松永鉄也・吉田雄悟、全日本を制する!
11月25日、高松470全日本選手権最終日。晴れわたる高松沖は、風弱く、陸上風待ちではじまりました。その後、昼前になって待望の北東風が入り出艇。大会最終日は軽風のなかで2レースおこなわれました。上マーク方向には桃太郎の鬼ヶ島伝説の残る女木島。紅葉を待つ緑を背景に気持ちのよい風が吹き、最終決戦の舞台が整いました。(BHM編集部)
決勝第6レースをトップフィニッシュを飾り優勝を決めた松永/吉田。本人たちが「今回は出来すぎ」というほどの横綱相撲を見せました。photo by Junichi Hirai
レース海面はシフティーな風と強い潮が流れていますが、この水域で4日間もレースをしていると「高松らしい」という言葉で片付けてしまうほど慣れてしまいます。第1マークで最初にスピンがあがったのは、日本経済大の今村/大嶋。その次は、スリーボンドのロゴ。優勝に王手を掛けている松永/吉田です。
松永/吉田はダウンウインドで先行艇をあっさりと追い抜くと安定の独走態勢へ。決勝第6レースも余裕のトップフィニッシュを飾り、最終レースを待たずに優勝を決めました。
「風が弱くトリッキーな海面で、さらに潮が強いなかで、1上マークまでの順位を大事に安定して走ろうと心がけました。このふたりで出場するのは初めてでしたが、レース中にやるべきことは同じだから違和感はなかったです。全日本優勝ははじめて。過去4回出場していて3度2位です。「2番ばかりで勝てない男」が、ようやく優勝を手にすることができました。本当にうれしいです」(松永鉄也)
「この全日本は、いかに成績を安定されるかがポイントだったと思います。でも、スタートから積極的に行ったし、1上マークを10番ぐらいでまわっても、ここからが勝負だという気持ちで追い上げられました。基本的に(松永選手に)任せきりでしたが、速く走らせるのはチームが変わっても同じ。いいレースができたと思います」(吉田雄悟)
松永鉄也は初優勝、吉田雄悟は3度目の優勝となります。彼らだけでなく、元ナショナルチームを見ていて、プレッシャーのないのびのびとした走りが印象的でした。
また、バルクヘッド読者が気になるのは、スリーボンド、チームアビームの今後の活動展開でしょう。今回の両チームは、スリーボンドの松永がアビームの吉田と組み、さらにアビームの原田は後輩の今井と出場という興味津々のペアでした。また、既報の通り、チームアビームはオーストラリアの金メダルチーム、ベルチャー/ライアンとパートナー契約を結んだことを発表しています。
しかし、残念ながら、まだ未定の部分が多く、バルクヘッドマガジンで記事にすることはできません。いずれにせよ、両チームとも大きく動き出そうとしています。470五輪バトルの導火線に火がつけられたことは確か。ファンであるわたしたちは、両チームの新体制発表を待ちたいと思います。
来年の470級全日本は福岡小戸で開催されます。
高松沖の女木島を背景に色とりどりのスピネーカーが連なります。この美しい景色は瀬戸内ならでは。こんな場所でセーリングできる日本を誇りに思います。photo by Junichi Hirai
2位の原田/今井。「まだ自分の進む道ははっきり見えていません。でも五輪選手が全日本に出場することは大事だし、若い選手に五輪を身近に感じて欲しいと思って出場を決めました。気負いはなかったけれど、前半の成績が良かったのでちょっと欲が出てきてしまいましたね(笑)」(原田)
3位の近藤/深沢。プレッシャーのない戦いで終始リラックスムードだった近藤。4位の土居/外薗と同点で終え、タイブレイクで3位入賞、全日本女子優勝を決めました。photo by Junichi Hirai
優勝の松永鉄也/吉田雄悟。スリーボンドチームはキールボート活動も継続しておこなうとのこと。photo by Junichi Hirai
ヨットハーバーに登場した軽トラの荷台の巨大な物体。これ、何だと思います?
実は炊き出し用の鍋なんです。ガスボンベも備わり、大人数の炊き出しを選手たちにもてなしてくれました。雨が降ったり、帰着が夕暮れになる時もあるほどレースは長引きましたが、大会側がもてなしてくれた、うどんの炊き出しは最高にあたたかく、おいしかったです。photo by Junichi Hirai
◎全日本470選手権(成績速報など)
http://470alljpn2012.jimdo.com/
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