースです。
そして、いろんな楽しみ方があるからこそ、地元の人にとっても年に1度ボクシングデーからニューイヤーにかけて、恒例イベントとして定着しているんだろうなぁと思いました。
さて、厳しいインスペクションをパスし、安全講習会で安全に関する知識を学び、世界三大外洋レースの1つを経験し、一回り大きくなったベンガルチーム。
次はチームとして7回目、Hamphry54での初のトランスパック参戦です。今年は日本艇が他に複数エントリーするようなのでとっても楽しみです。回航チームはニュージーランド、タヒチ経由でひとまずハワイを目指します!
※ロス〜ハワイを走るトランスパックヨットレースは今年7月に開催されます。日本からは出場を発表している〈ベンガル〉の他に、〈貴帆〉、〈クレセント〉がすでにエントリーしています。(編集部)
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